「市川雷蔵祭」50年眠っていた市川雷蔵の秘蔵プライベート・フィルム上映決定&「旅はお色気」オフショット画像解禁

【以下プレスリリース文掲載】

この度、KADOKAWAが保有する大映や角川映画の豊富なライブラリー作品を次世代に継承すべく立ち上げたブランド「角川シネマコレクション」。2月より開催しております「京マチ子映画祭」に続く劇場上映企画となる今回は、角川シネマ有楽町にて8/23(金)より<没後50年特別企画>「市川雷蔵祭」を開催致します。

市川雷蔵は、大映入社後1954年に映画デビューし、1969年に亡くなるまでのわずか15年の映画俳優人生の中で、約160本の作品に出演、37歳という若さでこの世を去った伝説の大スターです。

溝口健二、増村保造、市川崑、池広一夫、三隅研次…数々の巨匠、名匠と組み、名作を世に送り出した不世出の大スターである市川雷蔵-2014年に実施した「雷蔵祭 初恋」では、一大ブームを巻き起こしましたが、5年ぶりにいよいよ稀代の大スター市川雷蔵が再びスクリーンに鮮やかに蘇ります。

本企画上映で上映される『薄桜記』などの4Kデジタル復元版で初上映される作品や、本企画タイミングでデジタル化された作品もさることながら、本企画上映タイミングに合わせたかのように発掘された、市川雷蔵出演作として160本目の作品――勝新太郎と共にノンクレジットでカメオ出演している『旅はお色気』を上映いたします。本作上映と共に、お楽しみ企画として、市川雷蔵さんのご自宅の物置から50年以上前に撮影されたプライベート・フィルムなどが発見され、デジタル化が済んだ一部のフィルムをご遺族のご厚意によりご提供頂き、特別編集版として本映画祭の<特別企画>として上映することが決定しました。映画の中の役者としての市川雷蔵とは異なる、ご家族(お子さん)と遊んでいる姿や、音声は後援会(現在のファンクラブ)の人たちと話しているものなど、私たちが中々見ることができない大スターの貴重な映像をお楽しみいただける機会となっています。この機会を多くの方々にお楽しみただきたく、つきましては、本情報をニュースとしてご紹介頂きたく、「旅はお色気」の蔵出しのオフショットを併せて提供させていただきます。解禁されるオフショット写真は、市川雷蔵と共に主演の小林勝彦さん、黒田義之監督の3人が、撮影の合間に笑顔で話している貴重な蔵出し写真となります。ご紹介の程何卒よろしくお願い致します。

市川雷蔵プロフィール 1931年(昭和6年)、8月29日、京都生まれ。

生後六ヶ月で歌舞伎俳優市川九団次の養子となり、1946年11月、15歳の時に大阪歌舞伎座で三代目市川莚蔵として初舞台を踏む(「中山七里」娘お花役)。1951年関西歌舞伎界の長老市川寿海の養子となり、同年6月大阪歌舞伎座「白浪五人男」で襲名披露、市川雷蔵を名乗る。

1953年大映より入社を懇願され翌54年入社、同年『花の白虎隊』でデビュー。1958年には初の現代劇である『炎上』(市川崑監督)に周囲の反対を押し切って出演。寺に放火する吃音症の青年という難役を見事に演じ、キネマ旬報主演男優賞、ブルーリボン主演男優賞、NHK映画最優秀主演男優賞を受賞、確固たるスターの地位を築く。また、翌59年には『薄桜記』に主演。辱めを受けた妻のため、片腕になりながらも復讐に立ち上がる男を演じ、代表作のひとつに。

このころを境に、長谷川一夫に代表されるような“白塗りの二枚目”から、リアルなメイクとリアリズムを追及したドラマで、雷蔵独自の清々しさと悲劇性を際立たせた作品が多くなっていく。特に後に名コンビと謳われる三隅研次監督の作品には、『大菩薩峠』(60)『斬る』(62)、「眠狂四郎」シリーズなど、雷蔵の個性を最大限に発揮させた傑作が多い。また、池広一夫監督と組んだドラマチックな股旅時代劇『沓掛時次郎』(61)『ひとり狼』(68)、田中徳三監督との『お嬢吉三』(59)『濡れ髪牡丹』(61)の艶やかさ、時代劇の大御所伊藤大輔監督との“歌舞伎もの”『弁天小僧』(58)『切られ与三郎』(60)の華麗な格調高さなど、多様な魅力で年間平均約10本もの作品に主演する。シリーズものとしては、「忍びの者」シリーズ(全8作品)が62年より、「眠狂四郎」(全12作品)が63年より、「若親分」(全8作品)が65年より、「陸軍中野学校」(全5作品)が66年よりそれぞれ始まり、市川雷蔵はプログラムピクチャーの黄金期を担って行くことになる。

