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電子書籍『映画の生体解剖』第2弾が6月19日(日)に発売!高橋洋×白石晃士による対談、冒頭部分をノーカット公開!

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コワすぎ!

電子書籍「映画の生体解剖」の第2弾『映画の生体解剖 vs 戦慄怪奇ファイル コワすぎ!: 映画には触れてはいけないものがある』が6月19日(日)にkindleで発売される。カナザワ映画祭2015のトークイベント「映画の生体解剖×コワすぎ!」完全版のほか、関連エッセイ、『貞子vs伽椰子』公開記念対談を収録。

今回、高橋洋と白石晃士による対談「化け物には化け物をぶつけんだよ!『貞子vs伽椰子』の舞台裏」の冒頭部分をノーカットで公開します!続きが読みたくなること必至!

※ネタバレを含みますので読む際はご注意下さい!

化け物には化け物をぶつけんだよ!
~『貞子vs伽椰子』の舞台裏~

高橋洋(『リング』シリーズ脚本) × 白石晃士(『貞子vs伽椰子』監督・脚本)
※司会=保坂大輔(『貞子3D2』脚本)

■二大幽霊はいかに戦うのか?

保坂 まずは高橋さん、『貞子vs伽椰子』をご覧になった感想を。

高橋 僕は初号試写でスタッフの皆さんと見たんですけど、率直におもしろかったです。インパクトがあって、勢いがある。バーサスものとしては、非常に正しいことをやったな、これはいけるぞ、と。

保坂 勢いを感じるというのはどんな点が?

高橋 うん、場面の展開がうまいんだよね。

白石・保坂 ほおー。

高橋 パラレルに話を進める場合、こっちはこう、一方あっちは……と仕切らないといけないんだけど、それがダサくなりがちなんですね。例えば怪獣の対決ものとかで、あちらではキングコングが暴れ、こちらにはゴジラが出現し、という風に話が散る。最後にはこの二体が対決するのはわかっているから、「段取りでやってる」感が出てしまう。だけど『貞子vs伽椰子』は乗りが良くて、「二つの流れがどう交わるか?」の期待を高めるように構成されている。パラレルになっていることでスピードが落ちたりせず、ドライブ感を維持していた。そこは脚本の構成の巧みさ、演出の上手さだな、と思いましたよ。

白石 ありがとうございます。

高橋 最初、『貞子vs伽椰子』というタイトルを聞いた時、どうやって対決させるのかなと考えた。モンスター対決ものは、『エイリアンVS.プレデター』(2004)とか『フレディVSジェイソン』(2003)とかあるけど、幽霊対幽霊だからね。お岩対お菊みたいなことだから(笑)、貞子と伽椰子が取っ組み合いをやったってしょうがないし、どうするんだろうって興味を持って、なるたけ情報を入れないで見た。で、シンプルに呪いのパワー対決なんだとわかった。言われてみればそうですよね、その勝負しかない。

白石 確かに、肉弾戦をするわけにはいかないし、どうするんだって思いますよね(笑)。

高橋 小林(剛)プロデューサーに見る前に会って、同じ興味を言ったんですよ、幽霊と幽霊がどうやって戦うのかと。そうしたら、小林プロデューサーが、「今、巷では、そういうことではなくて、どっちが勝つかで話題沸騰なんですよ」と。「あ、世の中ってそうなんだ」と。

白石 高橋さんの着眼点は普通の人にはない、ということですよね(笑)。私も、バーサスものとしておもしろかったと言われている『フレディVSジェイソン』を見ましたが、肉弾戦をしたらプロレスのおもしろさに完全に変わってしまうな、とは思いました。それから、人間の存在がないと——人間が闘いを見ているというシチュエーションがないと、怪獣が孤島で戦っているのと変わらなくなる。だから、必ず人間を存在させて、人間が見ているというシチュエーションでやるということを念頭に置いて話を考えました。

高橋 『フレディVSジェイソン』でも『エイリアンVS.プレデター』でも、人間が介在するんですけど、敵の敵は味方という論理で、モンスターと共闘しようとする。『フレディVSジェイソン』だと、人間はジェイソン側に付くんですよね、ジェイソンと共闘してフレディを倒そうとする。『エイリアンVS.プレデター』だと、話が通じるのはプレデターだから(笑)、人間とプレデターが共闘するのね。それで、エイリアンを倒そうとする。そこがもう一つ乗れないところですよね。貞子と伽椰子はどっちも話が通じないからね(笑)。

