映画レビュー ハラハラドキドキ素直に楽しめる!パニック系サスペンス・ホラー『クレイジーズ』

 



ジョージ・A・ロメロ監督作『ザ・クレイジーズ』(73)をブレック・アイズナー監督がリメイク。アイオワ州ピアス群の小さな田舎町オグデンマーシュ。この町の川に軍用機が墜落するという事故が起きた。この軍用機には、“トリクシー”という名の人を凶暴化させる細菌兵器が積載されていた。これが飲用水として町の人々が使用している川に漏洩したため、感染者が続々と出始める。軍部は事件を秘密裏に処理するべく住民を隔離し、やがて町全体を焼却するべく大量の兵器を駆使して感染者以外までも犠牲にしていく。町の保安官デヴィッド(ティモシー・オリファント)、妻で女医のジュディ(ラダ・ミッチェル)、ジュディの助手ベッカ(ダニエル・パナベイカー)、保安官補ラッセル(ジョー・アンダーソン)は、この狙われた町から脱出しようとするが……。
オリジナル版は低予算であったが、今回のリメイク版は予算を費やしてスケールアップさせ、誰もが楽しめるような娯楽色を全面に押し出して作り上げたのだ!!しかも、オリジナル版のような社会派テイストは控えめであり、ドキュメンタリー・タッチも払拭されている。
また、アイズナー監督と主演のティモシー・オリファントがアクション派でもあるため、大掛かりなアクションシーンも取り入れられている。上空の軍ヘリが爆弾を投下して車が爆破炎上、車の横転といったアクション演出は、なかなか見応えありだ!!
作品の基本がパニック系サスペンス・ホラーであるため、恐怖描写や血生臭い残虐バイオレンス描写、ゾンビ映画風味を忘れることなくしっかりと描いており、緊迫感を持続させている点も大いによろしい!!
この緊迫感やパニック描写が観る者をグイグイと惹きつかせる。後半は、主軸となっている脱出劇がじっくりと味わえる!!逃げ切られるのか否か?!ハラハラドキドキさせられながら存分に楽しむべきなのだ!!
結果的には細菌感染パニックから脱出劇エンターテイメントとなってしまったのだ!!でも、素直に楽しめる作品であるため、良いと言い切れる!!
レビュアー:佐々木 貴之
『クレイジーズ』
11月13日(土)より、シネマサンシャイン池袋、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ他全国ロードショー!
配給:ショウゲート
公式サイト http://crazies.jp/
(C)2010 Overture Film, LLC ALL RIGHTS RESERVED.

コメント

タイトルとURLをコピーしました