映画『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』推奨コメント解禁

〈イントロダクション〉

本作は、フェミニズム文学の新たな旗手、気鋭のイギリス人女性作家ナオミ・オルダーマンの自伝的デビュー作に出会ったレイチェル・ワイズが、プロデューサーとして企画段階から深く入り込んだ自信作。そして、ワイズがその才能に惚れ込んで監督を依頼したのが、『ナチュラルウーマン』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞して世界的な評価を高めたセバスティアン・レリオ。葛藤して揺れ動く二人を切なく、時に大胆に映し出している。また、『女王陛下のお気に入り』『ルーム』のプロデューサーや『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞した撮影監督など、ワイズが絶大な信頼を寄せる強力な布陣がその脇を固めている。タブーのない現代社会とは隔絶された、女性に自由のない世界に抗う二人を、実力派女優のレイチェル・ワイズとレイチェル・マクアダムスのWレイチェルが繊細かつ体当たりの演技で挑んでいる。

 

〈ストーリー〉

厳格な超正統派ユダヤ・コミュニティで生まれ育ったロニートとエスティ。惹かれあっていた二人を、コミュニティの掟は赦さなかった。ロニートはユダヤ教指導者の父と信仰を捨てて故郷を去り、残されたエスティは幼なじみのドヴィッドと結婚してユダヤ社会で生きることとした。月日が流れ、父の死をきっかけにロニートが帰郷し、再会した二人。封印していた熱い想いが溢れ、信仰と愛の間で葛藤する二人が選んだ道とは・・・

 

【以下プレスリリース文掲載】

 

この度、映画『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』が2月7日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開いたします。

主演は、『ナイロビの蜂』でアカデミー賞助演女優賞受賞、『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたレイチェル・ワイズと、『きみに読む物語』『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』など話題作に出演、『スポットライト 世紀のスクープ』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートのレイチェル・マクアダムス。近年アカデミー賞ノミネートが続く実力派女優のWレイチェルが、繊細かつ大胆な体当たりの演技で“美しき純愛”に挑んでいます。

 

 

ヨシダナギ(フォトグラファー)

ある国のある民族はその伝統的な姿を保っていること自体が、迫害の理由になる。 ある国のセクシャルマイノリティは、命を危険に晒すため、誰にも告白できない。 自分はどのような存在でいるべきか、いたいのか。 この映画は、文化と本能の間で選択を迫られつづける動物 「ニンゲン」を鋭く美しく描いている。

綿矢りさ(作家)

時を経ても二人の女性の絆は濃い。恋も煩悩のうちと捉えるなら、禁じられるほどに、抗いがたい魅力は増してゆく。男女の愛のみ健全とするなら、幾つもの芽は、育ちきらぬまま摘み取られてゆく。 私たち人間は、天使にも獣にもなりきれない。その狭間で一生葛藤してこそ、真の姿へと近づく。

柿沼瑛子(翻訳家)

どんなに痛みをともなおうと、人は「選ぶ」ことができる。愛は人を自由にする。

王谷晶(小説家)

愛する女から去った女、女を愛することを諦めた女。 神さまに見つからないように、吐息と溜息で語り合う女と女。 大人の恋は、好きと伝えただけじゃハッピーエンドにならない。 苦くて痛いロマンスがいつまでも口に残る。

鈴木みのり(ライター)

厳格なユダヤ教正統派と、ジェンダーやセクシュアリティの規範からの自由……そんな風にこの物語を枠にはめてしまえるかもしれない。しかし本作はひたすら落としどころのないままならなさを観客に突きつけてくる。その不明瞭を浴びる時間こそ、味わい深い。

 

カナイユユキ(イラストレーター)

肌を覆い隠す信仰のためのコスチュームを脱ぎ捨てるしぐさが、古い慣習を捨て去る主人公の選択と印象的に重なる、人生を自分の手に取り戻すレズビアン女性の抵抗を描いた映画です。観賞後、誰もが自分を生きる権利と、そのために闘う権利がある、ということについて考えました。誰もが闘えるわけではないからこそ、彼女たちの姿は尊いと感じます。

立田敦子(映画評論家)

家族やコミュニティとの関係も大事だけれど、 それでも本当の自分には嘘をつけない。 誠実さ故に悩み、傷つき、苦しみの果てに自分らしい生き方を見出していく ふたりの姿に心を揺さぶられた。 自由、愛、人生について考えさせられる美しい作品。

杉谷伸子(映画ライター)

たんなる許されない愛の物語だと思ったら、大間違い。 誰を愛し、どう生きるか。自分のその選択を大切な人に認めてもらいたいと願うのは、誰しも同じ。 これは、すべての父と娘の、いや、親と子の物語でもある。それぞれの想いが胸に迫る。

今 祥枝(映画ライター)

信仰と愛の間で悲しい思いを強いられる人々がいる。 無宗教の私にとって、最も理解し難いテーマと特定のコミュニティを描いた本作が、これほどまでに普遍性と現代性に満ちた物語と成り得ることに驚かされた。 寛容さと愛、そして”選択の自由”を伝える美しく力強い作品。

冨永由紀(ライター)

愛が与える苦しみと、愛がもたらす喜び。そして愛が教える自由。信じてきた価値観をも揺るがす愛と向き合い、それぞれの決断をする彼女たち、そして彼にも心を揺さぶられる。ラストシーンで見せられた、あの表情が忘れられない。

 

 

監督:セバスティアン・レリオ(『グロリアの青春』、『ナチュラル・ウーマン』)

キャスト:レイチェル・ワイズ、レイチェル・マクアダムス、アレッサンドロ・ニヴォラ

プロデューサー:フリーダ・トレスブランコ(『パンズ・ラビリンス』)、エド・ギニー(『女王陛下のお気に入り』、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・セイクリッド・ディア』、『ルーム』、『ロブスター』)、レイチェル・ワイズ

2017年/イギリス/英語/DCP/カラー/114分/原題:Disobedience PG12

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