『サーティセブンセカンズ』(原題:『37Seconds』)邦題&日本公開決定!(第69回ベルリン国際映画祭観客賞・CICAE(国際アートシアター連盟)賞 W受賞

【以下プレスリリース文掲載】

今や世界的映画作家の登竜門となっている「サンダンス・インスティチュート/NHK賞」の2016年度の日本代表作品に選出、2019年2月に開催されたベルリン国際映画祭のパノラマ部門にて同部門の最高賞となる観客賞と外部団体が選ぶ国際アートシアター連盟(CICAE)賞をW受賞!
9/5から開催される北米最大の映画祭『第44回トロント映画祭』のワールドシネマ部門に出品も決定している『37 Seconds(原題)』(HIKARI監督)の邦題を『サーティセブンセカンズ』として2020年2月より、新宿ピカデリーほか全国公開が決定!この度、シーン写真1点、監督及びキャストのコメントを解禁致します。

生まれた時にたった37秒間呼吸が止まっていたことが原因で、手足が自由に動かない脳性麻痺となった主人公・貴田ユマ(佳山明)。

親友の漫画家のゴーストライターとして働いて自分の作品として出せないことへの寂しさや歯がゆさ、そしてシングルマザーでユマに対して過保護になってしまう母・恭子(神野三鈴)との生活に息苦しさを感じていた。
自分にハンディ・キャップがあることをつきつけられ、それでも23歳の女性として望んでいいことだってあるはず。
そんな思いの狭間で揺れる日々。
そんな時、ある出来事をきっかけに、ユマの人生は大きく変わり、自らの力で『新しい世界』を切り開いていくことになる・・・。
本作は、自己表現を模索しようともがく中で、様々な人たちと出会い、思いもよらない展開でドラマティックにひとりの女性の成長を描いた物語。

ベルリン国際映画祭のパノラマ部門での観客賞と、国際アートシアター連盟(CICAE)賞をダブル受賞した本作は、海外のマスコミからも、監督の主人公をそっと見守るような暖かな視線や主演の佳山明さんの熱演が高く評価されました。

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<海外評>

VARIETY「オリジナリティに溢れ、感情を大きく揺さぶられる近年稀にみる傑作!」
Films Boutique 社(セールスエージェント)「この作品は大きな感動を呼び、(ベルリンの)会場内の全観客がラスト20分間に心打たれ、涙を流していた。海外の配給会社による上映権は争奪になるでしょう」。
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メガホンを撮ったのは短編『TSUYAKO』(11※米国監督協会DGA Student Award最優秀女性監督賞を含めた計50の賞を受賞)、『WHERE WE BEGIN』(15※トライベッカ映画祭最優秀短編映画ノミネーションほか10賞)など、多数の作品がすでに海外で高評価を受けている、大阪市出身で現在はLA在住のHIKARII監督。
本作が長編映画デビュー作品です。

主人公の貴田ユマを演じるのは、これが演技初挑戦となる佳山明(かやまめい)。
「健常者の俳優が障害者のヒロインを演じることには違和感がある。ユマはきっとどこかにいる。」と信じたHIKARI監督が実際に身体に障害を持ちながら本作のヒロインに挑戦してくれるキャストを探し出すため1000に及ぶ日本の施設や教育機関、ネット掲示板などあらゆる手段を講じて本作のヒロインを募集。
最終的に100人近い候補者と面談し、ついに佳山明と巡り会った。彼女のみずみずしく、真に迫る演技はいつしか見ている者が応援したくなる魅力を放ち、リアリティとエンタテインメントを見事に融合させている。

主人公ユマの母・恭子を演じるのは、紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞(2012)したほか、数々の舞台やドラマで活躍し、近年では『日本のいちばん長い日』『光』『blank13』などの映画に出演している実力派・神野三鈴。

ユマの人生を変えるきっかけとなるデリヘル嬢・舞役には、『チチを撮りに』や『こんな夜更けにバナナかよ』などに出演し、数多くの映画監督から愛され、インディペンデント映画から大作映画にまで幅広く出演している渡辺真起子。
その舞と共に行動を共にし、ヘルパーの資格を持つ俊哉には映画「クローズZERO シリーズ」 や『曇天に笑う』などに出演し、現在放送中のNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』に出演し人気を博している大東駿介。

その他にも、板谷由夏、萩原みのり、芋生悠、渋川清彦、宇野祥平、奥野瑛太、石橋静河、尾美としのりなど、HIKARI監督の脚本に惚れ込み、本作の想いに共鳴した日本が誇る多彩な俳優陣が多数出演!

2020年、日本映画を新しいステージへと昇華させる傑作です!

