『世界から希望が消えたなら。』千眼美子 独占インタビュー

大川隆法氏が自ら製作総指揮並びに脚本を手掛けた『世界から希望が消えたなら。』が本年10月18日より全国ロードショーとなる。

この度、本作に主人公を支える秘書、藤坂沙織役として出演している千眼美子にエンタジャムは独占インタビューを敢行し、本作出演にあたっての心境を伺った。
インタビュー中はまさかのMCUのほぼ完全制覇や、ロッキーへの並々ならぬ愛が炸裂し、非常にユニークな一面を見せた。

【STORY】
ベストセラー作家であり、自ら出版社を経営している御祖真(みおやまこと)。
妻や3人の子供にも恵まれ充実した日々を過ごしていた彼には、誰にも言えない“秘密”があった。そんなある日、帰宅途中に胸の苦しみを感じた真は、外の空気を吸うために庭園を散歩する。そこでは結婚式が行われていた。
娘の将来の花嫁姿を思い浮かべた矢先、激しい心臓発作に襲われその場に倒れてしまう。意識を失いかけた真の手には、トルストイ著『復活』が握られていた。
緊急搬送された病院で医師から告げられたのは、無常にも“死の宣告”だった。

―――今作の出演にあたってどのような心境で臨まれましたか?

千眼:秘書役というのが初めてだったので、作法や立ち姿など秘書らしい所作がわからず、「やっている感」が出ないようにするために結構不安を抱えていました。

―――確かにセリフも少なめで立ちの所作が重視される役どころでしたね。

千眼:私は結構がに股なので、無意識に立っているとみっともない格好になっていたりするんです(笑)

―――そうは見えなかったですが、今作では終始スーツを着用されるんで結構体も絞られたんじゃないんですか?

千眼:そうじゃないんですよ!現場に有るケータリング(菓子類)が大好きで、撮影時期はちょっとづつ太ってきて、赤羽監督から「お菓子禁止だ!」って言われちゃったんです。ちょっとふくよかな秘書さんになってしまいました・・・

―――そうですかね?レンズの効果でふくよかに見えただけじゃないですか?

千眼:そうですか?じゃあそういうことで(笑)

―――台本を読まれて作品に対してどういう印象を抱かれましたか?

千眼:登場人物たちのセリフを読むと「こういう人は周りにいるな、こういう感情になることあるな、こういうことは私も言うかな」という感覚で流れを類推することはできるんですが、今回は本当に御祖 真(みおや まこと)さんが完璧すぎて最初はイメージが沸かなかったんです。でも、実際に御祖役の竹内久顕(たけうち ひさあき)さんが現場で演じられると「こういう世界か」と自然とイメージが掴めて。現場に入るまでは自分の作法とか立ち回りばかり気にしていたんですが、御祖さんの仕事を支えて信じてついていこうという感情を持てば役が自ずと成立するなと実感できました。

―――竹内さんに引っ張られて演技がやりやすかったということですかね?

千眼:今回は本当に竹内さんに引っ張って頂いた感じですね。

―――今回の撮影を通して難しいと感じることは他にもありましたか?

千眼:私は結構感情を表に出すタイプなのですが、沙織さんは悲しくても涙を見せない性分だと思うんです。病院の待合室で倒れた御祖さんを心配しているシーンがあるんですが、そこで「弱い千眼、感情的な千眼」が出てきちゃいそうで抑えることが難しかったですね。

―――そういう中でも個性豊かな3人の子供を自分の子供ではないけれど、一人一人その個性にあわせて秘書としてお世話をして向き合う演技はうまく立ち回っていて素晴らしかったと思います。

千眼:本当ですか!?ありがとうございます!それぞれの個性が際立っているので、関係性を子役のみんながしっかり作ってくれていて、おかげで自然に立ち回れました。
沙織さんのお仕事の一つに「家政婦さん的な役割」も有るのかなと思っていて、子供達の抱える悩みや苦しみにも心を向けつつ、3人の兄弟模様を見守りました。

―――製作総指揮の大川さんは映画をよくご覧になっているという話を伺っているんですが、今回の映画の制作に入る前に参考にするように言われた作品はありましたか?

千眼:2002年に日本で公開された『スパイダーマン』ですね。ヒーローの孤独さや、ヒーローが力を持った事による使命感、責任感を描いている点が本作と近いですよね。恋人が危ない目にあったりするじゃないですか。そこでも恋人と一緒にいたいけど世界を優先する、世界を救おうとするんですよね。
私はこの作品は現代に即したヒーロー物だと思っているんです。病気は誰にでも起こりうることですし、家族の為に一所懸命働いている方もたくさんいる。そういう人たちがどう現実と向き合って戦っていくか、その生き様に非常にロックを感じるんです。御祖さんもそういう人で、自分のやるべき仕事をやるために犠牲を払って、責任を全うする。かっこいい男性だなと思います。

―――マーベル作品はご自身から進んで観られることはあるんですか?

千眼:めちゃくちゃ観ますよ!もうMCUも殆ど制覇していると思います!

―――元々ヒーロー物、アメコミ物が好きなんですか?

千眼:いえ、出家した後からヒーロー物を観るようになってきたんです。マーベルとかそれ以前、殆ど観たことが無かったんです。この2年半の間に全部見て、『エンドゲーム』まで観ました。ヒーローは大好きです。

―――そういえばなんで出家されることになったんですか?