時代劇と現代劇、その両方に代表作を数多く持つ稀有な映画スターであり、総出演作品数は特別出演を含め約160本にのぼる。1969年7月17日、癌により逝去。享年37。

【上映作品】

1薄桜記 4Kデジタル復元版【初披露】 (1959年/カラー/110分/スコープ)

監督:森一生 原作:五味康祐 脚本:伊藤大輔 撮影:本多省三 美術:太田誠一 音楽:斎藤一郎

出演:市川雷蔵、勝新太郎、真城千都世、三田登喜子

雷蔵×勝新二大スター競演。剣士の友情と悲恋を描く、掛け値なし必見の傑作!

道場を破門になった典膳(雷蔵)と安兵衛(勝)は偶然に翻弄され、流転の運命を辿ることに…。雷蔵の代表作の一本で、大映時代劇の到達点。降りしきる雪が血に染まる壮絶なラスト、愛に生きる雷蔵の美しさは絶対必見!

©KADOKAWA1959

2 ある殺し屋 (1967年/カラー/82分/スコープ)

監督:森一生 原作:藤原審爾 脚本:増村保造、石松愛弘 撮影:宮川一夫 美術:太田誠一 音楽: 鏑木創

出演:市川雷蔵、野川由美子、成田三樹夫、小池朝雄、渚まゆみ、小林幸子

綿密なプロットとカメラワークが冴えるフィルム・ノワールの傑作

小料理屋の店主・塩沢(雷蔵)は高額な報酬で殺人を請け負う殺し屋。依頼を受け暴力団のボスを仕留めるが…。雷蔵は抑制した演技でプロの凄味を漂わせる。陰影の効いた宮川一夫のカメラも冴える傑作ハードボイルド。

©KADOKAWA1967

3 女と三悪人 (1962年/カラー/103分/スコープ)

監督・脚本:井上梅次 撮影:今井ひろし 美術:西岡善信 音楽:鏑木創

出演:山本富士子、市川雷蔵、勝新太郎、大木実、中村玉緒

山本×勝×雷蔵-大映スター競演!三悪人が仕掛ける命がけの恋

フランス映画の名作『天井桟敷の人々』と歌舞伎「三人吉三」をベースに映画化。江戸末期の両国を舞台に美貌の女役者と三悪人の恋模様を描いた娯楽超大作。物語の舞台となる広大なオープンセットと群衆が圧巻!

©KADOKAWA1962

4 炎上 4Kデジタル復元版 (1958年/モノクロ/99分/スコープ)

監督:市川崑 原作:三島由紀夫 脚本:和田夏十、長谷部慶治 撮影:宮川一夫 美術:西岡善信 音楽: 黛敏郎

出演:市川雷蔵、中村鴈治郎、仲代達矢、新珠三千代、浦路洋子、中村玉緒

雷蔵が初の現代劇として市川崑×宮川一夫のコンビで挑んだ意欲作

三島由紀夫「金閣寺」を映画化。吃音症の青年僧が国宝寺院に放火するに至るまでの相克する感情に揺れる様を入念に描く。ラストの幻想的な炎上シーンは映像美の極致。本作での演技が高く評価され、数々の賞に輝いた。

©KADOKAWA1958

5 弁天小僧 (1958年/カラー/86分/スコープ)

監督:伊藤大輔 脚本:八尋不二 撮影:宮川一夫 美術:西岡善信 音楽:斎藤一郎

出演:市川雷蔵、勝新太郎、青山京子、阿井美千子、近藤美恵子、島田竜三

歌舞伎出身の雷蔵が初めて歌舞伎の題材に挑んだ、傑作娯楽時代劇

時代劇の父・巨匠伊藤大輔監督との初顔合わせ。狂言『白浪五人男』に材を取り、宿命に殉じる弁天小僧菊之助を描く。雷蔵は小姓姿に艶やかなる女装と、変幻自在の弁天小僧を活き活きと演じている。雷蔵の代表作の一本。

