第16回 『賢く生きる恋のレシピ』

小宮山雄飛の東京DVDライフ 第16回 『賢く生きる恋のレシピ』



文章/小宮山雄飛
画/黒木裕貴
今回のDVDは


『賢く生きる恋のレシピ』



 
はっきり言って、この作品には多いに不満があります!


不満というのは日本版における、タイトルとジャケットです。


原題は『smart people(賢い人達)』で、タイトルには全く「恋」という言葉も「レシピ」という
言葉も入ってません。


さらにジャケットも日本版のような、バックがピンクでいかにも最近ありそうな恋愛映画風
ではありません。



これ、明らかに日本版の制作者が日本人に受けるようにと、よくあるニューヨークでキャリアウーマンが恋してハッピーエンドで終わりますってな感じの映画風にしちゃったんですよ。ほんと最近多いでしょ「恋する~」とか「~のレシピ」とか。TSUTAYAとか大型店に行ってみてください、ほんとにそっくりなジャケがめちゃくちゃありますから!



で、なんでそこに怒ってるかと言いますと、この映画まったくそういう内容じゃないからなんですよ!



この映画はどちらかと言えば、単館系でゆったりじんわり観るような作品です。画面の色使いからサントラの選曲まで、全然OLが喜びそうないわゆる「恋する~レシピ」系の元気はつらつ恋愛ムービーじゃないんですよ!


こういう紛らわしいことは絶対やっちゃ駄目ですね!


商売なのは分かりますけどね、こういうのは作品の印象を大きく左右するから、絶対やっちゃ駄目!



僕も自分のCDのジャケットを作ってるから分かりますが、やはりジャケットというのはその作品を表してないといけない。


もちろん売れそうなジャケットとか話題になりそうなジャケットというのも作れるんですが、それよりも、ちゃんと作品の内容とジャケットが合ってないと駄目。


ジャケットは作品の顔ですから、それがいくら売れ線の顔をしてたって、中身を表してなかったらなんの意味もないんですよ。



これは完璧に日本版スタッフの失敗ですね。僕はエレン・ペイジの大ファンなんでぜひこの映画観たかったんですが、そんな僕ですら、このジャケとタイトル見てちょっと考えちゃいましたもん、なんかちゃらい内容だったら借りたくないなあ・・・って。



ということで、映画そのもののことを語る前にジャケとタイトルを散々語ってしまいましたが、内容はとても面白かった!(だからこそ怒ってるんです!)



まあ、これと言って大きな事件が起こる訳ではなく、父親が大学教授というインテリ一家のちょっと変わった日々を淡々と描いてるんですが、役者一人一人の演技がすごくしっかりしているというか、だらっとしたシーンでもずっと観てられる空気感みたいのがあって良かったです。


特にエレン・ペイジはね、やっぱ生意気そうな感じが最高なんですよね!



ただ欲を言えば、インテリで偏屈なお父さんの役がもうちょっと複雑でもよかったかなと思います。わりとコロっといい人になっちゃったりするんですよ。もうちょっと良いとこもあれば悪いとこもあって、その狭間でどうしようか苦しんでる・・・みたいな感じでくすぐってくれればいいんですが、最初すごい嫌なやつで、突然ころっといい人になっちゃう。デートの1回2回でそんなに簡単に変わるなよ!っていう。



まあでも、とにかくエレンペイジが可愛くて生意気で頭良さそうで、やっぱりいいですね!


本来この役所だったら絶対洋服とかインテリアはお洒落じゃないはずなんだけど(勉強しか頭にない真面目っ子ですから)、お洒落なんですよ、これがまた。


そういう設定もエレン・ペイジだと全然許せちゃう!



ってか、結局僕がエレン・ペイジを大好きというのがこの映画の全ての評価につながってる気もしますが・・・、とにかく内容は最高な映画です!


だからこそ、日本版スタッフ、頼むよほんとこのタイトルとジャケット・・・。



小宮山雄飛(ホフディラン)

ミュージシャン
1973年8月14日生まれ
1996 年「スマイル」でホフディランのVo&Keyとしてデビュー。「遠距離恋愛は続く」「恋はいつも幻のように」「欲望」「極楽はどこだ」など、ヒッ ト曲を多発し、FUJI ROCK FESTIVALへの参加、日本武道館でのワンマンライブを成功させるなど、ライブでも活躍。日本のポップシーンにおいて根強い人気を誇る。デビュー以 来、シングル19枚、アルバム9枚(ベスト盤含む)をリリースしている。
絶賛発売中のニューアルバム『ブランニューピース』(DVD付き初回限定盤)に収録されている『恋人たち』『ニューピース』のPVでは、自ら監督を 務めるなど、多才な一面を持つ。2009年7月3日には、渋谷C.C.Lemonホールにて、デビュー13周年記念ライブを行い大成功!その模様を収録し たライブDVD『13年の金曜日』においても監督を務め、11月4日にライブCDとともに同時リリース、絶賛発売中! 
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in EZOへの出演も決定!
2010年7月3日(土)
ホフディラン ワンマンライブ
『14年の土曜日』
会場:SHIBUYA-AX
open 18:00 / start 19:00
チケット料金:3980円(ドリンク無し!)
ワタナベイビープロデュースDVD第3弾発売&自ら手売り
ゲスト:ゆってぃ / and more…
問い合わせ:HOT STUFF 03-5720-9999
5/9からの一般発売に先駆けて、HP先行予約を受け付けます!
受付期間   4月19日(月) 12:00 ~ 5月5日(水) 18:00      
  ※専用URL http://eplus.jp/hoff-hp2/   
・ホフディラン HP http://hoff.jp/
・軟式ブログ http://blog.excite.co.jp/yuhi-blog/
・こむぞう http://comzo.cocolog-nifty.com/
・シコウヒンTV http://www.andsmile.tv/
・SHOOT UP http://www.shootup.net/

黒木裕貴(クロキユタカ)
東京生まれのイラストレーター。
CDジャケットや書籍・雑誌、アパレル等で幅広く活躍中。
また、影絵やコマ撮り作品をつくる映像作家としての顔も持つ。
official website http://www.kurokiyutaka.com/
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