<コメント>

■HIKARI監督

ある一つのインタビューからインスパイアされて生まれたこの作品は、実在するたくさんの人たちから刺激を受け、2年余りの時間をかけて脚本の開発をしました。
また、主人公を演じる佳山明さんとの出会いによって、私自身が想像していたストーリーから大きく飛躍しました。そして、私たち映画制作者だけではなく、ユマというある一人の女性の可能性を信じてくれた方々のおかげで、映画作品として新しい命をいただけた事に感謝の気持ちでいっぱいです。
2019年2月に開催されたベルリン国際映画祭では世界中から集まった何十万人もの映画ファンの方々に作品を観ていただく事が出来ました。
その時感じた事は、言語や生活環境が全く違おうとも、映画に詰め込んだ私たちの想いは、それぞれにきちんと伝わるんだと。
私たちは、劇中での「障害があろうがなかろうが、あなた次第よ」というセリフに込めた「前向きに生きる事の大切さ」というメッセージが、『サーティセブンセカンズ』を通して、世界中の人たちに届く事を心から願っています。

■佳山明(貴田ユマ役)

みなさん、こんにちは。佳山明です。少し自己紹介させてください。
わたしは、24歳で、ラーメンが好きです。
脳性麻痺で、簡易電動車いすユーザーです。
そんなわたしは、ヘルパー制度で、ヘルパーさんにきてもらいながら一人暮らしをしています。
いろんな思いがあってうまく言葉にしきれませんが…まず、このような貴重な機会をいただけたことにとても感謝しています。
正直、悩みながらの日々でしたし、今もそうですが、様々な人に支えていただき、教えていただき過ごしてきました。
みなさんに観ていただくことにとてもドキドキしていますし、どんなふうに感じられるか不安な気持ちでいっぱいです。
わたしは、この作品づくりを通して、いろいろなことを教えていただきました。
自分自身を見つめ、以前より、知ることができました。
今まで知らなかった映画製作のことを知りました。改めて様々なことを考えました。
わたし自身がそうであるように、この映画が障害者のこと、いろんな人のことを知ったり、「障害」って何か、物事の背景や社会のあり方を考えるきっかけになったらと思っています。
みなさん、本当にありがとうございます!

■神野三鈴(貴田ユマの母・恭子役)

この脚本を初めて読んだとき これはきっとすてきな作品になる!
この映画の細胞のひとつになりたいと、強く願いました。
現場にはやはりそう感じた熱い思いのスタッフ、キャストのみなさんが集まっていて、HIKARI監督を筆頭にとにかく何が起きても あきらめないタフなチームでした。
時には激しくぶつかったりもしましたがそれはこの作品のテーマと同じ。
主人公のユマの自立だけではなく 彼女の周りの人間達の精神的自立や再生。
多様性を認めること 人と関わること、ぶつかることを恐れないこと、その先にある理解や思いやり、想像してみること・・・そのすべてが最初に渡された招待状
監督の脚本に書かれていたのですから、、。
最後までそれぞれの場所で走り抜いたと思います。
しんどかったこともいとおかし、愛おしさに変わりつつあります。
記録的な猛暑の中での撮影車椅子は地面に近いので暑さもひとしお。
熱中症を心配した私達はスタッフ総出でユマ役の佳山明ちゃんをあおいだり 氷嚢で冷やしたり 扇風機を当てたり。すると
明ちゃんが申し訳なさそうに「あの、、寒いです」みんな汗だくで大笑いしたあの夏の日明ちゃん ごめんね。
初めて ベルリン映画祭で観客の皆さんとこの作品を観たとき 登場人物のもがく姿に笑ったり涙したりしてくださったときあぁささやかな祈りが届いたような気がしました。繋がっていく、、、と。

■大東駿介(俊哉役)

この映画の主人公ユマ、それを演じた明(めい)ちゃん。
この2人の女性の人生の大きな大きな決断と挑戦、覚悟を、介助者として役者としてひとりの人間としてそばで見てきました。
その過酷で壮絶で希望に満ちた時間は一生ものの財産です。
この作品が、人と人とを妨げる見えない壁がなくなるきっかけになればと思います。

■渡辺 真起子(舞役)

『サーティセブンセカンズ』。この作品との出会いは、引力のようなものが働いたというか、説明しようがないのですが、HIKARI監督の何か特別な力が働いたのではないかと思っています。
引き寄せられた結果、今回の役柄は私にとって、挑戦的な役柄になりました。
物語の中で、その役割りをちゃんと引き受ける覚悟ができるまで、少し時間がかかりました。
引き受けたくても、自信が持てなくて。それでも、HIKARI監督のある種の母性的な眼差しと、主演の佳山明さんの美しく、まっすぐと未来を見つめている眼差しや、生きることに向き合う誠実さ。
キャスト、スタッフ、とにかく皆さんが、前に突き進むんだ!
という強い思いを持っていて、私も触発されたというか、一緒に進んで行きたいという気持ちを持ちました。
精一杯、頑張りたいなと。真夏の撮影状況は皆にとって過酷だったと思います。自分の撮影部分が終わっても、全体の撮影が無事に終わるまでの日々、とにかく撮影が無事に成功しますようにと、祈るような気持ちで過ごしていました。
よくぞ、海まで超えてやりきったと思います。そして出来上がった作品には、強い、強い、情熱、命を感じています。
この作品が、たくさんの方々へ届くことを願っています。

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監督・脚本:HIKARI

出演: 佳山明、神野三鈴、大東駿介、渡辺真起子、熊篠慶彦、萩原みのり、芋生悠、渋川清彦、宇野祥平、奥野瑛太、石橋静河、尾美としのり/板谷由夏

2019年/日本 /115分/原題:37Seconds/PG-12/配給:エレファントハウス/ (C)37Seconds filmpartners

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2020年2月 新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー

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