©KADOKAWA1958

6 浅太郎鴉 (1956年/モノクロ/86分/スタンダード)

監督:三隅研次 脚本:比佐芳武 撮影:武田千吉郎 美術:上里義三 音楽:上原げんと

出演:市川雷蔵、瑳峨三智子、黒川弥太郎、浜世津子、水戸光子

三隅研次×雷蔵初タッグ!初の本格的股旅やくざ映画

国定忠治の子分で若い任侠板割の浅太郎(雷蔵)は、博打で身を持ち崩して行方不明になった従弟の徳二郎を探す旅に出るが…。数々の傑作を送り出した三隅研次監督と雷蔵の出会いとなった記念すべき作品。

©KADOKAWA1956

7 いろは囃子 (1955年/モノクロ/80分/スタンダード)

監督:加戸敏 原作:額田六福 脚本:衣笠貞之助、犬塚稔 撮影:竹村康和 美術:太田誠一 音楽:西梧郎

出演:市川雷蔵、峰幸子、山根寿子、菅井一郎、三井弘次、沢村貞子

深川木場を舞台に情感たっぷりに描く哀しいラブストーリー

原作は過去三度映画化された有名な舞台劇「冬木心中」。無頼な生活を送る男(雷蔵)と故郷を捨て流れ者の女(山根)は出会い、入水自殺を図る。別々に助けられた2人はそれぞれ別の人生を歩むことになるが…。

©KADOKAWA1955

8 歌行燈 (1960年/カラー/114分/スコープ)

監督:衣笠貞之助 原作:泉鏡花 脚本:衣笠貞之助、相良準 撮影:渡辺公夫 美術:下河原友雄 音楽:斎藤一郎

出演:山本富士子、市川雷蔵、小野道子、角梨枝子、倉田マユミ

泉鏡花不朽の名作を、雷蔵×山本主演×名匠衣笠監督で映画化

仇同士と知りながら、因縁の糸で結ばれ、相求め相寄る男女。家路や路地の佇まいなど美しい明治情緒を背景に、雷蔵の悲哀と山本の慕情が切々と胸に染み入る純愛ドラマ。殊に二人が稽古に励む深い森のシーンは圧巻。

©KADOKAWA1960

9 お嬢吉三 (1959年/カラー/81分/スコープ)

監督:田中徳三 脚本:犬塚稔 撮影:今井ひろし 美術:西岡善信 音楽:斎藤一郎

出演:市川雷蔵、島田竜三、北原義郎、林成年、浦路洋子、中村玉緒、小野道子

傑作『弁天小僧』に続き歌舞伎から材を取った絢爛時代劇

出獄したその足で、自分たちを入牢させた悪旗本へのお礼参りを済ませたお嬢、お坊、和尚の三人吉三は江戸をあとにするが、三人の行くところ騒ぎは続き…。スピーディな演出とユーモアたっぷりに雷蔵の魅力を見せる。

©KADOKAWA1959

10 婦系図 (1962年/カラー/99分/スコープ)

監督:三隅研次 原作:泉鏡花 脚本:依田義賢 撮影:武田千吉郎 美術:内藤昭 音楽:伊福部昭

出演:市川雷蔵、万里昌代、船越英二、三條魔子、木暮実千代、水戸光子

『歌行燈』に続き幾度も映画化された、泉鏡花原作の傑作恋愛ドラマ

明治の下町を舞台に、恋情と恩師への義理の板挟みで苦悩する青年を雷蔵が爽やかに演じた悲恋物語。身分の違いによって引き裂かれる芸者の哀しみを見事に演じた万里の演技も必見。ラスト湯島天神の場面など美術も見所。

©KADOKAWA1962

11 怪盗と判官 (1955年/モノクロ/86分/スタンダード)

監督:加戸敏 脚本:小国英雄 撮影:今井ひろし 美術:菊池修平 音楽:大久保徳二郎 主題歌:勝新太郎「役者道中」

出演:市川雷蔵、勝新太郎、阿井美千子、清水谷薫、長谷川裕見子、堺駿二、益田キートン

若き雷蔵×勝新のフレッシュコンビで描く、明朗ユーモア時代劇

名奉行“遠山の金さん”こと遠山金四郎(雷蔵)と侠盗鼠小僧(勝新)がお互いの素性を知らないまま繰り広げる珍道中。勝新は主題歌も担当。マキノ正博『弥次喜多道中記』を同じ脚本でリメーク。