千眼:大きくは2つあって、1つはドクターストップがかかるほど精神的な病気を抱えてしまっていたこと。もう一つは、いつかは神様のお役に立ちたいと思っていたことです。今は自分の志す目標に向かって日々充実した毎日を過ごせています。

―――確かに清水富美加さん時代と千眼美子さん時代を比べると明るくなったような印象を受けるのですが、ご自身の中ではどう思われていますか?

千眼:周りから「変わったね」とは言われるんですが自分ではいまいちわからないんです。名前が変わればお仕事の環境も変わりますし、人間関係ももちろん変わったんですが、自分の中では『ロッキー』のような不屈の精神が全く変わっていないと思っているんです。

―――『ロッキー』がお好きなんですか!?

千眼:出家前からずっと『ロッキー・ザ・ファイナル』が好きで、ロッキーが自分の息子から「その年で挑戦するのは止めてくれ」と言われるシーンで、ロッキーが「自分の弱さを他人や周りのせいにするのは卑怯者のすることだ」「人生はそのものがパンチなんだ」というセリフがあるんですが、これは私の心の名言なんです。
出家前後から現在まで「人生はそのものがパンチで、耐えていてもだめ。跳ね返して自分で果敢に生きていかなきゃいけない」と考えていて、出家したことで何かが大きく変わったわけでは無いのですが、強いて言えばあの時期に周りの人から色んなことを言われて、小心者だった自分がロッキーの精神で少し強くなったことだと思います。大きい決断や選択をしなければならないときって、多かれ少なかれ色々な意見を言われて、でも自分の意思で決めたという自信があれば人の批判も受け入れられるし、選択の結果も受け入れられると気付かされたんです。自分のロッキー精神は死ぬまで変わらないと思います。

―――いやまさしく素晴らしい“イタリアの種馬”ですよ。『クリード』は逆にどんな感じで観ていらっしゃいますか?

千眼:もちろんすぐに観に行きました。「世代交代」の話であることと、どうしても元祖が強すぎるので、自分の中でのロッキーが薄まった感じはありましたが、ロッキーの精神が若い人に受け継がれていって、クリードが更に大きくなったときに、またその子供に受け継がれていくのかなと思ったりして。希望をもって今後も応援していきたいなと思いました。

―――いつかは千眼さんも後進の育成をされることも有るかと思うのですが、そうなるとロッキーと同じ立場になるかと思いますよ。

千眼:私が大人になればそういう意識も持つかと思うのですが、自分にまだまだ自信が持てないので、もうちょっと後で考えます!

―――今回の仕事を通してご自身で成長を実感したことはありましたか?

千眼:毎回「幸福の科学作品」で演じさせていただくキャラクターが、精神性が高く、心の透明度が高いんですよね。私のお芝居のポリシーが「カメラの回っていないところでもいかに役に近づけるか」なので、心の透明度や、一途さを持つ難しさを分かっていても「役だから」と遠ざけずに逆に吸収しようと思うんですが、毎回何歩も先を行かれて背伸びをしても届かない人たちが多いんです。いつも不安になるんですが、頑張って役に向き合うことで、撮影が終わったときにはちょっと近づけたかなと思えます。「私自身の透明度が高くなりました」とまではいきませんが、「こうなれたら良いな」という憧れを持って役を演じることで成長に繋がったかなと思います。

―――今後のキャリアアップにこういう役を演じてみたいという希望はありますか?

千眼:最近は正統派の役を頂いているので、ちょっと人をびっくりさせたいと思います。

―――ジョーカーみたいなキャラですか?

千眼:いや、『ドクタースランプアラレちゃん』のアラレちゃんみたいなキャラクターの方向性の“びっくり”で、みんなを爆笑させるパンチの効いたキャラクターですね。自分の世界を生ききっているフリーダム性が良いですよね。

―――今作最も注目してほしいシーンはありますか?

千眼:脚本を書かれた大川咲也加さんが挿入歌も歌われているんですが、御祖さんが心臓発作で倒れて、病院で辛い夜を一人で過ごしている時に咲也加さんの『もう一度だけ』が流れてくるんです。私はそこで号泣してしまいました。是非注目していただきたいシーンですね。

―――きれいなお声ですよね。

千眼:本当にそうですよね、私もびっくりしています。今年の2月に公開した『僕の彼女は魔法使い』という映画でも主題歌を歌われていたんですが、その時もかなり練習されてるんです。私も発声レッスンをするので自分ができない声というのが分かっているんですが、咲也加さんはそれをドンドン乗り越えて行かれるんで、私の何倍も忙しいのに、きっと何倍も練習されてるんだろうなと思って圧倒されます。

―――ご自身も今後も挿入歌を歌うなど、声優としても鍛えていきたいと思いますか?

千眼:もう恐れ多いですよ!自分からやらせてくださいとは言えないです!また機会があればと言う感じですね・・・

―――この映画を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

千眼:『世界から希望が消えたなら。』というタイトルですが、その「希望」とは何なんだろうと思われるかと思います。その答えは映画のいたるところに隠れています。物語の中でみなさん一人一人にとっての「希望」を探していただきたいです。そしてご自分の生活の中でその「希望」を消さずに持っていって欲しいなと思います。
これは日本を舞台にした現代のヒーロー物作品です。自分の人生に活かすことのできる物語になっているかと思いますので、感じるままに観ていただけたらと思います。

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