みんな!プレデターを知ろう!『Predator: Hunting Grounds』 プレイインプレッション

4月24日(金)超大人気映画『プレデター』を題材に扱ったオンライン非対称型マルチプレイアクション/シューティングゲームがPS4に向けて発売された。

今回はこの原作を忠実に再現しようとした意欲的な作品をエンタジャム編集部で検証プレイしたためお届けする。

 

 

原作映画の『プレデター』は、若かりし頃のアーノルド・シュワルツェネッガーが様々な知恵を駆使して残忍なプレデター(捕食者)を迎撃し、ジャングルから脱出するという内容の作品。劇中で披露した人間の頭蓋骨から背骨をえぐり取るプレデターの姿に腰を抜かした人はかなりいるはず。先日発売されたこのゲームはそんな原作映画を追体験する非対称サバイバルゲームとなっている。

 

 

ゲームは全5名のプレイヤーで行われ、うち4人は一組のファイアチームに振り分けられ、ゲリラのうごめくジャングルで軍事ミッションをいくつかこなしてからヘリを呼び、脱出を試みる。

残った1人はプレデターとなり、ゲリラやこのファイアチーム4人の殺戮(狩り)に奔走することになる。

 

ファイアチームの操作方法はFPSゲームの標準的な操作方法になっているので、この手のゲームを遊んでいる人にとっては特段困ることはないだろう。

マッチング前のロードアウトでキャラクターごとに様々な装備や見た目のカスタマイズが可能となっているので、自分に合ったプレイスタイルを構築することができる。プレイを始めた段階では一人だけしかカスタマイズできないが、ゲームを進めていくとカスタマイズ可能なキャラが増えていく。

 

ファイアチームに振り分けられたプレイヤーは指定された目的地に到着する度に与えられたミッションイベントを遂行し、イベントが終わる度に次の目的地が決定するので、再び移動してミッションイベントをこなす。イベントをこなしている最中にはNPCのゲリラ兵がファイアチームを奇襲し、仲間と協力してこれを迎え撃つ。

 

 

プレデター操作時は3人称視点となり、操作方法も標準的なTPSゲームの様式にならっていて、ボタン一つで光学迷彩やサーモグラフィーのようなおなじみのギミックを使うことができる。プレデターはプレイヤーのレベルが上っていくに従ってプラズマキャノンやスマートディスクを装備して使用することができる。

プレデターは基本的に映画作品と同じように木を登って木々の間を縫うように移動することが出来、時には大ジャンプをかましてスラム攻撃を放ってキャラクターを倒すことができる。

映画『プレデター』で印象的だった不意打ちも「ステルスキル」というシステムで可能になっているが、基本的にNPCのゲリラ兵にくらいしか通用しない。

もちろん被ダメージ後の蛍光色の血糊もこのゲームの中に採用されていて、ファイアチーム側はこの血痕を頼りにプレデターを迎撃することになる。

 

 

また、特定のキャラクターに限っては襲撃後におなじみの頭蓋骨を掴んで脊髄を引っこ抜くフェイタリティ演出が用意されており決まると非常に気持ちいい。

 

ゲームのコンセプトも映画に忠実に則ったもので、ルールも操作も単純明快。似たようなゲームの『Dead by Daylight』と比べても本作のほうが双方のプレイヤーにストーリー要素を含んでいることからプレイヤーの気分を高められていると思う。

 

 

 

■チュートリアルがプレデターしか無いものの、すぐに実践に臨めるのは良い部分だが・・・

 

このゲームを始めると最初にチュートリアルでプレデターの操作方法を学ぶことになり、その後はマッチングして対戦を行うことで実戦に臨んで経験やスキルを積んでいくことになる。ただその逆サイドのファイアチームのチュートリアルは用意されていない。

おそらくファイアチームの操作に関しては、他のFPSゲームとほぼ同様のものであるため用意しなかったのだろう。ただ、このチュートリアルの省略が良いのかと言うと正直微妙なところ。

 

本作はオンラインマルチプレイ専用タイトルなので、すぐに対戦に臨みたい実践主義でセッカチなプレイヤーにとってチュートリアルから対戦への導線が短いのは良いのかもしれない。とは言ってもせめて、ファイアチームの目的やミッションガイドなど大体の流れを習得させるためのチュートリアルを用意しても良かったんじゃないかと思う。

そうすればプレデター操作時も、ファイアチーム操作時もスムーズなゲーム進行や戦略を立て易くなるはず。

 

 

とまぁチュートリアルに関しては疑問に思うことはあるものの、ゲームプレイをざっとさらってみたところで不満に思う点は無く、原作映画を知っているならかなりいい出来のゲームになっていると分かるはず。

 

さてここまで基本的なゲームプレイを紹介したが、このゲームは最初にも話したようにオンラインマルチプレイの作品となっていて、シングルプレイが無い。値下がりした時期に買おうかと思ってもその頃には人がいなくなっている。なんてことがあり得るんで『プレデター』好きで心ゆくまで遊びたいなら発売された今がいいタイミングなので買い渋るのは少々オススメしない。

 

 

とりあえず20戦くらい遊んだが、光学迷彩のプレデターもその音を完全に消すことは出来ないようで、ヘッドホンを付けてゲームに臨むのがいいということと、あんまりチームと一緒に行動しないほうがいい。

前者はこの手のゲームでよくあることなので詳細は省くけど、後者は協力プレイのゲームではかなりヒンシュクを買うが、圧倒的な攻撃力を持つプレデターと一対一でやりあっても勝ち目がないのは明白でかつ、チームを一網打尽にされないためにも必要な戦術。決してチームとはぐれることは悪いことじゃない(やたら英語でFから始まるワードが聞こえるけど気にしない)。