©KADOKAWA1955

12 切られ与三郎 (1960年/カラー/95分/スコープ)

監督・脚本:伊藤大輔 撮影:宮川一夫 美術:西岡善信 音楽:斎藤一郎

出演:市川雷蔵、中村玉緒、冨士真奈美、淡路恵子

粋、男の色香、殺陣の切れ…雷蔵の魅力が炸裂する傑作人情時代劇

数奇な運命に弄ばれる愛憎流転の与三郎とお富の恋物語を詩情豊かに描き出す歌舞伎もの。宮川一夫撮影の計算され尽

くされた美しい場面構成、伊藤監督お馴染みの闇に揺れる御用提灯など、名場面ばかり。

©KADOKAWA1960

13 斬る (1962年/カラー/71分/スコープ)

監督:三隅研次 原作:柴田錬三郎 脚本:新藤兼人 撮影:本多省三 美術:内藤昭 音楽:斎藤一郎

出演:市川雷蔵、藤村志保、渚まゆみ、万里昌代、成田純一郎、天知茂、浅野進治郎

薄幸の美剣士が辿る数奇な運命を雷蔵が演じた時代劇の代表作

高倉信吾(雷蔵)は3年の武者修行から戻ってすぐ養父と義妹(渚)が斬殺される。信吾は死に際の養父から出生の秘密を聞かされ…。後に<剣三部作>となる三隅×雷蔵コンビの最初の作品で雷蔵時代劇の頂点のひとつ。

©KADOKAWA1962

14 沓掛時次郎 (1961年/カラー/87分/スコープ)

監督:池広一夫 原作:長谷川伸 脚本:宇野正男、松村正温 撮影:宮川一夫 美術:西岡善信 音楽: 斎藤一郎 主題歌:橋幸夫「沓掛時次郎」「浮名の渡り鳥」

出演:市川雷蔵、新珠三千代、志村喬、杉村春子、島田竜三

池広一夫×宮川一夫のW一夫コンビで描く、本格股旅時代劇

渡世の義理で斬った男に妻子を託されるが、進むもそこは艱難辛苦の道…。明朗股旅ものが多かった雷蔵が長谷川伸原作の本格股旅ものに挑むにあたり、自ら池広監督を推挙。新珠三千代、杉村春子、志村喬など競演陣も豪華。

©KADOKAWA1961

15 剣 (1964年/モノクロ/95分/スコープ)

監督:三隅研次 原作:三島由紀夫 脚本:舟橋和郎 撮影:牧浦地志 美術:内藤昭 音楽:池野成

出演:市川雷蔵、藤由紀子、川津祐介、長谷川明男

剣に賭ける青年を描く、名匠・三隅の格調高い演出が光る傑作現代劇

三島由紀夫の短編小説を雷蔵自らが映画化を企画。生涯の全てを剣道一筋に賭ける青年・国分次郎を唯一無二の存在感で演じる。究極まで“今”を生きるその生き様と死を選ぶほどの純粋さが畏敬の念すら思わせる。

©KADOKAWA1964

16 剣鬼 (1965年/カラー/83分/スコープ)

監督:三隅研次 原作:柴田錬三郎 脚本:星川清司 撮影:牧浦地志 美術:下石坂成典 音楽:鏑木創

出演:市川雷蔵、姿美千子、佐藤慶、五味龍太郎、睦五郎、戸浦六宏

不幸な出生を持ち、数奇な運命を辿る刺客を描く傑作時代劇

狂四郎シリーズの柴田錬三郎同名小説を映画化。花造りの名人で健脚、人斬りの名手という個性的なヒーロー・斑平(雷蔵)の数奇な運命を描く。主人公が乗り移ったかのような、ラストのお花畑の殺陣シーンの物悲しさ!

