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『沈黙−サイレンス−』 スコセッシ、窪塚洋介、アダム・ドライバーらが、複雑なキャラクター“キチジロー”を語る!

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遠藤周作の名作「沈黙」を巨匠マーティン・スコセッシ監督が完全映画化した『沈黙-サイレンス-』が2017年1月21日(土)から全国公開となる。

待望の日本公開を間近に控え、『沈黙−サイレンス−』長崎プレミアが行われた。イベントには、物語の鍵を握る重要なキャラクター、キチジローを演じた窪塚洋介だが登場した。

「沈黙」は、長崎を訪れた遠藤周作が、偶然目にした“踏み絵”に見せられたことから始まった。その後、何度も長崎を訪れた遠藤が、丹念に物語を紡いで書き上げた。小説の発表から50年余、1981年10月の文庫化された「沈黙」は、時と共に版を重ね、63刷・累計200万3000部と、ついに「200万部」の大台を突破した。遠藤周作の真摯なメッセージが、時を越えて語り継がれている。この反響について新潮社の担当者は「遠藤周作さんの代表作であるこの作品は、新潮文庫の中でも大変良く売れている一冊。たとえば、2006年から2016年の10年間の重版の合計は22万部で、一年間に平均2万2000部の重版がかかっている計算です。この数字自体、大変すばらしい数字なのですが、今回は、昨年11月以降のわずか2ヵ月で「16万部」もの重版がかかり、文庫だけで累計200万部の大台に乗りました。スコセッシ監督のライフワークともいえる映画への期待や関心の高さを、ひしひしと感じます」とコメントしている。

今回、窪塚洋介が演じた複雑なキャラクター“キチジロー”について、監督やキャストたちの証言から考えてみたい。マーティン・スコセッシ監督は、「窪塚洋介の多くの映画を見ている。彼の起用は、オーディションで決めた。彼は間違いなく、この役にぴったりだ。この役の役者を選ぶのは難しいが、彼だと確信した」と語る。『沈黙-サイレンス-』で、長崎に潜入する2人の宣教師、ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライバー)を導くガイドとして登場するキチジローは、物語の鍵を握る重要な人物。二人の宣教師を信者たちの村に案内した彼は、家族を見捨てて“踏み絵”を踏んだ過去を告白し、ロドリゴに許しを求める。だが、その後も“踏み絵”を踏んでは逃亡を繰り返す。聖職者ロドリゴにとって、時に案内人とも宿敵ともなる。遠藤周作が「弱き者」の象徴として描いたとされるキチジローは、ロドリゴを裏切りながらも、彼を追い続ける、極めて複雑で狡猾なキャラクターなのだ。

映像を通して窪塚が演じたキチジローを見守り続けた編集のセルマ・スクーンメイカーは、「沈黙」の原作者である遠藤周作が「キチジローはどうしてあんなことをするんだと問われ、キチジローは自分自身だ」と語ったことを知り、大きな勇気を得た。「キチジローは、当然、人によっては不愉快に感じるようなキャラクター。彼が何度も戻ってくるところをとても好きだと思う人もいる」と言う。カードの数字に例えて、「事実、彼のカードの数字はとても大きい。日本の俳優たちには、助演俳優が普通手にするよりもずっと大きな数字」が託されていると説明する。「人をいらいらさせるような役回りを担っている。スコセッシ監督は、ロドリゴがこれからやらなければならない行為を象徴している存在となるのがキチジローだと見ていた。絵を踏まなければならないことになるから。キチジローが殺されないために、何度でも“踏む”気を見せることは、不快であると同時に、映画の重要な特徴にもなっている」と指摘している。

窪塚洋介は、「キチジローは、役者なら誰もが演じたがる役。喜怒哀楽の強い部分と弱い部分、きれいな部分や汚い部分など、相反するものを表現できるから」と、役柄の振り幅の広さを指摘する。「とても人間らしいし、とても弱い男だと原作者の遠藤周作さんもおっしゃっている」としながらも、「キチジローが本当に弱い人間なのかも考えさせられます。信仰を守る強さは、自分の心を信じる強さ。信仰とは、心の底から自然と湧き上がってくるもの。自然と手を合わせることが信仰の原点ならば、親や第三者から教義を教えてもらうものではありません。神を信じることは、自分を信じることと同義だと思い、弱い人間だとは最初から考えませんでした。人は、自分の心を選ぶ強さがある」と、独自の解釈でキチジローという難役に挑んだ。

共演したアダム・ドライバーは、「キチジロー(窪塚)のことは特に、見てはいけないような気になった。彼は、テイクの合間でさえも、大きなエネルギーを感じさせ、いつも大きなエネルギーを発していた。集中した状態のままで、あらゆるものから何かを得ていたようだ」と、窪塚洋介のエネルギーと集中力に感嘆した。マーティン・スコセッシ監督から「力強く演じているだけではなく、心から正直に演じていて、役を心底理解している」と太鼓判を押された。窪塚洋介が全身全霊で挑んだキチジローは、『沈黙-サイレンス-』でどんな姿を見せるのか。

■小説「沈黙」(新潮文庫刊)は、全国の書店で絶賛発売中!
http://www.shinchosha.co.jp/book/112315/

遠藤周作(1923-1996)
東京生れ。幼少期を旧満州大連で過ごし、神戸に帰国後、11歳でカトリックの洗礼を受ける。慶応大学仏文科卒。フランス留学を経て、1955(昭和30)年「白い人」で芥川賞を受賞。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追及する一方、ユーモア作品、歴史小説も多数ある。主な作品は『海と毒薬』『沈黙』『イエスの生涯』『侍』『スキャンダル』等。’95(平成7)年、文化勲章受章。’96年、病没。

原作「沈黙」(遠藤周作著 新潮文庫刊)
島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける歴史長編。第2回谷崎潤一郎賞受賞作。(単行本は1966年3月、文庫は1981年10月刊行)

【ストーリー】
17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎。日本で捕えられ棄教(信仰を捨てる事)したとされる高名な宣教師フェレイラを追い、弟子のロドリゴとガルペは日本人キチジローの手引きでマカオから長崎へと潜入する。日本にたどりついた彼らは想像を絶する光景に驚愕しつつも、その中で弾圧を逃れた“隠れキリシタン”と呼ばれる日本人らと出会う。それも束の間、幕府の取締りは厳しさを増し、キチジローの裏切りにより遂にロドリゴらも囚われの身に。頑ななロドリゴに対し、長崎奉行の井上筑後守は「お前のせいでキリシタンどもが苦しむのだ」と棄教を迫る。次々と犠牲になる人々。守るべきは大いなる信念か、目の前の弱々しい命か。心に迷いが生じた事でわかった、強いと疑わなかった自分自身の弱さ。追い詰められた彼の決断とは―

『沈黙-サイレンス-』
2017年1月21日(土) 全国ロードショー
配給:KADOKAWA
(C)2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト:http://chinmoku.jp

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