第20回  『キミに逢えたら』

小宮山雄飛の東京DVDライフ 第20回  『キミに逢えたら』



文章/小宮山雄飛
画/黒木裕貴
ここのところ、好きな映画と俳優のジャンルというか、○○系みたいのがだんだん定まってきた。 例えば大好きなジャック・ブラックやウィル・ファレルの作品を観ると、どの作品にも必ず同じような俳優が出てて、ああ、この人とこの人は仲良いんだ!とか、この監督はこの俳優が好きなんだな、みたいなことが分かって来る。 日本でもありますよね、伊丹十三の映画に必ず出てる俳優とか、三谷幸喜ファミリーとか、三木聡の作品は必ずこの面子がいるよな、みたいなね。


そういう自分の○○系の傾向が分かってくると、DVD選びが楽しくなってくる。 監督や俳優からどんどん横のラインが広がって行くからです。


ということで、僕が最近好きな作品に必ず出て来る俳優の一人がマイケル・セラ


『スーパーバッド 童貞ウォーズ』 『JUNO』 と僕の好きな作品に立て続けに出てて


『紀元1年が、こんなんだったら!?』 では待望のジャック・ブラックとの共演もした。


 若手の俳優としては今一番好きですね!


そんな彼主演のこれまた最高の一作がこちら



『キミに逢えたら』



この映画はね、一言で言うなら『下北沢』ですね、はい。 東京で言うなら、下北沢でバンド活動をしてる学生と、音楽好きの女の子の恋の物語という感じですね。


とにかく甘酸っぱくて、僕自身も学生時代にバンドを始めた頃のことを思い出しながら観てた。


意外と内容自体は、80年代の月曜ドラマランド辺りでもやってそうな、ほんとなんでもないことなんですよ。 伝説のバンドのライブを観に行く道中の若い男女の間ですったもんだ起きる珍道中、と説明してしまえば、ほんとなんてことのない映画、というかドタバタコメディのようでもあります。 でも、一人一人のキャラ設定や映像の撮り方、さらには(この映画の核でもある)サントラの選曲、そういう全てのセンスが良い!


なんかね、うまく説明できないんですが、胸がキュンとする黄金比率みたいなものって絶対あるじゃないですか。 話は一気に変わるようですが、ドラえもんの配役、あれって黄金比率だと思うんですよ。 メインとなる憎めないキャラがいて、ドジな主人公(になるんだよね?のび太って)がいて、太ったガキ大将と金持ちのちょっとズルそうな手下、そこにヒロイン。 この5人(正確には4人と1匹?1台?)って子供が喜ぶ黄金比率だと思うんですよ。 あるいはルパンの男3人+女1人+警察1人っていうのも、きっとそう。


なんか、あるでしょ、そういうグループものの黄金比率みたいの。


この映画、そこら辺が見事なんですよ。 気弱な主人公と、ちょっと強気なヒロイン、友達のゲイ2人(1人はアジア系)、さらに話を面白くするはちゃめちゃな女友達1人、恋を邪魔するチョイ悪女1人。これが見事な黄金比率で、いつの間にか全員を応援したくなっちゃう。


しかもその黄金比率が、実に現代っぽい自然な黄金比率なんですよ。 これがいわゆるハリウッド式の黄金比率だったら、白人何人に黒人何人に、、、とかあると思うんですね、売れる映画の法則みたいのが。 この作品はそういう売れる法則での黄金比率ではなく、しっかり胸にキュンとくる黄金比率で作られてる。 そこが素晴らしい!


たぶん僕らの生活にも、実はそういう黄金比率ってあるんだと思うんですよ。 富や名誉とは別に、なんか楽しい、なんかしっくりくる友人関係の黄金比率みたいなもの。 友達が多けりゃいい、お金を沢山持ってりゃいいってもんじゃありません、自分にとって気持ち良い黄金比率が保たれてるかが重要。


そんな自分にとっての本当にいいバランスを思い出させてくれる映画です。




小宮山雄飛(ホフディラン)

ミュージシャン
1973年8月14日生まれ
1996 年「スマイル」でホフディランのVo&Keyとしてデビュー。「遠距離恋愛は続く」「恋はいつも幻のように」「欲望」「極楽はどこだ」など、ヒッ ト曲を多発し、FUJI ROCK FESTIVALへの参加、日本武道館でのワンマンライブを成功させるなど、ライブでも活躍。日本のポップシーンにおいて根強い人気を誇る。デビュー以 来、シングル19枚、アルバム9枚(ベスト盤含む)をリリースしている。
絶賛発売中のニューアルバム『ブランニューピース』(DVD付き初回限定盤)に収録されている『恋人たち』『ニューピース』のPVでは、自ら監督を 務めるなど、多才な一面を持つ。2009年7月3日には、渋谷C.C.Lemonホールにて、デビュー13周年記念ライブを行い大成功!その模様を収録し たライブDVD『13年の金曜日』においても監督を務め、11月4日にライブCDとともに同時リリース、絶賛発売中! 
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in EZOへの出演も決定!
2010年7月3日(土)
ホフディラン ワンマンライブ
『14年の土曜日』
会場:SHIBUYA-AX
open 18:00 / start 19:00
チケット料金:3980円(ドリンク無し!)
ワタナベイビープロデュースDVD第3弾発売&自ら手売り
ゲスト:ゆってぃ / and more…
問い合わせ:HOT STUFF 03-5720-9999
5/9からの一般発売に先駆けて、HP先行予約を受け付けます!
受付期間   4月19日(月) 12:00 ~ 5月5日(水) 18:00      
  ※専用URL http://eplus.jp/hoff-hp2/   
・ホフディラン HP http://hoff.jp/
・軟式ブログ http://blog.excite.co.jp/yuhi-blog/
・こむぞう http://comzo.cocolog-nifty.com/
・シコウヒンTV http://www.andsmile.tv/
・SHOOT UP http://www.shootup.net/

黒木裕貴(クロキユタカ)
東京生まれのイラストレーター。
CDジャケットや書籍・雑誌、アパレル等で幅広く活躍中。
また、影絵やコマ撮り作品をつくる映像作家としての顔も持つ。
official website http://www.kurokiyutaka.com/
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