©KADOKAWA1965

17 源氏物語 浮舟 (1957年/カラー/118分/スタンダード)

監督:衣笠貞之助 原作:北条秀司 脚本:八尋不二、衣笠貞之助 撮影:竹村康和 美術:太田誠一、山田伸吉 音楽: 斎藤一郎

出演:長谷川一夫、山本富士子、市川雷蔵、乙羽信子、中村鴈治郎、柳永二郎、三益愛子

大映オールスターで描く、絢爛たる色彩美の王朝絵巻

『源氏物語』の大ヒットを受け企画。前作で光源氏役だった長谷川一夫はその子供である薫の君に、女主人公浮舟には山本富士子が扮するほか、乙羽信子や中村玉緒などオールスター勢ぞろい。雷蔵は快楽主義の皇子匂宮役。

©KADOKAWA1957

18 鯉名の銀平 (1961年/モノクロ/80分/スコープ)

監督:田中徳三 原作:長谷川伸 脚本:犬塚稔 撮影:武田千吉郎 美術:太田誠一 音楽:斎藤一郎

出演:市川雷蔵、中村玉緒、成田純一郎、大辻伺郎

『沓掛時次郎』に続く、雷蔵が変貌する傑作股旅時代劇

陰を帯びた孤高の旅鴉が活躍する股旅ものを数多く描いた長谷川伸×雷蔵コンビ作には傑作が多く、本作もその一本。前半と後半で表情仕草が変貌、一人の男の二面性を見事演じた雷蔵の魅力は必見。

©KADOKAWA1961

19 忍びの者 (1962年/モノクロ/105分/スコープ)

監督:山本薩夫 原作:村山知義 脚本:高岩肇 撮影:竹村康和 美術:内藤昭 音楽:渡辺宙明

出演:市川雷蔵、藤村志保、伊藤雄之助、小林勝彦、城健三朗、浦路洋子、藤原礼子、真城千都世、岸田今日子、西村晃

旧来の忍者のイメージを一新、リアルな忍者の姿を描く傑作ドラマ

社会派の巨匠・山本薩夫が市川雷蔵とタッグを組み、動乱の戦国の世に活動した諜報活動の専門集団としての苛酷で非人間的な忍者の姿を徹底的にリアルに描き切り、忍者ブームを巻き起こす大ヒットを記録した。

©KADOKAWA1962

20 大菩薩峠 (1960年/カラー/105分/スコープ)

監督:三隅研次 原作:中里介山 脚本:衣笠貞之助 撮影:今井ひろし 美術:内藤昭 音楽:鈴木静一

出演:市川雷蔵、山本富士子、本郷功次郎、中村玉緒、菅原謙二、根上淳、笠智衆

大ヒットを記録しシリーズ化!時代劇の醍醐味が満載の傑作

中里介山により創出された稀代のヒーロー机龍之助(雷蔵)を、脚本衣笠貞之助、監督に三隅研次で描く傑作時代劇。眠狂四郎シリーズの先駆けとも言えるそのヒーロー像は雷蔵時代劇の中でも屈指の虚無さを醸し出す。

©KADOKAWA1960

21 大菩薩峠 竜神の巻 (1960年/カラー/90分/スコープ)

監督:三隅研次 原作:中里介山 脚本:衣笠貞之助 撮影:今井ひろし 美術:内藤昭 音楽:斎藤一郎

出演:市川雷蔵、山本富士子、本郷功次郎、中村玉緒、近藤美恵子

第一作の大ヒットを受けてお正月映画として公開された続編

前作で新選組に所属した龍之助(雷蔵)だが、本作では天誅組に加わる。両眼を失いますます凄みと殺気を漂わす音無しの構え。後半、盲目になった龍之助がさらに虚無へ落ちていき、壮絶に輝く雷蔵も必見。

©KADOKAWA1960

22 大菩薩峠 完結篇 (1961年/カラー/98分/スコープ)

監督:森一生 原作:中里介山 脚本:衣笠貞之助 撮影:本多省三 美術:西岡善信 音楽:塚原晢夫

出演:市川雷蔵、本郷功次郎、中村玉緒、小林勝彦

監督を三隅から森一生にバトンタッチし製作されたシリーズ完結篇

狂気の度を深め、殺人鬼となりながらも我が子を恋い慕うことの悲しさを内包しているという難役を、雷蔵がひたすら悲痛にそして妖しく演じる。心眼冴える龍之助の魔剣と兵馬(本郷)の正剣の対決の行方は…?

