「Netflixアニメスレート2017」イベントレポート


Netflix社は8月2日に東京国際フォーラムにて「Netflix アニメスレート2017」を開催した。

このイベントでは今後の配信タイトルの発表やプレゼンテーションを始め現在配信中の『悪魔城ドラキュラ-キャッスルヴァニア-』や『DEVILMAN crybaby』の声優、監督らのトークショーが行われた。

[取材・文:畑史進]

はじめにNetflixチーフプロダクトオフィサーのグレッグ・ピーターズ氏が登壇。ピーターズ氏は過去3年間日本に滞在しアジア市場を研究した後にNetflixをアジア圏で立ち上げ様々なサービスを提供し、トップクリエイターの人達と提携することで多くのオリジナル作品を提供できるように努めてきたと話した。

世界的なラインナップの中でも重要なものの一つにアニメがあるとし、特に日本のアニメーションは日本だけでなく世界中でも愛されてきたことは間違いなく、今後も既存のアニメ作品を最高の品質で楽しみやすくするのもNetflixの使命で、オリジナルコンテンツの拡張の一つに日本のコンテンツでないものを日本のアニメ会社、クリエイターと絡めて制作することを試みていると明かした。今後も継続してアニメファンの裾野を広げるためには新しいオーディエンスを育てることであり、そのためには全世界同時配信とそれに伴うローカライズ対応、そして様々なプラットフォームに対応することは必須項目であると話し、例として『BLAM!』の各国語の映像を上映して実証した。

更にNetflixは2億5000万のプロフィールの傾向を参照にすることで各ユーザーに数多くのコンテンツの中でマッチする物をおすすめすることが出来るだけでなく、その他にもHDRやフルHDの画質やドルビーアトモスを採用する音質を使ったハイクオリティの映像を始め、バッファリングの高速化や低容量のストリーミングでも高い品質の映像を提供し、モバイルの2GBプランでも30時間Netflixが体験できるような最新のテクノロジーを尽くすことで今後も継続的にサービスの向上に務めることを約束した。

また本日発表されたNetflixオリジナルアニメーションは板垣恵介の『刃牙』の『バキ』、車田恒美の『聖闘士星矢』の『ナイト・オブ・ザ・ゾアディック』のような過去に何度もアニメ化された物のNetflix向けの再アニメ化だけでなく、『ロストソング』『ソードガイ The Animation』『A.I.C.O-Incarceration-』『B:the Beginning』そして永井豪の代表作『デビルマン』の最新作『DEVILMAN crybaby』が発表された。

■『DEVILMAN crybaby』予告編

■ボンズ×村田和也が贈るSFアニメ『A.I.C.O. -Incarnation-』特別映像

■田村ゆかり×鈴木このみ主演!『LOST SONG』特別映像

■『悪魔城ドラキュラ-キャッスルヴァニア-』トークショー

現在配信中の『悪魔城ドラキュラ』は誰もが知るコナミの同名アクションゲームをアニメ化したものとなっており、この日のトークショーには本作の主人公トレバー・ベルモンドを演じた置鮎龍太郎とエグゼクティブプロデューサーのアディ・シャンカルが登壇した。アディは日本のアニメが大好きで、特に『ガッチャマン』は子供時代に熱中して視聴したことから作品作りに大きな影響を受けたと話した。更に『悪魔城ドラキュラ』には10年前から構想をしており、アニメ化までアメリカでのアニメ=子供が見るという考え方から中々制作に踏み切れず、Netflixの登場によって制作が出来ることになったと話した。

置鮎は97年の『月下の夜想曲』でアルカードを演じていた事もあり、今回台本をもらった際『悪魔城ドラキュラ』の海外の実写ドラマかと思ったら台本を開いてアニメであることに驚き、更にアルカードでなくベルモンド役ということにも驚いたと振り返った。またアディも『月下の夜想曲』は特に好きな作品で今回の役シャッフルにも気づいており、置鮎ベルモンドの演技には無言でサムズアップして会場を沸かした。Netflixでアニメを制作するということについて尋ねられたアディはハリウッドに出てきて最も楽しい仕事で、結果としてゲームのファンに納得行くものを提供できたことに満足していると話した。さらに当初は『悪魔城ドラキュラ』の実写映画の話もあったが、キャラクターに対するリスペクトをオファー側から感じられなかったため断ったこともあったと明かした。

シーズン2は更に鞭アクションが増え更に面白いものにするとアディは、第2話でトレバーが死ぬので楽しみにしてほしいとジョークを飛ばして会場を笑いに包んだ。これに心配した置鮎は「今後トレバーはアルカードと仲良くなるのか」「シーズンを多く制作して欲しい」と要望を出したがアディは笑いながら念頭に入れるとはぐらかしてトークショーは終了した。

■『DEVILMAN crybaby』トークショー

『DEVILMAN crybaby』は永井豪デビュー50週年を記念してNetflixオリジナル作品として制作され2018年春に配信予定となっている。本作の監督を務める湯浅政明、主人公の不動明役の内山昂輝、飛鳥了役の村瀬歩が登壇しトークショーが行われた。

今回始めてデビルマンに関わることとなった内山はオーディションで不動明役は受けておらず、また逆に村瀬も飛鳥了役を受けてなかったようで、これについて湯浅監督に尋ねると、オーディションの後に両者の声質や作品を鑑みて逆になったことが明かされた。また村瀬は脚本から面白いものを作るという意気込みを感じ、また伝説的な作品に携わることで大きなプレッシャーを受けてアフレコに臨んでいたことを振り返った。

内山と村瀬は本作がTVアニメではないため、攻めた内容で描写や展開に驚くことが多い現場であったと話し、そんな中でもアフレコ現場は和気藹々としていたと話し、これに対し湯浅はNetflixでの制作についてかなり彫り込んだバイオレンスなシーンやセクシャルなシーンを制作することが出来、その上で演者に様々なデーモンの声を演じてもらうことでそれぞれを足すことでイメージするものが出来たと話してトークショーは終了した。

最後にグレッグ氏から「クリエイティブな人達と仕事ができ世界じゅうに素晴らしいコンテンツを提供出来ることに大変光栄に思います。今後ともNetflixをよろしくお願いします」とメッセージが送られイベントは終了した。

「Netflix」公式サイト
https://www.netflix.com/browse

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