白石 確かに。

高橋 貞子は黙ってるしね、伽椰子はカカカカって、あの独特な音を出すだけだし。フレディなんかはよくしゃべるんだよね(笑)、べらべらと自分の悪巧みをいちいちしゃべる。

白石 貞子・伽椰子はフレディみたいに話芸を披露できないですからね。

高橋 そこがいい。しゃべらない者どうしで、人間とは話が絶対に通じないというのがいいわけです。

保坂 僕は結構前に小林さんから『貞子vs伽椰子』をやるよ、ということを聞いていたんです。だから、白石監督より早くこの企画を知ってたいたんじゃないかなあ。その時に僕も、どうやって戦う? 自分だったらどうする? と考えたんですけど、全然浮かばなくて。白石さんが取った方法は、貞子の呪いと、呪怨の呪いをぶつけることによって、二つの呪いを一気に消滅させるということで、あの発想がすごいなって。

白石 実は、私が入った時に、叩き台のプロットがあったんですよね。KADOKAWAとユニバーサルの立てたコンセプトをもとに、清水匡さんが書いたものが。そこでもう呪いのパワー対決という基調になるものが出ていた。そもそもこの企画が、KADOKAWAとユニバーサルの首脳陣が、呪いの家で呪いのビデオを再生したらどうなるか、という話をしたところから始まっているそうなので。

保坂 呪いの家で、貞子の呪いのビデオを流すというところまでは、僕にも思い浮かぶんですけどね。

白石 最初のプロットには、もっとお金がかかる派手なことが書いてあったんですけど(笑)、そこはいろいろと帳尻を合わせつつ、あの形に至った。怖いものにしたいという製作側の要望があったので、終盤は怖くないかもしれないですけど(笑)、前半はホラーのテイストを崩さずに行こうと。そして、ちゃんとした人間ドラマを描こうとすると、そこの尺が長くなってしまうので、強いて人間ドラマは描かずに、勢いで行くんだということで、話を考えた。

保坂 霊能者・常盤経蔵(安藤政信)が出てきて「化け物には化け物をぶつけんだよ」と言う。あのせりふが素晴らしいんですよね。

白石 もとのプロットにあった呪いを相殺するというアイディアは僕も気に入って、自然とああいうせりふになったと思います。

保坂 ぼくは白石監督のファンで、《コワすぎ!》のファンでもあるので、あれは白石節のせりふだな! と思った。きっとみんながそう言うと思いますよ。

高橋 そうだよね。言動に問題のある霊能者が出てくる〈態度の悪い霊能者〉シリーズ(笑)。

保坂 ですよね。

高橋 今回は安藤さんがその役をやってて、安藤さんが「ぶつけんだよ!」って言うから良い感じ。確かに《コワすぎ!》のファンが期待している白石テイストは、常盤経蔵が出てきて以降だと思う。でもその前から僕はうまいうまい、見事なさばき方だなと思いながら見てたんですよ。白石さんがPOVだけの人じゃなくて、いわゆるドラマを撮る力量があるというのは、『テケテケ2』(2009)とか『讐~ADA~』(2013)とか、POV作品じゃないものを見た時に、既にわかっていた。今回もやっぱり、演出にすごく感心したわけです。

■貞子と伽椰子はどう違う?

保坂 ところでこの作品を監督することになった経緯は?

白石 まあ……オファーが来たんです。KADOKAWAとユニバーサルで監督を誰にするかという話し合いがあったそうで、その結果として。私の方も、エイプリル・フールの『貞子vs伽椰子』情報が出た時に、ツイッターで反応したりしてたんで、それがあってかどうかは知りませんけれども、やらせてもらうことになった。

保坂 エイプリル・フールの情報というのは?