©KADOKAWA1961

23 忠直卿行状記 (1960年/モノクロ/94分/スコープ)

監督:森一生 原作:菊池寛 脚本:八尋不二 撮影:相坂操一 美術:西岡善信 音楽:伊福部昭

出演:市川雷蔵、小林勝彦、浦路洋子、山内敬子、丹羽又三郎、林成年、中村鴈治郎、水谷八重子

『大菩薩峠』と合わせて雷蔵が大きく役幅を広げた傑作時代劇

菊池寛が文壇で認められるきっかけとなった同名小説の映画化。雷蔵は孤独にさいなまれ、暴君として振る舞う悲運の藩主・忠直役。家臣への不信を持ち、暴君へと変貌していく様を苦悩と狂気を交えて見事に演じた。

©KADOKAWA1960

24 手討 (1963年/カラー/85分/スコープ)

監督:田中徳三 原作:岡本綺堂 脚本:八尋不二 撮影:牧浦地志 美術:西岡善信 音楽:伊福部昭

出演:市川雷蔵、藤由紀子、城健三朗、成田純一郎

使命のため愛する女を斬らねばならない男の哀切を描く悲恋物語

岡本綺堂原作「番町皿屋敷」を映画化。原作を大胆に脚色し、真心を疑われ恋人を自らの手で討つ男(雷蔵)とその恋人(藤)との悲恋を格調高く描く。煩悶する雷蔵と時代劇初出演の藤由紀子の美しさも見所。

©KADOKAWA1963

25 中山七里 (1962年/モノクロ/87分/スコープ)

監督:池広一夫 原作:長谷川伸 脚本:宇野正男、松村正温 撮影:武田千吉郎 美術:太田誠一 音楽: 塚原晢夫 主題歌: 橋幸夫「中山七里」「雲と三度笠」

出演:市川雷蔵、中村玉緒、大瀬康一、柳永二郎、荒木忍

命を賭して闘う男の無私の愛と悲壮美を描く、本格股旅時代劇

『沓掛時次郎』『鯉名の銀平』に続き、長谷川伸の戯曲を映画化。雷蔵の結婚後初仕事、若かりし頃本作の娘役で歌舞伎界にデビューした記念すべき作品。二役の中村玉緒も結婚後初の映画となった。主題歌に橋幸夫。

©KADOKAWA1962

26 濡れ髪牡丹 (1961年/カラー/90分/スコープ)

監督:田中徳三 脚本:八尋不二 撮影:相坂操一 美術:内藤昭 音楽:塚原晢夫

出演:市川雷蔵、京マチ子、小林勝彦、小桜純子

京マチ子共演!濡れ髪シリーズの中でも異彩を放つ傑作時代劇

女親分の婿選びが行われ全国から男たちが集まるが、出される難問に退散する者ばかり。そこに算術、剣術…なんでもこい瓢太郎(雷蔵)が現れ…。京マチ子の勇ましい大姐御に、飄々とした旅鴉の雷蔵が沸かせるシリーズ第5作。

©KADOKAWA1961

27 眠狂四郎 女地獄 (1968年/カラー/82分/スコープ)

監督:田中徳三 原作:柴田錬三郎 脚本:高岩肇 撮影:森田富士郎 美術:内藤昭 音楽:渡辺岳夫

出演:市川雷蔵、田村高廣、伊藤雄之助、高田美和、水谷良重、小沢栄太郎

姫君争奪の権力闘争に巻き込まれる狂四郎の闘いを描くシリーズ10作

シリーズ1作目の監督、名匠・田中徳三が再登板。狂四郎と奇妙な友情を交わす刺客に田村高廣と伊藤雄之助が出演、狂四郎との熾烈な殺陣を見せる。各々の個性がぶつかり合う、3人が居酒屋で顔を揃えるシーンも必見。

©KADOKAWA1968

28 眠狂四郎 勝負 (1964年/カラー/82分/スコープ)

監督:三隅研次 原作:柴田錬三郎 脚本:星川清司 撮影:牧浦地志 美術:内藤昭 音楽:斎藤一郎

出演:市川雷蔵、藤村志保、高田美和、久保奈穂子、加藤嘉、成田純一郎

雷蔵=狂四郎の魅力とシリーズの方向を決定付けた大ヒット第2作

幕政を一新しようとする年老いた変わり者の勘定奉行(加藤)に共感した狂四郎(雷蔵)は彼の擁護を買って出るが…。屈指の名作としてシリーズの評価を決定づけた。さりげなく織り込まれる江戸情緒の描写も見所のひとつ。

©KADOKAWA1964

29 眠狂四郎 女妖剣 (1964年/カラー/81分/スコープ)

