[文:パッキー小林]
「牙狼」などで活躍中の金田監督より「日芸学園祭の特撮部のイベントに遊びにいくから一緒にどう?」というお誘いをいただき、11/4、日本大学芸術学部芸術祭2016にお邪魔させていただいた。当日は俳優の原田篤さんも爽やかな笑顔で現れ、「牙狼」の金田監督と戦隊ヒーローと仮面ライダーの両方を演じた原田さんという、なんだかすごいメンバーに。
会場の江古田キャンパスはものすごい盛り上がり。屋外ステージではアイドルが歌い舞い踊り、屋台にコスプレ、出番を控えて歌や楽器の演奏、ダンスの最終調整に集中する学生さんたちと、興奮と解放感、緊張感がそこらじゅうに満ち溢れている。金田監督もその雰囲気に何かが刺激されたのか顔もほころび「なんか昔を思い出すね」と嬉しそう。その後、特撮部の作品上映とレジェンドヒーロー90’sによる「歌謡&トークショー」をたっぷりと堪能した金田監督。感想を尋ねると「あんなに純粋に特撮を好きでいる若者がまだいるんだね。すごい元気をもらった」と心が動かされた様子だった。
画面一番左:金田龍監督 一番右:原田篤さん
金田監督はライフワークとしてシネマワークショップ「龍塾」に取り組んでいる。何回かそのワークショップを見学させていただいたが、授業は熱気と研ぎ澄まされた緊張感で時折息苦しさを感じほどだ。ワークショップ「龍塾」は、実際の現場に入ってすぐに動くことができる人材を育成することを目的に始まった。今の制作は非常にタイトな条件下で行われている。そんな状況の中に、十分な教育を受けていない新人俳優が次々と送り込まれる。しかも、現場ではそういう俳優達を受け入れる体制になっていない。金田監督はそんな状況に危惧を抱いている。「せっかくの才能が正当な評価を得られないまま消えていく。それは映画業界にとって非常な損失だ」金田監督が今の状況を語る時はいつになく真剣だ。
「龍塾」では発声練習や演技論など自分ひとりでできることは一切やらない。そこでは、監督から指示された演技を瞬間的にどこまで効果的に演じられるかという即興性が求められる。さらに、俳優自身が映画のカット割りを意識して演じる「自分の演技プランに現場のカット割りを組み込ませる」という実践的なスキルを学ぶ。それが現在の制作状況の中で重要であり、現状に即した形で作品を面白いものにする唯一の方法だと金田監督は考えている。ワークショップ「龍塾」では第18期の受講生を募集している。何を得るのかは人それぞれだと思うけれども、何かをしなければならないという使命感や焦燥感のような気迫を必ず感じられると思う。プロとして俳優を目指す方はぜひ一度「龍塾」に触れ、学んでいただきたいと思う。
■ワークショップ「龍塾」
詳細はこちら⇒http://www.enterjam.com/?p=217746
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