2011年も開催決定!スプラッター表現が応募基準の異色映画祭!学生残酷映画祭2010 盛況のうちに終了!




12月12日、阿佐ヶ谷ロフトAにて「学生残酷映画祭2010」が開催された。学生残酷映画祭は2009年にスタートした映画祭。その特徴は、応募作品は大学・専門学校生からの作品に限定。募集作品は全て”流血”や”人体破損”等の残酷描写があること!というその筋では有名な映画祭。
なかなか広く理解されないという”性”を背負った映画祭だけに2回目が危惧されていたが無事に開催にこぎつけられ、エンタジャムとしても嬉しさもひとしお。上映作品は6本。しかも、前回の1回目比ベ(1回目のクオリティーが低かった意味ではなく)クオリティーは大幅アップ!2回目にして映画祭として”風格”を感じられるまで成長をみせてくれました。



今回のゲストは、ゾンビ手帖の伊東美和さん、古澤健監督、映画ライターのジャンクハンター吉田、デザイナー・ライターの高橋ヨシキさんの4人が審査員として参加し、各作品についてホラー・ゴアシーンを愛する同胞として、時に厳しく、時に優しく講評していました。冒頭の挨拶として特に印象的だったのは高橋ヨシキさん「(学生と映画祭の)間に残酷という言葉が入っているだけで、どれだけ心が安らぐか(笑) 字面がいいんですよ。それを抜くとすごく空気が薄れかけるという。非常に志が高い映画祭だと思います」。この映画祭に何故魂が惹かれてしまうのかを端的に表現した含蓄のある言葉でした。
学生残酷映画祭2010では以下の作品が上映されました。

CHAINSAW MAID episodeZERO
監督:長尾武奈
昨年の残酷映画祭2009審査員特別賞を受賞した監督の最新作。
FRIEND IS THE DEAD
監督:佐藤周
昨年の学生残酷映画祭2009上映作品の完全版。真の友情をかけた青春ゾンビ映画。
女子高生のはらわた
監督:田代尚也
青春スプラッターホラー映画。女子高生が殺し合う娯楽作品
BERMUDA
監督:神谷航
驚愕のB級パニック・モンスターパペットアクションアニメーション
狂人
監督:笠井あぐり
弟の復讐に燃える主人公が無機質かつ無感情に人を殺し続ける。
魔眼
監督:伊藤淳
謎の男によって左目に刻まれた刻印「魔眼」が映し出す異様な世界。



自主映画とはいえ、各監督とも本気のガチで作った作品ばかり。制作費250万円をかけたという『女子高生のはらわた』の存在感。グイグイ観客を惹きつける精神を汚染しそうなくらい危険な魅力の『魔眼』。すでにポニーキャニオンから自身の作品集も発売されている長尾武奈監督の新作クレイアニメ『CHAINSAW MAID episodeZERO』は安定した演出と面白さ。長尾監督はプロとして次のステップをどうするのかがファンとしては気になるところ。その他の上映作品『狂人』『FRIEND IS THE DEAD』(個人的に一番好きな作品でした)『BERMUDA』も、監督が何をしたかったのかが伝わってくる力作でした。とにかく自主映画祭にありがちな、ダルさ、ゆるさが皆無だったのが特に印象的でした。
さて、映画祭の最後には、審査委員長の古澤健監督から「学生残酷映画祭2010」のグランプリの発表が!
その結果は・・・
該当作なし・・・ 意外な結果に「おおぉ~」 一瞬、会場が静まりかえり
古澤健監督は該当作品がなかった理由を次のように語りました。
「最終的に議論の対象になったのは、『女子高生のはらわた』、『FRIEND IS THE DEAD』、『魔眼』のどれにするかという話になりました。ただ、議論の結果、各作品とも一長一短があり、『女子高生のはらわた』は撮影技術は低いけれども、現場の美術的なこと例えばチェーンソーで首を斬るところ等は工夫があって非常に映画的だしハードルが高いことをやっている。でも、これでグランプリをあげてしまうということは本人に対して、僕らが甘く見ているような気がしてならない。『FRIEND IS THE DEAD』に関してもキャラクター描写が面白いけれども、もう少し映画としてのルック、つまり照明だったり、効果音について頑張ってほしい。『魔眼』に関しては、映画としてのルックは頑張っているけれども、それがなかったところで中身に関して『女子高生のはらわた』に匹敵するほどの「これが撮りたいんだ!」という情熱であったり、「本当にこのアングルでいいのか」というような追求が甘かったんじゃないだろうかと。そういったところで、結論がでませんでした。ここで6本の中でこれがグランプリですと決めて、6本の中で一番面白いと”お墨付き”を与えてしまうと僕らとしても心外という気がします。もう一つは学生残酷映画祭は、せっかくの2回目なので、あまりレベルを落としたくないということです。是非3回目をやってほしいし、主催者にも、きちんとグランプリが取れるような作品が応募されるような映画祭にしていって欲しいという想いをこめて、「グランプリ該当作なし」という結論に達しました。」
審査員の妥協を許さないこの姿勢に取材している身でありながら何か熱いものがこみ上げてきました。その熱い魂に感化されたのか、主催者からは「来年、3回目開催します!」発言が!期待してます!そして、この記事を読んで学生残酷映画祭に出品したいと思った貴方!あと1年くらいありますので、是非”流血”と”人体破損”等の残酷描写があるすんばらしい映画を撮って応募してみてください!!!

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