ポンコツ野郎の人生にフリーダムファイト! by ジャンクハンター吉田 第4回 連日に渡り世間を賑わす、あおり運転報道を受けてからのテレビ出演オファーを断る理由

【文・ジャンクハンター吉田】

高級なクルマや大きなクルマを運転すると、どういうことか運転している本人自身の気も大きくなってしまい、何かと運転するハンドルにまでその気性の荒さが浮き出てくるよろしくない人間性。

このところ、過剰なまでにあおり運転で全国指名手配された男への報道がどのテレビ局も過熱中ですが、さすがに運転席まで出向いて顔面グーパンチを数発食らわすのは最低最悪のナニモノでもない犯罪ですので厳しい懲罰を受けてもらいたいと思っている交通ジャーナリストな筆者なんですけども……ニュース番組を見ていると犯人の狂った行動にフォーカスを当てて分析しているのは良くわかります。が、もっと高速道路における追い越し車線走行の良し悪しを取り上げて欲しいんですよ。

つまり追い越し車線は走行車線じゃないわけで、そのまま車線を変えず走行車線へ戻らないと道路交通法第20条3項における通行帯違反になるんですね。別に暴力を振るったアノ男を擁護するつもりはまったくないですが、ドライブレコーダーの映像を見ていると殴られた運転手の方は結構な距離で追い越し車線を走行していたように見えるんです。

外車を乗ったり大型車を運転したりする人ほど、ストリートマウンティングなのかロードマウンティングしたいのかどうかは知りませんよ。なぜかハンドルを握ると血の気が高まる方が多いので注意しなきゃいけないと思うんです。ニュースで連日流されるドライブレコーダーの映像を見る限りでは殴られた被害者の方は追い越し車線を走行中、その左側の走行車線からグーパンチ男が物凄いスピードで追い抜いてあおってきたように筆者は感じました。

グーパンチ男は「先にあおられたから」と逮捕されてから供述してますが、もしかして追い越し車線を走っていた殴られた被害者の方は追い越し車線から走行車線へ車線変更で移動せず走り続けていて、相当な飛ばし屋のグーパンチ男がイラっとして”あおられた!”と勘違いしたようにも思ったりなんかしちゃったりします。

ですので、グーパンチ男に100%過失があるとは言えないんじゃないかなぁと交通事情に五月蠅い筆者は冷静に分析してるんですけども……殴ったのはダメですよ、当然。たまたま血の気の多すぎるグーパンチ男が後続車にいたのが運も悪かったというのもあるとは思うんです。グーパンチ男がパッシングでもして走行車線へ移るよう車線変更を促していたら果たしてどうなったでしょうか? その辺を具体的に報道して解析されていないモヤモヤ感があるもんで……。

何も切っ掛けがなかったらそれこそグーパンチ男はクルマを使った無差別通り魔みたいなもんですよ。勝手な推測ですが殴られた被害者の方にもある程度落ち度は間違いなくあったはずです。と考えたら追い越し車線を延々に走行していたって結論へ達しますよね。

と、筆者の今回のあおり運転における考察はこんなところなんですが、交通ジャーナリストと称する方は全国で数限られていることから先週末~今週に渡り、いくつかのテレビ局よりオファー届くようになりました。もちろんニュース番組です。こんなアウトローでありアウトサイダーな人間が真面目にニュース番組でコメント出すのも奇妙すぎて嫌なんですが、上記に示したような考察を説明するとオファーをくれた方々は「被害者の方にも若干の過失があって、それが切っ掛けに……などは語って欲しくないんですよね」と。テレビ局側からしたらグーパンチ男に対する処罰的な部分やあおり運転の改善法などを語ってもらいたい様子。

「あおり運転の改善法は簡単です。初心者マークやシルバーマークなどと同様に普段運転しない人や運転に自信ない人、休日しか運転しない人を対象にした”ホリデードライバーマーク”みたいなのを道路交通法改正して作ればいいだけ。道交法改正によってそのマークを車両後部へ付けている車両をあおったりした場合は道交法違反で検挙できますから。初心者マークなど付けている車両をあおったりしたら道交法違反で検挙されることを知らない方が多い。ですので、現政権は今後こういう問題を起こさせないように憲法改正よりもさっさと道交法改正させるべきですと話をしたいんです」と、電話口でオファー頂いた方に話してもチンプンカンプンなのか勉強不足なのか日本語で喋っているのに話が伝わらない。
おそらくいクルマの免許持ってなかったり普段運転しない人なんだろうというのがわかる。

