『ある女優の不在』予告編 解禁ニュース スマホサイズの自殺動画から始まる深遠なミステリー。 「女優」とは?「人生」とは? <表現の自由>を訴え続ける 不屈の映画作家パナヒの生き様とメッセージ

【以下プレスリリース文掲載】
2018年の第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞した、イランの名匠ジャファル・パナヒ監督作品『3 FACES(原題)』の邦題が『ある女優の不在』に決定し、12月13日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開することが決定しました。本作の予告編を解禁いたします。合わせて、新場面写真4点も解禁いたします。ぜひ本情報をご紹介いただけますよう、ご検討よろしくお願い申し上げます。

2010年より20年間の映画製作禁止令を命じられながらも、決して権力には屈しない姿勢で作品を発表し続けているパナヒ監督の最新作。

予告編の冒頭2カット目で提示されるのは、ショッキングなスマホサイズの縦型の画面。そこに映し出されるのは、ある少女がロープで首を吊って自殺をしようとしている姿だ。

「この動画を女優のベーナズ・ジャファリさんに送って」

少女マルズィエは将来、女優になることを夢見ていたが、家族に反対されて自殺を決意したようだ。

衝撃的な自殺動画を送りつけられたジャファリは、真相を確かめるため、友人である映画監督ジャファル・パナヒと共に、少女が住むイラン北西部の村を訪れる。

「あのバカ娘を探しに来たのか」「とっとと帰れ!」

しかし、ふたりに待ち受けていたのは、歓迎とは程遠い村人たちの冷ややかで厳しい反応だった。やがてジャファリとパナヒは、イラン革命後に演じることを禁じられた往年のスター女優シャールザードにまつわる悲劇的な真実を探りあてていく……。

女優を夢見た少女は、なぜ自ら命を絶ったのか?彼女は本当に自殺したのか?それとも。。。

そして、イラン革命以前、かつて大女優だった女性の存在とは・・・。

少女の生死を追っていくうちに、女優ジャファリの人生もゆっくりと動き出す・・・。

3世代の女優の心の旅路が観客を深い余韻へと誘うヒューマン・ミステリー

長編デビュー作『白い風船』(1995)でカンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)、『チャドルと生きる』(2000)でヴェネチア国際映画祭金獅子賞、『オフサイド・ガールズ』(2006)でベルリン国際映画祭銀熊賞を相次いで受賞。わずか10年余りで世界三大映画祭を制したジャファル・パナヒ監督は、その快挙によって名実共にイランを代表する国際的なフィルムメーカーとなった。
しかし社会の不条理な現実を描いたことで政府当局と対立し、2度にわたる逮捕を経験。2010年には20年間もの映画製作禁止を命じられた。それでもパナヒは自宅軟禁中に作り上げた『これは映画ではない』(2011)をカンヌなどに出品し、その後も『閉ざされたカーテン』(2013)、『人生タクシー』(2015)を発表。断固として権力の圧力に屈しない姿勢と、実験精神やユーモアに満ちあふれた作風で賞賛を集めてきた。
そして待望の最新作『ある女優の不在』では、過去、現在、未来の3つの時代をシンボリックに体現する3人の女優をめぐる深遠なドラマを映像化し、2018年の第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞した。

本作でパナヒが挑んだのは、映画/芸術の表現の自由、女優/女性の人生という切実なテーマだ。女優としての“未来”を奪われた少女の自殺問題を発端とする物語は、“現在”を生きる有名女優ジャファリの心を激しく揺さぶり、イラン革命前に活躍しながらも今は隠遁生活を送る元スター女優シャールザードの悲劇的な“過去”を浮かび上がらせていく。

また、劇中にはイラン北西部の曲がりくねった道のショットが幾度となく登場する。その一寸先も見通せない険しい道は、イラン映画史を振り返ったパナヒが、それぞれの時代における芸術家たちの苦難を象徴的に映像化したもの。パナヒの師匠でもある今は亡き巨匠、アッバス・キアロスタミ作品の“ジグザグ道”を彷彿とさせるそのイメージには、フィクションとドキュメンタリーの垣根を軽々と超え、豊かな余白やメタファーによって観る者の想像力を刺激してやまないパナヒの作家性が凝縮されている。

監督・脚本:ジャファル・パナヒ
出演:ベーナズ・ジャファリ、ジャファル・パナヒ、マルズィエ・レザイ
2018年/イラン/ペルシャ語・トルコ語/カラー/ビスタ/5.1ch/100分/原題:3 FACES
配給:キノフィルムズ 3faces.jp
©Jafar Panahi Film Production

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