監督:池広一夫 原作:柴田錬三郎 脚本:星川清司 撮影:竹村康和 美術:西岡善信 音楽:斎藤一郎

出演:市川雷蔵、藤村志保、久保菜穂子、城健三朗、小林勝彦、春川ますみ、根岸明美

狂四郎衝撃の出生の秘密が明らかになる大ヒットシリーズ第4作

河岸に2人の女の全裸死体があがる。狂四郎(雷蔵)は隠れキリシタンの鳥蔵からその2人が大奥の女だと聞く…。エロティシズムを全篇に盛り込み、また以降の定番となる円月殺法の残像効果が初登場。

©KADOKAWA1964

30 眠狂四郎 人肌蜘蛛 (1968年/カラー/80分/スコープ)

監督:安田公義 原作:柴田錬三郎 脚本:星川清司 撮影:武田千吉郎 美術:下石坂成典 音楽:渡辺宙明

出演:市川雷蔵、緑魔子、川津祐介、三條魔子、渡辺文雄、寺田農

爽快な剣の魅力と痺れるようなエロチシズムが炸裂のシリーズ11作

大ヒット眠狂四郎シリーズ第11作。出生の秘密に関わるストーリーを絡ませ、狂四郎が悪行を重ねる兄妹と死闘を繰り広げる。エログロ路線に舵を切り、情痴に狂う姫役で出演の緑魔子がシリーズ屈指の悪女を怪演。

©KADOKAWA1968

31 眠狂四郎 無頼剣 (1966年/カラー/79分/スコープ)

監督:三隅研次 原作:柴田錬三郎 脚本:伊藤大輔 撮影:牧浦地志 美術:下石坂成典 音楽:伊福部昭

出演:市川雷蔵、天知茂、藤村志保

格調高い時代劇の風格を備えた眠狂四郎シリーズ屈指の一作

死んだ師の恨みを晴らすため江戸を死の海にしようと企む浪人一団と狂四郎が戦うシリーズ第8作。三隅研次が「勝負」「炎情剣」に次ぎ3度目の登板。同じ円月殺法で狂四郎と対する愛染役・天知茂圧巻の演技も必見。

©KADOKAWA1966

32 破戒 (1962年/モノクロ/118分/スコープ)

監督:市川崑 原作:島崎藤村 脚本:和田夏十 撮影:宮川一夫 美術:西岡善信 音楽:芥川也寸志

出演:市川雷蔵、長門裕之、船越英二、藤村志保、三國連太郎、中村鴈治郎、岸田今日子、杉村春子

悶え、苦しみ、愛し…運命に耐え続ける被差別民の果てしなき孤独

巨匠・市川崑が『炎上』『ぼんち』に続いて雷蔵とコンビを組み、島崎藤村の名作を映画化。雷蔵は部落出身であることを隠し生きる小学教師役を繊細に演じた。また本作で藤村志保が鮮烈なスクリーンデビューを飾った。

©KADOKAWA1962

33 花の兄弟 (1961年/カラー/86分/スコープ)

監督:池広一夫 脚本:笠原良三 撮影:本田平三 美術:加藤茂 音楽:吉田正 主題歌:橋幸夫「花の兄弟」「兄弟鴉」

出演:市川雷蔵、橋幸夫、水谷良重、姿美千子

『おけさ唄えば』に続き橋幸夫と本格共演した明朗時代劇

堅物の侍・市之進(雷蔵)はやくざの弟(橋)と再会、自分もやくざ修行を始めることになるが…。雷蔵は本作で橋と二度目の

顔合わせ。似た顔立ちだが主義も性格も正反対の兄弟役、すっかり板についた名コンビぶりが楽しい。

©KADOKAWA1961

34 人肌孔雀 (1958年/カラー/99分/スコープ)

監督:森一生 脚本:松村正温 撮影:相坂操一 美術:内藤昭 音楽:斎藤一郎 主題歌:山本富士子「人肌孔雀」「月見船」

出演:山本富士子、市川雷蔵、梅若正二、近藤美恵子、三田登喜子

七変化のコスプレで山本富士子の魅力が溢れ出る明朗娯楽時代劇

山本富士子が水も滴る若衆姿や可憐な薬売りなど変幻自在の扮装を見せ、濡れ衣を着せられて憤死した父の仇を討つ。主題歌も山本が担当。一方客演の雷蔵は脇で飄々と、楽しく山本と掛け合う痛快娯楽作。

©KADOKAWA1958

35 ひとり狼 (1968年/カラー/84分/スコープ)

