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町山智浩がイーストウッドの集大成『運び屋』を熱く語るトークショー実施!

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『許されざる者』(92)、『ミリオンダラーベイビー』(04)で2度のアカデミー賞®作品賞、監督賞を受賞、全世界大ヒットの『アメリカン・スナイパー』の巨匠クリント・イーストウッドの最新作『運び屋』が2019年3月8日(金)に全国ロードショー公開する。今回、映画評論家・町山智浩によるトークショーが実施された。「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」に掲載され全米を驚愕させた前代未聞の実話を『グラン・トリノ』以来の監督・主演でイーストウッドが映画化。ニューヨークで本人を直撃取材した、町山氏が独自の視点でぶった切るトークショーとなった。



MCの相田冬二(映画評論家)の呼び込みで「イーストウッドじゃなくてすいません。」と言いながら町山氏が登場。早速会場が笑いに包まれる。まず、アメリカ本国では1億ドル超えの大ヒットを飛ばしていることについて町山氏は「皆、俳優イーストウッドが見たいんですよ。アメリカのアイコンですから、やっと見られたという感じでしょう。」とコメント。「イーストウッド本人が語っていますが、この作品の主人公は彼自身を投影したキャラクターです。半自伝的な作品として捉えて良いと言っていました。これは2014年に実際にあった事件で、90歳近い老人がコカインの運び屋をやっていたんです。デイリリーというユリの栽培で巨匠として知られていた人だったのですが、それ以外の部分は全く知られていない謎の人物なんですね。そこでイーストウッドは、私生活の部分をまるごと自分の話にしたんです。映画に出てくる犯罪のディテールは実際の事件を忠実に再現しているのですが、家族の話などは全てイーストウッド自身の人生を投影した物語ですよ。インタビューでも彼は実際、家庭をないがしろにしてきた、もっと家族と過ごせばよかったと反省していました。」そして、イーストウッドの派手な女性関係に話題が移り、伝記にも記述があるという数々のエピソードを披露。本作にも出演している実の娘のアリソン・イーストウッドについては「実は彼女が生まれてすぐにイーストウッドは離婚をしています。劇中の彼女の父親を憎むセリフは実は本当のことを言っているんです。彼女は俳優としてもとても優秀で、11歳で女優デビューをしています。それがイーストウッド作品でもある『タイトロープ』なのですが、彼女が犯人に縛られる場面まで出てくるんですよ。イーストウッドは映画の中で実の娘を変質者に縛らせてるんです。」と、常識では計り知れない逸話も語った。



近年、実話ものが続いているイーストウッドだが、「彼はとにかくネタを探しまくっている人なんです。『グラン・トリノ』にモン族の人たちが登場しましたが、それは彼らがラオスの国境地帯で戦っていたころから調査をしていたんです。歴史上の事実やネタは片っ端から探しているようで、『父親たちの星条旗』ではアメリカ側の資料を徹底的に調べていたところ、日本サイドの事実が気になり、そして『硫黄島からの手紙』を作りました。ちなみにその過程で日本料理も好きになり、今でも日本茶を飲んでいます。長寿の秘訣だそうですよ。」と語った。さらに、貴重なイーストウッドの言葉として、「彼は常に現代に向き合っています。歳をとっても、勉強をして変わり続けなければならないと考えているんです。例えば昔は、男というものは仕事でさえ評価されれば良いのだという考え方がありました。この映画の主人公もそうです。デイリリーの栽培で賞を取れば、男としては立派なものだと考えています。イーストウッド自身もかつてはそんな人間だったんです。アカデミー賞を取って映画作家として素晴らしければ良いと。でも“そんな価値観はもう終わった”と言っていたんです。もうそんな時代は終わったのだから、変化に追いついて行かなければならないと。とても印象的だったのが、「良いじいさんになれてるかな?」という言葉です。もう10年くらい、贖罪を物語にしてきている彼は、映画というものは1本の映画のようなものだと言っていましたが、今それをまとめあげようとしているようですね。」と語った。



俳優としての今回の役については「イーストウッドが演じるキャラクターは2種類に分けられます。1つは渋くてほとんどしゃべらないキャラクター、もう1つは女にだらしがなくてそれが原因でトラブルを起こすキャラクター。今回は完全に後者で、それを楽しそうに演じているんですよね。また、本作では劇中ずっと運転をしています。彼自身、インタビューに来るときは1人でボロボロのフォードを運転して現れるんですよ。アメリカでも80歳を過ぎると免許を返上する運動があるのですが、それについて質問すると「運転が荒いか荒くないか、年齢は関係ない!」と断言していました。でも劇中運転しながら鼻唄をノリノリで歌っていて、それも実際の彼自身の習慣らしいのですが、危ないですよ!」と会場を笑わせる。



本作がアカデミー賞にノミネートされていないという点について、「正直、『グラン・トリノ』も作品賞・主演男優賞を取ってもおかしくなかった。おそらく本人はもう上がった気持ちでいるのでは」という見解。「昔はインタビューの会話もすごく早かったのですが、最近お耳が遠くなってきているようで何度も聞き返されるんですよ。補聴器は意地でもつけたくないみたいで、それから歩くのもすごく遅い。ただ、彼の想像力はいまだに衰えず、本作でもそれは発揮されています。あと、空撮も相変わらずすごく好きですよね。やはり演出はまったくぼやけていない。彼にとって映画製作はもうお金のためとかではなく、自分を表現するための盆栽のようなものではないでしょうか。それにギラギラした欲望が滾っている。それが長寿の秘訣なんでしょうかね。」と語った。町山氏はフォトセッションの間も「これは笑う映画ですから!どうもイーストウッドは巨匠として尊敬されたくないような感じがしますね。」とコメントし、映画への期待を煽りイベントを締めくくった。



『運び屋』
2019年3月8日(金) 全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
公式サイト:http://hakobiyamovie.jp



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