スプラッター初心者向け!?『デスカムトゥルー』発売前インプレッション

 

トゥーキョーゲームスの小高和剛が手掛けた新作ゲーム『デスカムトゥルー』が6月26日にイザナギゲームズから発売される。対応機種はiOS、Android、Nintendo Switch、PS4、PC。

本作はシネマティックなムービーアドベンチャーゲームで、映画を観ているような感覚でゲームも楽しめるという一粒で二度美味しい作品となっているので、普段ゲームをしない人でも映画が好きならオススメしたいところ。

 

選択肢のあるドラマとしてはネットフリックスオリジナルドラマの『ブラックミラー バンダースナッチ』があるが、このゲームはストリーミングではなくソフトをダウンロードしたらそれでプレイできてしまうので、通信量(ギガ)を気にしなくてもいい。加えて選択肢から選択肢までの時間がおおよそ5分から長くても15分なので電車などの移動中やちょっとした空き時間を使って手軽にプレイできるとこが魅力的だ。

 

本作のストーリーは主人公カラキマコト(本郷奏多)が高級ホテルの一室で目を覚ましたら記憶喪失の状態で、ニュースで指名手配中の連続殺人鬼であることを知るというジェットコースターのような勢いで始まる。

カラキはホテルからの脱出を試みるも警察官に発泡されたり、謎の人物に殴打されたり、刀で刺されたりとバラエティ豊かな殺され方をされてしまうが、これはゲームにおいて非常に重要なことなので死んでしまったからといって肩を落とすことはない。このゲームは『デスカムトゥルー』(やがて訪れる死)というタイトルの通り、死に陥るたびにターニングポイントとなった時間に巻き戻り、最善の選択肢を見出して脱出を試みるといういわゆるループ物のようなテイストとなっている。そのため死を回避することを意識するよりも積極的に本郷奏多氏を死に追いやること、新しい殺され方を見ることを念頭に入れてプレイに臨んだほうがいいというわけだ!

 

 

上記の文はスプラッター映画が好きな人に向けた表記ではあるが、実のところ流血表現は全くと言っていいほど無く、スプラッター映画マニアにとっては少々物足りない作品ではある。逆に連続殺人モノのドラマは見るけどスプラッター映画は見られないという人にはある意味入門編的な作品として見られるかもしれない。

 

プレイヤーはカラキマコトとして物語の分岐点に差し掛かった時に画面上に表示される行動可能な選択肢を選ぶことになる。このとき画面はパノラマ画像となってあたりを見回す構図となり、選択肢もただタップ操作で軽く押して選択するのではなく長押しとなっている。文字で書くと少々かったるく聞こえるけど、ゲーム中にはこの長押しの時間を活用したギミックも施されているのでそのシーンを体感したときには「良くできた物だ!」と感心させられた。

 

 

ゲームを進めていき、カラキが新しい死を迎えるとその度に「デスメダル」という実績アイテムを獲得する。

 

 

これを獲得した枚数ごとにゲーム内にあるエキストラメニュー「デスチューブ」で観られる様々な映像が解放され、これらの映像の中には本作のメイキング映像からオフショットが多数収録されており、ゲームを楽しむだけでなく、映画の特典ディスクに手を出すような映画ファンのような楽しみ方ができる。

 

まさに映画、ドラマが好きな人のために作られたゲーム作品と言えるだろう。

このゲームは本郷奏多や栗山千明、森崎ウィンのような有名俳優が多数起用されていることもあり、このようなメイキング集は映画ファンの心をくすぐるようになっている。そのためゲームファンはもちろんのこと、映画ファンも遊べる映像作品として手にとって欲しいと感じられた。

 

キャストに関して触れるなら、主人公を務めたカラキマコト役の本郷奏多氏は自他認めるほどのゲーム好きで、過去には小高の『ダンガンロンパ3』でも御手洗亮太を演じていた。メイキング映像から見ても熱意を持って撮影に臨んでおり作品の雰囲気を壊すことなく役を演じ切っていたため非常に好感触が持てた。

 

 

ヒロインのサチムラアカネを演じた栗山千明も非常に若々しくも利発的な女性捜査官を演じきっており、『死国』以来多種多様な演技をこなす演技派女優としての存在感を際立たせている。

 

 

公式のホームページでの紹介は「ホテルのフロントマン」とかなりそっけない商会ではあるが、本作のキーパーソンを演じている梶裕貴も役から発するミステリアスな雰囲気を最後まで崩すこと無く最後まで演じており、オフショットでも微笑ましい一面が見られるのでファン必見の内容ではないだろうか。

 

 

そして『レディ・プレイヤー1』で多くのガンダムファンから一般人にまで一躍その名を轟かせた森崎ウィンも美味しい役柄もあって役者としていい演技を見せているため、本作を見ごたえある映像とするのに一役買っていると言ってもいい。

 

 

ここまで4人を振り返ると全員に共通するのは「ガンダム好き」で、小高のキャスティングの基準がガンダムを念頭に入れていたのではないかと疑いたくなるほど。僕自身ガンダムには興味がないため分からなかったが、もしかしたらこの作品はガンダムファンに向けた仕掛けが何かあったのかもしれない。

 

アドベンチャーゲームファンのみならず、是非映画ファンにもキャストのファンにも手にとって遊んで欲しい『デスカムトゥルー』。総プレイ時間は5時間程度なので、特典ディスクもひっくるめてちょっと長めの映画を楽しむ感覚で臨んで貰えれば幸いだ。

 

 

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