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本年5月公開予定!『ミセス・ノイズィ』畑史進編集長&ジャンクハンター吉田 クロスレビュー

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本年5月に公開予定の『ミセス・ノイズィ』を編集長の畑史進(現役ネット世代)と、ジャンクハンター吉田(交通ジャーナリスト)が徹底紹介!

 

【あらすじ】

小説家であり、母親でもある主人公・吉岡真紀(36)。スランプ中の彼女の前に、ある日突如立ちはだかったのは、隣の住人・若田美和子(52)による、けたたましい騒音、そして嫌がらせの数々だった。それは日に日に激しくなり、真紀のストレスは溜まる一方。執筆は一向に進まず、おかげで家族ともギクシャクし、心の平穏を奪われていく。そんな日々が続く中、真紀は、美和子を小説のネタに書くことで反撃に出る。

だがそれが予想外の事態を巻き起こしてしまう。2人のケンカは日増しに激しくなり、家族や世間を巻き込んでいき、やがてマスコミを騒がす大事件へと発展……。

果たして、この不条理なバトルに決着はつくのかーー?!

 

 

 

■畑編集長(平成元年生まれのネット世代)のコメント

 

この作品は2000年代なかばに奈良で実際にあった、いわゆる「引越しおばさん」の事件からイマジネーションを得た(と思われる)作品なんだけど、あの事件をそのまま映画として作ったのではなく、現代のインターネット社会を踏まえて現代社会に疑問を投げかけるストーリーとなっているため、最後までノンストップで興味深く観ることができた。

 

若い人に向けて「引越しおばさん事件」紹介すると、近隣に越してきた隣人とトラブルが起きて、当人は反撃として四六時中ラジカセで爆音の音楽を流した挙げ句、

「引っ越し♪引っ越し♪サッサと引っ越し♪シバクぞ!」

という芸術的なフレーズで叫びまくって相手に多大な苦痛を与えた。

当然このことはTVで報道されて、元自民党議員の「しおじい」こと塩川正十郎氏の「これはねえ、やっぱり狂ってますよ。(以下省略)」というコメントや、おばさんの鬼気迫る様子も相まってネット民の格好のオモチャになってしまい、またたく間にフラッシュ動画とか2ちゃんねるで取り上げられちゃった。

その後の裁判では色々とおばさんのビハインドが明かされたり、真偽不明の噂が飛び交ったりと、00年代に起きた事件としてはかなりぶっ飛んだものだった(当時高校生くらいだったかな?)。

 

 

あらすじだけ見た最初の正直な印象を話すと、例の事件を茶化した『騒音おばさん・ザ・ムービー』だと完全に小馬鹿にしていた(すみませんでした・・・)

ところがそんな印象は開始から30分ほどで一変。主人公の女性小説作家が騒音おばさんから受けた被害から裁判を起こすための証拠撮影、騒音おばさんの境遇、ネット民に寄る拡散、そこからくる棚ぼた的な幸運からラストまでのシナリオの練り込みが秀逸で、かつ現代のインターネット社会の問題を見事に投影した作りとなっている。そのため最後まで一貫して現代社会に問いを投げかける「考えさせられる作品」になっていたので感心すると同時に反省。

 

更に言うと「騒音おばさん」役も真偽のはっきりするネタを取り込んでいるもので、観ているこちら側が逆にその踏み込みっぷりにドキドキさせられたもの。

ここまで来ると珍事件に対する「敬意」さえ感じてしまう。2020年がはじまって以来かなり印象に残る傑作に出会ってしまったと思う。

この作品は宣伝のやり方一つでかなり大きなムーブメントを起こせるポテンシャルを秘めているので、安直な宣伝で終わらせてはいけない。そう思える作品でした。

 

■ジャンクハンター吉田(2ちゃんねるでよくネタになる側)のコメント

「引っ越し! 引っ越し! さっさと引っ越し! しばくぞ!」でネット界では超有名な”騒音おばさん”こと奈良騒音傷害事件をヒントにオリジナル脚本で作られた『ミセス・ノイズィ』。あれを題材に脚色して映画にするなんて……と予想を遥かナナメから攻める内容に衝撃。

 

 

観るまではサイコホラーにでもなるんだろうと勝手な予測をしていたのだが、隙のないアップテンポの描写は段々とコメディー調に展開していきつつ、まさかのヒューマンドラマへ変貌する後半。小さな作品だが大変良くまとまっており、現代社会におけるネット民たちがガソリンを注入しまくる炎上が作品の根底にあり、そこから人生が狂わされていく2つの家族が、同時進行で並行した軸をそれぞれの正義によって衝突していく巧みな演出もお見事。騒音おばさん役の大高洋子の鬼気迫る演技に終始魅了されながらも、子役の新津ちせ(父親が新海誠監督、そしてFoorinのメンバーで歌手としても活動中)の表情で陰と陽を使い分ける表現力に目が行ってしまった。

天野千尋監督の作品を観るのは『ミセス・ノイズィ』が初めてだが、物語に説明臭さもなく感情移入させやすくするのか何気ない人物描写を随所へインサートしていたのが印象的な演出で、ヒューマンドラマを舵取りするセンスは抜群だった。

 

 

【クレジット】
出演:篠原ゆき子    大高洋子
長尾卓磨 新津ちせ 宮崎太一 米本来輝
洞口依子 和田雅成 田中要次 風祭ゆき
監督・脚本:天野千尋
制作:ヒコーキ・フィルムズ インターナショナル/メディアプルポ
企画協力:アクターズヴィジョン 配給:アークエンタテインメント

特別協力:アミューズメントメディア総合学院
映画『ミセス・ノイズィ』
2020年5月 TOHOシネマズ日比谷、新宿武蔵野館他全国公開

 

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