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ポンコツ野郎の人生にフリーダムファイト! by ジャンクハンター吉田 第8回 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』観て色々思うところ

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現在公開中の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を劇場で鑑賞。
一切若者へのアプローチせず、監督のクエンティン・タランティーノが自身の本能と感性そのままに作ったおとぎ話な雰囲気が出ていてかなり楽しめた。ぶっちゃけると話は正直大したことない……けども中年世代よりアッパーな年齢にしかウケそうもない小ネタのオンパレードは琴線を刺激してくれた。
基本クエンティンなので会話劇が中心だけどね。既に吉田なんかより優れている識者な方々が分析しているので説明は省きますが、ハリウッド近辺のロケーションなど含め僭越ながら変化球付けた解説でもしてみようかと。



2時間41分という長尺はクエンティンだから許されていることでしょう。他の映画監督ではおそらくNG出されていたに違いない。が、特に直球的な起承転結で進んでいくわけではないので正味90分ぐらいの物語にはなったような気がする。だけど、1969年当時のハリウッド、そしてロサンゼルス市内をジョン・ダイクストラにVFXで50年前へバック・トゥさせた荒業は素晴らしい。当然プロダクション・デザインを担当した方の熱量が活かされているのも間違いない。



配役も豪華すぎてお見事。ギャラが安くても(ノーギャラでも!)クエンティンの作品にワンシーンでもいいから出たいとアメリカ映画に出演している役者陣で希望する人が多いと聞く。
個人的には保安官役で『ベスト・キッド』のコブラ会師範代マーティン・コーヴが僅かなシーンだけでも登場した時はテンションが頂点へ達するほど感激。

レオナルド・ディカプリオは眉間へのシワ寄せ演技が益々輝いていき、本作で表情が完全にジャック・ニコルソン化してきた。劇中劇の演技も素晴らしく、子役時代から(『クリッター3』の印象が強い)ハリウッドでステージママから鍛えられた演技力は本物。7kg太った役ではジャック・ブラックかと間違えるほど(笑)。ってか、レオの演技力が凄すぎて周囲の役者たちがそれに倣うかのように影響を与えられているようにも思えた。『ギルバート・グレイプ』以来の高い完成度の演技っぷり。

ブラッド・ピットはオールド・アメリカンな人物を演じると本当に似合う。そしてジーンズがとても良く似合う。が、履いていたジーンズはエドウィンじゃなくリーバイスだったけどね。現在55歳だっけ? 56歳だっけ? 顔のアップになるとシワがかなり増えてきたものの(年相応だもんな)逆にそれがロバート・レッドフォード化してきた表情となり渋く、今作のような武骨な演技のブラッドは最高。相変わらずカラダのトレーニングを欠かさないようで、腹筋バキバキにシックスパックで割れているし、裸になる必要もないのに鍛えられた上半身を観客へ見せつける無駄なシーンもあって最高。若い時のブラッドはなんちゃってロブ・ロウなルックス(未成年者と性行為+ビデオカメラで撮影して映画界を一時期干された人)だったけど、ブラッドがロブに似ているからクルマでヒッチハイクしたマンソン・ファミリーの未成年の女の子との性行為をギャグにしたのかと思ったのは考え過ぎか!?



ダミアン・ルイスが演じたスティーブ・マックイーンが本人ソックリでそのまんまCGでちょっと修正しているだけかと思うほど、顔だけではなく佇まいやしぐさまで素晴らしい完コピっぷり。完コピと言えばマイク・モーが演じたブルース・リーも最高。リーの特徴的な喋り方や動きなど随分研究されておりお見事。そういえば、空手の師匠だったチャック・ノリス先生にリーのハリウッドでの立ち位置の話を昔伺ったところ「武術指導で白人からからかわれるたびにスタジオ内で喧嘩になっていたそうで、でも決して負けることがなく、コテンパンにKOしていた。彼の本物な強さから元々喧嘩の強かったジェームズ・コバーンやスティーブ・マックイーンもが一目置くようになり、私やリーが彼らハリウッドの一流スターたちにプライベートで武術を教えることになったんだ」と。



