知らない人から知っている人まで絶対に触ってほしい!リマスター版『鬼武者』プレイレポート

【記事:畑史進

「空前絶後のバッサリ感 戦国サバイバルアクション」

当時のCMで流れたフレーズだけどその時の映像が、色んな人が棒状の物を持って滅多斬りにするというインパクトある構成で印象に残っている人もいることでしょう。あのCMから早17年、戦国時代の日本をテーマにしたゲームは当時少なくて、最高峰のCGグラフィックで描かれた映像やステージ背景は本当に大河ドラマのワンシーンを見ているようで、当時中学生だった僕はとても心を打たれたのを今でも覚えている。

また当時カプコンの「サバイバルゲーム」は『バイオハザード』、『ディノクライシス』が90年代のゲーム文化においてある種のムーブメントを形成していたものの、一般的には最高峰に難しいジャンルとして分けられていた。そんな「サバイバルホラー」の印象をバッサリとぶった斬ったのが『鬼武者』で、当時購入した人の殆どがクリアできる様に設計されていた。

「サバイバルゲーム」で難しいとされていた理由は単に物凄く怖い演出が随所に散りばめられていた事もあったけど、それは表面的なこと。持ち物の最大数が決まっていることから、プレイ中何度も危険を冒してアイテムボックスと目的地を往復する羽目になったり、弾数に制限があることから敵に対して攻撃または戦闘の回避を選択させられる上、弾が無くなるとゲーム自体詰んでしまったり、そもそも回復アイテムが多く用意されていなかったりと様々な要因が絡んでくる。

『鬼武者』はこれらの「サバイバルゲームで難しいとされる要素」を徹底的に緩和しただけでなく、近接武器アクションゲームの模範的な作品として大きな影響を与えたと言ってもいいだろう。

そんな『鬼武者』のリマスター版が12月20日に発売(Steamは2019年1月16日配信予定)されたわけだけど、BGMからボイスキャストまで色々変わっているじゃないですか!これに関しては色々事情も絡んでいるのだろうけど、せめて曲だけは前作と今作で選択させてほしいと思った。ただ今作のために主人公の左馬介を演じた金城武が再度熱演しており、キャリアを重ねて役者として成熟しての再演は長年のファンとしてとても嬉しい。映像も当時の4:3から16:9に違和感なくリスケールもされていて、当時の雰囲気を楽しめるように両方選択できるようになっているのも良いポイントだ。

逆に4:3の画面スケールを知らない若い人にはクリア後にこちらで再度遊んでみるのも良いかもしれない。映像に関して言及すると、これまでPS2のアナログ出力では見えづらかった箇所が今回のリマスター化でかなり繊細に映るようになっており、ギルデンスタンの目の作りなど新しい発見がたくさんあって面白い。

そして今作で最も特筆すべき点はスティック操作で直感的にキャラクターを動かせるようにもなったところ。これは当時の『バイオハザード』『ディノクライシス』で採用されてきたラジコン操作のようなキャラクター移動を『鬼武者』でも採用したのだけど、この操作方法は正直今の時代には合わないし、「サバイバルアクション」が難しいとされてきた要因だったわけ。これを今作では直感的にスティックを倒すことで向かいたい方向にキャラを移動させて、スムーズに移動できるだけでなく的確にすばやく敵を片付けていくことが可能となった。

ただ固定カメラでステージを映しているゲームであるがゆえに、スティック操作では少々弊害が出ている。アングルが切り替わるとスティックを倒している方向が進行したい方向とは別の方向に向いていることが多いため、切り替わり時にカメラを良く確認しないと明後日の方向にキャラクターが移動してしまう。これを少しでも緩和するためにマップの切り替わり時には直前の進行方向に移動するよう調整されているけど、その時間もほんの僅かなので、ゲームを進めていくうちに慣れる必要がある。

ここ最近、和風のアクションゲームも少なくなってきているのでもし『鬼武者』という作品を知らない、1作目はやったことがないという人は是非このお正月シーズンに遊んでほしい。すでにプレイした人も若大将こと加山雄三の57分クリアを超えるよう頑張ってクリアに臨んでほしい。

公式サイト:http://www.capcom.co.jp/onimusha/

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