【取材レポート】世界を震撼させた伝説のホラーゲーム『クロックタワー』の魂を受け継ぐ『NightCry』の発売日が3月29日に決定!

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伝説のホラーゲーム『クロックタワー』の魂を引き継ぐ、河野一二三、清水崇が贈るポイント&クリックホラーゲーム『Night Cry』が2016年3月29日に配信決定!

本作の完成披露イベントがニコニコ生放送で実施され、、放送後にはマスコミ向けのトークセッションが開かれた。

ニコニコ生放送では、『クロックタワー』に思い入れのあり人気実況主の「牛沢」「まお」の二人が清水監督、河野ディレクター、本作品のプランナーである池田氏のアドバイスのもと実況プレイを行い、二人のテンション、絶叫が本作品への最高のリスペクトとなり、期待感も最高潮に達した。

ニコニコ生放送終了後はマスコミ向けに完成披露発表会、トークセッションが行われ、引き続きディレクターの河野一二三、清水崇監督、「シザー・ウォーカー」のイラストを担当された伊藤暢達氏、プランナーの池田祥也氏、サウンド・効果音を担当された小池令氏が登壇しトークセッションが行われた。

筆者も会見前に30分ほど本作品をプレイさせていただいたが、小学生の頃ちびってしまったあの『クロックタワー』の思い出が蘇り、昔のホラーゲームでは当たり前のもどかしくも不親切な操作性もほぼそのままで帰ってきたので懐かしさがこみ上げ、直ぐにゲーム世界に没入して久しぶりの「シザー」との対面にホラーゲームにも関わらずわくわくしてしまった。

[取材:畑 史進]

■トークセッション

・伊藤さん自身、「シザーウォーカー」のお話を受けたのはいつごろですか?

伊藤 2013年の暮れ頃だったと思います。その時には『クロックタワー』の「シザーマン」その子孫に当たるクリーチャーデザインを依頼され、嬉しく思いました。

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↑イラストレーターの伊藤暢達氏

・池田さん・小池さんはいつごろからこの作品に関わられたのでしょうか?

池田 僕は去年まで学生でして、会社に採っていただいたときから直ぐにこのプロジェクトに参加させていただきました。入れていただいたのは半年ぐらい前だと思います。小学生の時から思い入れのあるゲームで、人とプレイするのも楽しいし、その感覚を皆様にも楽しんでいただけたらと思ってこの半年しがみついて開発してまいりました。仕上がりもいいと思います。

河野 今回の製作でうちのスタッフの中で彼は2年分くらいの仕事をしてくれて、こんなに才能のある奴がいるんだと驚きました。今彼はUnityでバリバリイベントを自分で組込むことを一人でやっていますよ。今日もここに来る前に一つ組み込んできたんですよ。

小池 僕が声をかけられたのは去年の夏頃でした。僕が参加した頃にはゲームもほぼ出来上がっておりまして、プレイ可能な状況でした。いちユーザーとして音を入れ込みました。僕も今までゲームでゾンビを倒したりするゲームがお仕事で多かったのでそれでお声がかかったのではないかなと思います。

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↑プランナーの池田祥也氏

・河野さん自身今回の新規IP「Night Cry」に「クロックタワー」というタイトルを使わなかった理由は何でしょうか?

河野 「クロックタワー」が使えればそれはそれでよかったんですが、「クロックタワー」はカプコンさん、SUNSOFTさんのIPであるのと、「クロックタワー3」ではカプコンさんが新しいシステムのものがあるので、そこで戻るとよろしくないのと思いました。インディーズとしてやりたかったのは、クリックタイトルのホラーゲームというのはパブリッシャーからお金が出にくいからです。それでも僕はゲームを出したかったので、お金はクラウドファンディングで集めて、そこで改めてクリックホラーゲームを中心に作っていこうというコンセプトで作りました。

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↑ディレクターの河野一二三氏

・倒せない敵というのはユーザーのフラストレーションになると思うのですが?