マーゴット・ロビーが演じたシャロン・テート。実際のシャロンが住んでいた豪邸はベルエアってところにあって、そこは高級住宅街で有名な高台にある場所。舘ひろしさんのお婆ちゃんもベルエアの大きな豪邸に住んでいて、19歳の頃に何度かお邪魔させてもらったが、お婆ちゃんが毎回その豪邸からクルマで帰ろうとすると「シャロン・テート殺害事件以降、この真っ暗なカーブが続く道には幽霊が出るようになったんで気を付けて運転するように!」って必ず警告してきていた。実際、カーブだらけの山道になっており、ベルエアでは謎の事故も多く、幽霊を見たってことで慌ててハンドルを切って事故を起こしたエピソードも多いそうな。セレブな住民の方々は”ベルエアの亡霊”って言ってたっけ。

マーゴットがヒッチハイカーの女性を乗せてウエストウッド・ヴィレッジへクルマで行った後、『サイレンサー第4弾 破壊部隊』を観にブルーイン・シアターってところに入るが、19歳の頃この周辺に住んでいて良く映画を観に行っていた場所だけにジワジワ来る。今はフォックス・ヴィレッジ・シアターって名前になってまだ昔ながらの映画館は健在。ちなみにここで一番最初に観た映画は『レッドオクトーバーを追え!』。完成披露のプレミア会場になっていたここに潜入(いや、キチンと招待状で入ったから正攻法だったわ)しての鑑賞。まわりはハリウッドスターだらけで驚いたが、英語力もなくアメリカで初めて観た映画が難関な会話劇ばかりが続く作品だったもんで理解力できず、と同時にまわりのハリウッドスターや映画関係者らに囲まれていることで内容が頭に全然入ってこなかった事実(汗)。この映画館とすぐそばにあったUCLAの2階にあったゲームセンター、そしてLDばかりを買い漁っていたタワーレコードがウエストウッド・ヴィレッジ地区で味わった青春。あ、ハロウィングッズとかパーティーグッズ売ってる大きなお店も有名店(名前忘れたけど)で存在していたのを今思い出した!

ブラッド・ピットが自宅(トレーラーハウス)にてお湯で何か作って食べているシーンがあったけども、あれってマカロニチーズっていうアメリカの文化を語るうえでは重要なジャンクフードなんですよ。老若男女問わずソウルフードとしてコンビニやスーパーマーケット行くと必ず置いてあるんですが……あれは太る。カロリー高すぎる(苦笑)。日本では馴染みないけどアメリカでは最初からチーズが練り込まれたマカロニも売っているし(劇中でブラッドが食べていたのはマカロニとチーズがセパレートになっているブツ)かなり主食にしている国民が多いんですな。意外に美味しいし。



これは本編からは無関係でどうでもいいシーンになるんだけど、レオがとあるタバコのCM撮影している最中、自分自身の等身大ボードに対し「二重顎じゃねーか!」って文句言う部分。この元ネタが分かる人はジェームズ・キャメロン監督作『タイタニック』の仕事に関わっていた人限定な楽屋落ち的自虐ギャグ。ローズとジャックがお互い正面向き合って真横から手を繋いでいる2番目のメインビジュアルが出来上がった際、世界に先駆けていち早く日本版を20世紀フォックスがポスターなどの紙物、マーチャンダイジングで使用したところ、ステージママなレオママから物言いが入った。当時、サラリーマンやっていた吉田自身も『タイタニック』の仕事に関わっていたのでレオママからのクレームに驚かされたのだ。「うちのレオはこんなに太ってない。二重顎を修正してくれ!」と、フォトショップで急遽日本側で修正。既に配布済のポスターなどはひっそりと回収し、レオの顎をシャープにしたバージョンへ差し替えたものが一般流通しているってわけ。つまり日本のみレオの顎がタプタプしているバージョンが存在しており(ほとんどの方は知らないと思うが)、本国アメリカ含む海外では顎がシャープになったバージョンのビジュアルしか存在していない。レオにインタビューで聞いてみたかったなぁ。この自虐ネタはクエンティンがこの二重顎事件を知っていて差し込んだのか、レオが自ら面白くなるかと思ってやったのかだけでも知りたかったね。



『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が古き良きアメリカのカウンター・カルチャー全盛時代を描いているだけではなく、そんな50年前の昔話を楽しんでみたいっていう方、そしてロサンゼルス(特にハリウッドやウエストウッド地区)に思い入れある人はさらに楽しめると思うんで、ちょっと長い映画だけど是非ヒッピー文化含めて堪能してもらいたい。


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