監督:池広一夫 原作:村上元三 脚本:直居欽哉 撮影:今井ひろし 美術:太田誠一 音楽:渡辺岳夫

出演:市川雷蔵、長門勇、小川真由美、岩崎加根子、長谷川明男

雷蔵が暗い情念を湛える圧巻の演技を披露する股旅映画の最高傑作

一匹狼の渡世人・人斬り伊三蔵(雷蔵)に襲いかかる過去の因縁…。従来の股旅映画が描いてこなかった、渡世人のしきたりや所作をリアルに描いた演出は「木枯し紋治郎」など以降の股旅ものの先駆けとなった必見の傑作。

©KADOKAWA1968

36 潮来出島 美男剣法 (1954年/モノクロ/89分/スタンダード)

監督:安田公義 原作:富田常雄 脚本:八木隆一郎 撮影:竹村康和 美術:西岡善信 音楽:山田栄一

出演:市川雷蔵、瑳峨三智子、水戸光子、黒川弥太郎

雷蔵初の単独主演作!記念すべき作品となった痛快時代劇

兄の敵討ちで江戸に来た竜四郎(雷蔵)は茶屋の娘・お雪(瑳峨)と恋仲に。しかしお雪の祖父は二人の交際を禁じ…。雷蔵は本作から大映と本格的に契約。また初期の名コンビとなる瑳峨三智子とも本作で初顔合わせ。

©KADOKAWA1954

37 弥次喜多道中 (1956年/モノクロ/79分/スタンダード)

監督:斎藤寅次郎 脚本:民門敏雄 撮影:今井ひろし 美術:中村能久 音楽:宅孝二

出演:市川雷蔵、林成年、花菱アチャコ、堺駿二、島倉千代子、田端義夫、阿井美千子

お馴染み弥次さん&喜多さん東海道五十三次、スリルと笑いの珍道中

江戸は神田八丁堀に住む弥次郎兵衛(雷蔵)と喜多八(林)。声が出なくなった喜多八は医師を訪ねるが、京へ旅立った後だった。医師を追って京へ向かう二人だったが…。歌手・島倉千代子も本作で大映映画初出演

©KADOKAWA1956

38 陸軍中野学校 (1966年/モノクロ/95分/スコープ)

監督:増村保造 脚本:星川清司 撮影:小林節雄 美術:下河原友雄 音楽:山内正

出演:市川雷蔵、加東大介、待田京介、小川真由美、中条静夫

陸軍中野学校の誕生秘話を非情なタッチで描くスパイ映画の金字塔

雷蔵が日本陸軍の諜報員に扮し、名匠・増村がスパイの実態を描くシリーズ第1作。日本に初めて誕生した秘密諜報機関員(スパイ)を養成する中野学校を舞台に、時代の権力に蝕まれていく若者をサスペンスフルに描く。

©KADOKAWA1966

39 若親分 (1965年/カラー/86分/スコープ)

監督:池広一夫 原案:紙屋五平 脚本:高岩肇、浅井昭三郎 撮影:武田千吉郎 美術:加藤茂 音楽:小杉太一郎

出演:市川雷蔵、朝丘雪路、藤村志保、三波春夫、山下洵一郎、佐藤慶、成田三樹夫

やくざの若親分は元エリート海軍士官!?記念すべきシリーズ第1作

海軍士官の武(雷蔵)は、闇討ちされた親の仇を取るべく二代目を襲名する…。雷蔵自身が憧れた海軍士官出身のやくざという奥深いキャラクターが魅力でシリーズ全8作が製作された。士官の制服姿の凛々しい雷蔵も見所。

©KADOKAWA1965

<特別企画>

40旅はお色気 (1961年/モノクロ/70分/スコープ)

監督:黒田義之 脚本:小国英雄 撮影:本田平三 美術:神田孝一郎 音楽:大森盛太郎

出演:小林勝彦、浦路洋子、近藤美恵子、丹羽又三郎、三田登喜子/市川雷蔵&勝新太郎

市川雷蔵と勝新太郎がノンクレジットでカメオ出演。新たに発掘された作品を雷蔵祭開催を記念して特別上映!

<ストーリー>

剣達者だがのんきな性格の若侍・新之助(小林)は叔父から手紙を託され江戸へと旅に出るが、その途中「女難の相」があると掛を告げられ…。

コメント

タイトルとURLをコピーしました