条件としては現政権へ向けて道交法改正を訴えさせてもらえることと、本名の吉田武で出演させることでした。
が、現政権に訴えさせるのは忖度働いているかは知りませんけども「事を荒立てない感じにして頂きたいのでそこはパスして欲しい」「吉田さんは”ジャンクハンター吉田”名義で名前が知れ渡っていますので、是非そちらのお名前で出演して頂きたいんですけども」と、こちらが出す条件はことごとく却下されてしまったので、どの局もほぼ同じような状態でしたから全部オファーをお断りさせて頂いたわけなんです。
おそらくこのコラムもご連絡頂いた方々は後日読まれると思いますので、敢えて書いておきました。”吉田武”っていう地味すぎてどこにでもいるようなド無名の人間には皆さんご興味ないようでかなりショックです(苦笑)。”ジャンクハンター吉田”なんて名義はいかがわしすぎるし、いつでも捨てられるんですけどね。実際一度捨てて”吉田味庵(ヨシダミアン)”にしたけど周囲から大不評で仕事のオファーもらえず1年間の活動で終了した苦い思い出が……。

それと地上波のテレビ番組への出演に関しても、30代の頃は喜んでホイホイ受けて出演してましたが、とある人気番組へ出演してからは相当吟味して選ぶようになったんですね。なぜかと言うとこれまた苦い思い出がありまして……10数年前に振り返ります。夜7時台の視聴率高い人気番組からオファーがあり、過去に1度出ていたんですが今回は別のカテゴリーで再び出演して欲しいと。

その番組には素人さんやタレントさんも一緒に参加しており、優勝すると50万円の賞金が貰える。間違いなく優勝する自信もあり(だから番組のオファーを受けたわけです)、周囲には「確実に50万円獲得してくるから優勝したらみんなで飲み屋貸切ってパーッと使っちゃおうぜ!」と言いまくり、あぶく銭ならではな使い方をするつもり満々でいました。1日目クリア、2日目もクリアして危なげなく3日目まで到達。腕には相当自信あったからなんですが、この日の夜に決勝戦があり、そこまで生き残れば優勝確定となるので気合十分、そして自信に満ちたまま生き残った3人で競う準決勝へ挑むことに。

準決勝で競わねばいけない課題がこれまた難関でして、点数が施された物体を獲得していくゲームだったんですけども、〇〇〇だけは絶対に取らないと決勝戦へ進めないルールになっていたんですね。番組的に面白くさせなきゃいけないと素人さん枠ではなかったため、小さなポイント稼ぎは後回しにして(残りの2人は先に簡単なポイント稼ぎして最後に超難関な〇〇〇を取ってクリアしようとしていたんで)その〇〇〇を先に獲得しようといきなりクライマックスから始めたんです。番組的にそっちのほうが面白い絵が撮れるとわかっていたからなんですが(自分自身もテレビ番組制作側の人間でしたし)結局〇〇〇を取るまでに4時間ぐらいかかったんです。

多くのスタッフも我々出演者らも疲労度からしたらハンパなかったんでしょうね。ですが、目の前に50万円がぶら下がっていると思えば筆者だけはエネルギーが時間の経過が想定以上にかかってましたけど減ることはなかったんです。優勝するつもりでいましたからね。かろうじて〇〇〇を先に取ったことで決勝戦への切符は入手。あとは簡単なポイントになるものをゲットしていけば準決勝を一番ノリでクリア……だったんですが、他の2人は何度トライしても〇〇〇が取れないまま夕方16時頃から開始した準決勝が23時半になっても終わる気配がない。まだ決勝戦すら始まってないのに。

ガチの勝負だから仕方ないんだなって思っていたところ、プロデューサーたちからバックヤードへ呼ばれ、おもむろに突然頭を深々と下げられた。何を言うのだろうかとキョトンとしていたら「〇〇〇を取らないと決勝戦へいけないっていうルールは無しにしたい。このままではあの2人はいつまで経っても〇〇〇が取れないので、いつになっても決勝戦へ進めないままになってしまう。大変申し訳ないんですが、このルール変更を飲んでもらえないか?」とのこと。余裕で決勝戦行きの切符を入手したつもりだった筆者へあまりにも突然すぎるルール変更案を出されたことで、頭の中はちょっとパニック状態。