白石 『呪怨—ザ・ファイナル—』(2015)の宣伝で、「貞子と伽椰子・夢の対決」みたいな映画があるというエイプリル・フールの仕掛けがされてたんです、ネット上で。ヴィジュアルを一つ作って。それで私が、「やるんだったら私にやらせてもらえないかなあ、やらせてもらえたら嬉しいですけどねえ、どうかなあ」とTwitterでツイートしたんです。

保坂 なるほど。僕は『貞子3D・2』(2013)の脚本を書いたわけですけど、その前に清水崇監督の『戦慄迷宮』(2009)と、『ラビット・ホラー』(2011)を書いてる。貞子の話はその後に来たんですけど、その時、「ついに俺のところに来ちまったな……」というのがあった。《リング・シリーズ》も《呪怨シリーズ》も、高橋さんをはじめ偉大なる先輩たちがやってきたシリーズじゃないですか、それをやることに対してのプレッシャーは……。

白石 わははっ。

高橋 「ない」って言えないよね(笑)。

白石 責任は感じましたね、日本のホラーの二大人気シリーズですからね、お客さんの期待に応えなきゃとは思いました。ただ、諸先輩方のことをあんまり考えてしまうと、自由な発想ができなくなっちゃうんで。

保坂 それはそうですね。

白石 なるべく忘れるようにして考えたし、別物にしようとは、当初から考えていました。

保坂 前半の貞子パートは『リング』の一作目に準じた展開だと思いますが。

白石 そうですか? それはよくわからない。

高橋 貞子はいろいろと手続きが必要なんですよね。呪いのビデオがあって……という話から始まって、そのビデオを見ると電話がかかってきて。

白石 そうですよね。法則がいろいろ。

高橋 今回はVHSデッキに立ち返ってますけど。

白石 それだけは、VHSデッキとVHSテープとVHSの映像は絶対出すぞというのだけは、こだわりましたね。

高橋 それをやらないと貞子が出てきてくれない(笑)。

保坂 『貞子3D・2』では、パソコンやスマホの画面がバグるという形で、テープやデッキは出て来ないんです。

高橋 そうか、電話もなかったね?

保坂 ないですね、一週間の猶予なんかない。二日もない感じです。

高橋 もう即死みたいな?

保坂 基本的に即死。主人公にだけは特別ルールが適用されたりするんですけど(笑)。

高橋 『貞子3D』の方がルールをいろいろと変えているんですね。

白石 それに較べると、確かにちょっと立ち戻り感があるかもしれないですね。

保坂 そうそう、そうです。

白石 『貞子vs伽椰子』も二日後に死ぬというすごい性急なものですけどね(笑)。最初は今回も1週間の設定で書いていたんですが、それだと構成上もたついてしまうので「見て三日後に死ぬ」に変更したんですが、脚本を書き上げてよくよく見るとこれも整合性や盛り上がりに問題があり、「見て二日後に死ぬ」という設定にすれば色々と解決することがわかって、そのように書き直しました。貞子側の物語はすぐに日常から離れた世界に突入します。

高橋 どアタマにバン!とタイトルが出るでしょ。あれが痛快でこの映画の勢い感を宣言してる感じがあった。ひじょうに圧縮されたスピード感のある語りをしてるんだけど、このビデオは本物だって登場人物たちが気づく、怖さの本質にかかわる部分はジックリと見せている。で、ヒロインが呪いのビデオを見るのは実は物語の中盤なんですよね。普通に物語のセットアップを急ごうとしたら、前半で見せてると思うんだけど、それじゃあ一本調子になってしまうから、あえてポイントを後ろにずらすことで展開をダイナミックにしている。これはかなり大胆なアイデアで、三日間の物語にしたことが生きている。そういうメリハリの効かせ方がドライブ感を生んでるんだと思います。

⇒対談の続きは、6月19日発売の「映画の生体解剖 vs 戦慄怪奇ファイル コワすぎ!: 映画には触れてはいけないものがある」Kindle版で!
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白石晃士(しらいし・こうじ)
1973 年生まれ。福岡県出身。映画監督、脚本家。フェイク・ドキュメンタリー形式によるホラー・ムーヴィの第一人者。代表作に『ノロイ』『オカルト』『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズ、『貞子vs伽椰子』など。

高橋洋(たかはし・ひろし)
1959 年生まれ。映画監督・脚本家。監督作品に『恐怖』『旧支配者のキャロル』ほか、脚本の代表作に『女優霊』『リング』シリーズ『おろち』。
著書に『映画の魔』『映画の生体解剖』。

『貞子vs伽椰子』
6月18日(土)全国ロードショー(4DX/MX4D上映決定!)
出演:山本美月、玉城ティナ、佐津川愛美、田中美里/甲本雅裕/安藤政信
監督・脚本:白石晃士
制作・配給:KADOKAWA
(C)2016「貞子vs伽椰子」製作委員会
公式HP:http://sadakovskayako.jp
貞子のTwitter:@sadako3d
伽椰子のInstagram:kayakowithtoshio

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