また泥のある地面にカメラを向けると、映画でシュワルツネッガーがやったように自分の体に泥を塗ることもできる。おそらくサーモグラフィーの感知をごまかすことができるのだと思う。

 

 

また、肝心のプレデターを倒したときには仮面を剥ぐか、倒したプレデターの遺体を守り切るというミッションが発生する。一度まぐれで倒したことがあって仮面を剥げという文字が出てきたものの、どのボタンを押せばいいかの表記がなく、そのまま自爆攻撃に巻き込まれてあえなくゲーム終了となった。やはり、ファイアチームのちゃんとしたチュートリアルが必要だと再認識した。

 

さて、運良く一度だけプレイすることが出来たプレデターのほうはどうかというと、チュートリアルでの操作をすっかり忘れてしまったこともあり、敵を見つけてからわずか5分でリンチされてしまい試合終了。ファイアチームとそこまで操作方法が変わらないとはいえど、経験も積んでいないのでそもそものプレイスキルが無く、操作がまごついて試合にならないといった感じだった。なんだかせっかくマッチングしてくれた対戦相手に物凄く申し訳ない気持ちを抱いた。

それから2時間ほど粘ってプレイするものの、中々プレデターで遊ばせてもらえなかったのでデモ版をプレイした人に色々訊くと、プレデターはプラズマキャノンや槍状のコンビスティックが強い“らしく”、これを使った圧倒的な火力で押し切るというパワープレイが良いとのこと。

ようし、それじゃ早速装備を・・・と思ったらレベルが42とこれまた遠い道のりになりそうだ。

 

 

 

このゲームはマッチング方法がファイアチーム、プレデター、指定なしの3つから選べるが、どうもプレデターに多くのプレイヤーが集中しているせいかファイアチームに振り分けられることが“多すぎる”。かと言ってプレデターを選択するとどうなるかというと10分以上マッチングできないといった状況。

自分の様に実践で触っていないと立ち回りを理解すること無く一方的に5分で抹殺されてしまうため、ゲームとして成立しづらい環境をゲーム側が生むのは制作側としても好ましくないだろう。これはシステム側の問題で、もういっそのことゲームのマッチング選択を取っ払って完全ランダムか、一定数プレイしたら自動でプレデターにするくらいの振り分けシステムにしたほうが有意義なゲームになるかと思う。今後の改善に期待したいところ。

余談だが、『13日の金曜日』をゲーム化した『でも似たようなシステムだったので、いつかIllFonicにインタビューする機会があったら根掘り葉掘り聞いてみたい。

 

 

 

■まずは映画『プレデター』作品のどれかを観よう!

 

最後は『プレデター』という作品を知っていただきたいということで話を締めたいと思う。というのも、このゲーム画面、マッチングしている層を見ていて思ったのが「プレデターをちゃんと知っている、観ている人ってそんなに居ないんじゃない?」という素朴な疑問が頭をよぎったからだ。

 

昨今のプレデターは『エイリアン』のビッグチャップと戦った気持ちの悪い(ブサイク)エイリアンというイメージを抱く人が多く、もしかしたらプレデターくん自体の活躍をしる人が少ないのかもしれない。

 

 

ベトナム戦争の影響が強く反映された本作は、ゲリラ兵やベトコンなどアメリカ兵が受けた恐怖の要素をプレデターという怪物に集約し、戦争の恐怖を別の形で表現している。光学迷彩で姿を隠し、一方的に人間を察知して惨殺してくるプレデターの姿は一つの軍隊そのもので、観客の興奮を誘うスリル満点の作品として今でも楽しめる。

そんな残虐でかつ高度な武器を使うプレデターに対して戦いを挑むアーノルド・シュワルツェネッガーは、筋肉隆々な自身の体を武器にするだけでなく、泥を体に塗ったりして体の表面温度を下げたりと、知恵を駆使した戦い方でプレデターを迎撃する。

『プレデター』が現代でも名作として語り継がれているのは、筋肉モリモリな知的キャラというありえない理想の男性像が、かつてアメリカ兵の受けた恐怖やトラウマを跳ね返すという構図そのもので、恐怖によって呼び起こされるスリルや興奮を超えた先に、ある種の活力を得られる栄養剤的な映画だからだろう。

 

このゲームでは原作映画にあった要素が存分に含まれているので、このゲームを買ってプレイする前に映画『プレデター』『プレデター2』『プレデターズ』『ザ・プレデター』を観てキャラクターとしてのプレデターの魅力を知ってもらうしか無い。

『プレデター』作品の良いところはどの作品も連続性が無く、あらすじを見て面白そうなものから手軽に手にとって鑑賞できるところ。最近のアニメで「異世界点転生モノ」の作品が好きな人は『プレデターズ』がオススメ。

 

 

また、初作の『プレデター』を観ておくとこのゲームで使われている楽曲がアラン・シルヴェストリのモノが使われていることが分かったりするとより面白く感じられるはず。

プレデターの人間に対する残忍な殺し方を脳裏に焼き付けておくことで、このゲームがプレデター追体験の作品なんだと理解し、そこから初めてこのゲームがプレイしたいと思えるようになうはず。

 

まずはゲームを買うより先にプレデターを知ろう!

 

プレデターを知るために『プレデター』を観よう!

 

話はそれからだ!

最後に・・・今日の夜にジャンクハンター吉田主催のプレデターオンライン交流会が行われる模様です。

詳細は下記のツイートを参照にしてください。

編集長の畑史進もいます。

 

 

 

 

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