映画レビュー 古き良き時代のハチャメチャ香港映画が帰ってきた!『カンフーサイボーグ』




西暦2046年。中国・黒江省の小さな村の警察署長タイチョン(フー・ジュン)が、政府が運営する科学センターが開発したサイボーグ警官K-1(アレックス・フォン)を預かり、やがて同センターから逃走した新型サイボーグK88をタイチョンとK-1が捜索、そしてサイボーグ対サイボーグの激しいバトルが繰り広げられる。古き良き時代のハチャメチャ香港映画が帰ってきた!監督・脚本は「チャイニーズ・オデッセイ」、スー・チー主演「クローサー」を手掛けたジェフ・ラウ。
久しぶりに「ごった煮、なんでもあり、これぞB級映画の真骨頂」というエネルギッシュな作品に出会った。お約束のハリウッド映画からのアイデア拝借(冒頭いきなり「S.W.A.T.」からのパクリ)を始め、トランスフォーマー(勿論、我が日本の「戦隊もの」がベース)っぽい、CGによるサイボーグ戦士のバトルシーンは言うに及ばず、女性警官ムイ(スン・リー)との許されない恋あり、お笑いあり、兎に角「これでもか」のエンタテイメント的見せ場のオンパレード!!やはり香港映画はこうでなくっちゃ(笑)
主役サイボーグのK-1のいかにも鬘っぽいリーゼントが、なぜか1959年の毎日放送でオンエアされた実写版「鉄腕アトム」の「頭、ヘルメット?」を思い出させた。ひとつ気になったのは、エンディングロールで折角のバラード曲(デュエット)が終わっても、まだ尚スタッフロールが流れ続けてたこと。ハリウッド映画だとインスト曲にチェンジするんだろうが、最後まで沈黙。でもこんな雑な作りが香港映画のエネルギーなのかもと、妙に納得。上映時間103分、退屈しない。
レビュアー:JJ堀尾
『カンフーサイボーグ』
2011年1月22日(土)よりシアターN渋谷ほか全国順次公開!
これが『トランスフォーマー』への香港アクションからの返答だ!
チャウ・シンチー主演『チャイニーズ・オデッセイ』の監督や、『恋する惑星』『天使の涙』等、ウォン・カーウァイ作品の製作者としても知られる香港の鬼才ジェフ・ラウが、中国本土と組んで、ここぞとばかりお得意のパロディー精神を炸裂、『トランスフォーマー』や「鉄腕アトム」を意識した造形をちりばめ、自身が製作した『カンフーハッスル』を一段超えたロボット・クンフー・アクションに作り上げた。主演は香港の人気アイドルスター、アレックス・フォン、『レッドクリフ』のフー・ジュン、『インビジブル・ターゲット』のウー・ジン。CGを『少林サッカー』『キル・ビル』などを手がけたアジアを代表するスタジオ、セントロ・デジタル・ピクチャーズが担当している。
2009年香港映画/103分/シネスコ/広東語/デジタル/ドルビー
監督・脚本ジェフ・ラウ 出演アレックス・フォン、フー・ジュン、ウー・ジン、エリック・ツァン
公式サイト:http://www.takeshobo.co.jp/sp/kungfu/
(c) 2010 National Arts Films Production Limited

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