「このルール変更を飲むってことは……僕は〇〇〇を先に取ったけども決勝戦へいけない形になりますよね。僕は自信もあって優勝する気満々で50万円獲得のつもりで3日間頑張っていたんですよ。今更ルール変更ってそりゃあないですよ」当たり前のことを言い放つしかなかった。

「今回はこちらの不手際です。まさかこんなに〇〇〇を取るのが困難だとはシミュレーションできてませんでした。撮影済みの映像をなんとか工面してルールそのものがなかったことに上手く改変します。どうかルール変更を飲んで頂けませんか? 土下座でもなんでもします!」と、プロデューサーは土下座する勢いで謝罪してくる。サラリーマン辞めて28歳からテレビの仕事もしていた筆者的にプロデューサーがここまで頭下げてくるっていうのは相当な覚悟があると知っていたので、結局ルール変更を飲むことに。

さすがに目の前で50万円獲得寸前まで行ってたのにあきらめたことはお人好しすぎると自分自身でもわかっちゃいるけど、テレビ局側の苦労や苦悩も局内の仕事もしていた人間からすると凄く良くわかるんだよね。優勝後の青写真が崩れていき、心とカラダも疲弊した状態で帰宅し、一週間後だったか、そのプロデューサーから電話がかかってきて「吉田さんがルール変更を飲んでくれたおかげで決勝戦もなんとか深夜3時ぐらいには終了できました」と報告が。
「今回の件でこれ以上謝られても50万円獲得し損ねたのは変わりないんで、もう謝らなくていいですよ」と伝え、最後に「このエピソードって10年以上過ぎたら解禁しちゃっていいですかね?」と聞くと「番組がレギュラー放送をまだしていたらカンベンしてください」とだけ返答頂く。
現在、長く続いていたレギュラー放送が終了し、時折特番でしか作られていないから番組名を出さずにやんわりと解禁しました。

ちなみにその模様をオンエアで見たら見事に編集されていて、ルールがあったとかルール変更されたとか存在すら消し去られていて番組スタッフ経験者的に難しい編集作業に大変感銘を受けた。筆者が〇〇〇を3人中、唯一取った感動的シーンも削除されず放送されていたので50万円ゲットできんかったけど留飲下がった気持ちもあります。が、後日入金があり、金額を見ると……たった3万円(涙)。
ルール変更飲んで決勝戦辞退したのにいくらかプラスされた金額なイロも付けられず、善人ほどお金稼ぎはできないもんだと激しく痛感。

と、こんなエピソードがあったからこそ、この一件以降地上波でのテレビ出演に関しては大変デリケートになっているわけなんですね。「また騙されちゃうんじゃないか!?」「イイように利用されちゃうんじゃないか!?」など、センシティブになるのは当然なんです。あと、交通ジャーナリストの肩書で登場の場合は、本名の”吉田武”以外では基本受けないようにしているんです。まぐまぐのメルマガタイトルが『ジャンクハンター吉田の疑問だらけの道路交通法』じゃないかって良く言われるんですけども、最初は『疑問だらけの道路交通法』ってタイトルだったんです。ですが、途中から”ジャンクハンター吉田”と冠名義入れて欲しいと、まぐまぐさんからのオーダーがあったので入れてタイトル変更しただけなので自分の本位じゃないってことも記載しておきます。実際”ジャンクハンター吉田”名義での仕事って全体の2~3割程度しか現状では行なってないんですけどね……。

あとは本名や無記名の仕事ばかりです。名前入れるクレジット表記に無関心なだけですが、そろそろ昔のヘンチクリンな名前だけは捨てたいというか、このままでは来年50歳になるっていうのにさすがに恥ずかしく使いづらいだけな気がしてならないんですよ。

ジャンクハンター吉田Twitter:https://twitter.com/Yoshidamian
ジャンクハンター吉田インスタグラム:https://www.instagram.com/junkhunter1970/?hl=ja
吉田武公式サイト:http://takeshi-yoshida.com/

コメント

  1. ゴールドE より:

    これは良い文章だ。こういう思考停止せずに冷静な解説が世の中に広まって欲しい。

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