戦後75年。体験者と専門家も証言を中心に記録映像を交え描く、 『ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶』。 3年かけて取材した太田隆文監督が初日舞台挨拶に登壇!

 

【以下プレスリリース文掲載】

 

「3年かけて取材しました。沖縄のことは何も知らずに、0からスタートしました。だからこそ、一般の人の視点沖縄戦を見られたので、沖縄のことを知らない人にわかりやすく作りました。こういうのは専門家が作ることが多いですが、難しくなりすぎるんです。中学生が見てもわかるように作りました。

 

私たちが沖縄戦をなぜ知らないのかと考えたら、学校教育の日本史で太平洋戦争というのは、3学期ですよね。卒業間近でバタバタと終わってしまう。太平洋戦争まで行かない学校もある。若い人に聞いても皆知らない。江戸時代、室町幕府などはやるけれど、沖縄戦なんて「太平洋戦争唯一の地上戦が行われた」の1行ですよ! だから皆知らない。真珠湾やミッドウェー海戦は、『トラ・トラ・トラ!』など映画になっているから皆知っている。原爆は、映画は黒澤明監督も作っていて、漫画でも『はだしのゲン』があります。終戦記念日が近づくとスペシャルドラマがありますが、沖縄戦はほとんど取り上げられないんです。あるのは、リメイクが4本ある『ひめゆりの塔』、岡本喜八監督の『激動の昭和史 沖縄決戦』。でもこれは、映画ファンでもなかなか知らない。という風に、沖縄戦全体についての作品は、映画、ドラマ、漫画でもない。

 

1時間45分じゃまとまりきれないほど一杯話があったんですけれど、取材によって色々なことが見えてきました。本作を通して、沖縄戦の歴史がわかるだけでなく、今の時代が見えてきます。特に、コロナ禍で、国や都がやっていることと、沖縄戦時代の政府がやっていたことはとっても似ています。

 

アメリカという国も見えてきます。自分たちの食料は当然持ってきます。日本軍は現地到着が基本だったりしますが、アメリカ軍は捕虜の食事まで持ってきているんです。映画の中で捕虜になった4〜5歳の幼児たちが出てきますが、皆同じ服を着ています。アメリカ軍が用意していたからです。アメリカは、戦場をカラーフィルムでも撮影をしています。スチール写真も撮っています。記録フィルムのメイキング班とスチール班がいて、食事や重機を持ってきていて、そんな国と戦争したんだということも見えてきました。

 

このように、いろんな角度から見て頂ければと思います。

 

この映画を見ておしまいではなく、例えばあの人に講演会をお願いしようだとか、泳ぎに沖縄に行くんだけど、帰りにあの資料館に行ってみようだとかいう方のために、全部住所まで書き、知っていくきっかけになるようなパンフレットを作りました。

 

戦争をしたいという政治家がたくさんいる今の時代、大きな企業がスポンサーだったら絶対にできなかった映画です。宣伝費も限られている作品なので、見て思うことがあったら、色んな人に伝えて頂ければと思います。

 

 

ナレーション:宝田 明 斉藤とも子

声の出演:挧野幸知 嵯峨崇司 水津亜子

監督: 太田隆文

撮影:三本木久城 吉田良介

音楽:サウンドキッズ

題字:大石千世

制作:青空映画舎

配給・宣伝:渋谷プロダクション

製作:浄土真宗本願寺派(西本願寺)

© 浄土真宗本願寺派(西本願寺) 青空映画舎

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