河野 フラストレーションは貯めればいいと思います。結局、ユーザーも撃って倒したいという快感というのは大きなAAAタイトルだったり、大きなマーケットでの話であるべきだと考えるんです。自分は「Night Cry」のようなゲームを作りたいので、仮にユーザーさんに受けなくても「こういうのを作りたい」とやれるのがインディーズじゃないですか。我々には最終的にACGさんが付いてくれましたが、パブリッシャーがつかなくても、助けになってくれるのがクラウドファンディングであって、そういう所で裾野が残り続ける世界というのは大事だと思います。どうしてもAAAタイトルというのはパターンが決まってしまうのです。そこはもう任せてしまおうと思います。

・グラフィックを作りなおしたのは凄かったですね

河野 伊藤さんにグラフィック良くなりましたねと褒められましたね(笑)実際に予算的に人数をかけていられないのでグラフィックスタッフ皆が頑張ってくれました。キックスターターで公開したモニカのモデルと、今のモニカのモデルは髪の毛の感じ等、全然違うます。ゼロから作りなおしました。

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↑映画監督の清水崇氏

・清水監督は作りなおされたものを見てどう思いました?

清水 最初にプロモーション・ビデオを実写で作ってくれと言われた時、劇中で男の子が「Night Cry」をプレイするシーンを撮る際、その画面を急いで作って欲しいと河野さんにお願いしたんですけど、「え、今からですか?」と言われまして。その中で使えるシーンを頂いて、どんなゲームになるかわからないまま男の子にはプレイしている演技をしてもらいました。河野さんにはまだお見せ出来るような状態じゃないと申し訳ない思いをさせてしまったな思いました。見るたびにどんどん完成度が上がっていくそのこだわりは凄かったです。あと、「精神的続編」という言い方があるんだなと。僕もいつか何か「精神的続編」というものを作ってみたいです(笑)

・伊藤さんは実際に完成されたものを見てどう思われましたか?

伊藤 クリーチャーのデザインを書いた後にしばらく立ってヌードメーカーさんにお邪魔していたんですが、その時はまだグラフィックを修正する前で「あんまり良くないな」感じました。その後、グラフィックを全部変更したと聞いてお金大丈夫かな?と思いました(笑)

河野 伊藤さんの顔に出ていたんですよ。ビンビンに伝わってきて口がモゴモゴしてました(笑)

・池田さんは途中からの参加ですが、修正する前をプレイされてみてどうでした?

池田 最初は感動でした。上の立場の先輩たちにも「ここ直したいんですが・・・」と少しづつチームに入っていって、一緒に作っていきたいんだとう気持ちを全面に押し出しました。

河野 前任のプランナーが家庭の事情でやめてしまったんですが、その後に彼が入ってきてくれて、当たりのプランナーが続けてくるのはかなりラッキーかなと。スタッフロールの順番は監督から観た時の感謝の順番なんです。今回のようなゲームではプログラマーが最初に来るんですが、今回に限っては、前任の三浦と池田がトップに来ています。これからは若いパワーだな、もうジジイは引退だなと思いました(笑)

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↑効果音担当の小池令氏

・小池さんがチームに入られたのはいつ頃からですか?

小池 まだ開発中のグラフィックを修正する前でした。話を頂いた時、河野さんのものすごい男気にこちらから「お願いします」という感じでした。いまゲームはスマホゲームに押されているじゃないですか。イベントシーンのリストを頂いた時、これはインディーズのものじゃないぞと。スクロールバーがどんどん下に行って、ゲーム発売前に僕が死んでしまうのではないかと思いました(笑)様々な成功パターン、失敗パターンがあって、最後の最後までこの子は生きているのか死んでいるのかわからなくなってきて、プレイヤーは楽しいだろうなぁって感じました。完成した今少し泣きそうですね、幸せです。

河野 襲われたりするイベントシーンにには物凄い労力がかかるんですが、先週に大型のものを3つほどぶっこみまして・・・

小池 口から内臓を・・・という話なんですが、ちょうどファミレスで食事中にいただきました(笑)

・「NightCry」はVitaに移植されますが、CERO等の関係でバイオレンスシーンが問題になりそうですが?

河野 そこはいまノープランで突っ走っている状態ですね。PC版では削除シーンはないんでぜひお手にしてほしいですね。

・Vita TVへの対応はどうでしょう?

河野 うーん・・・要望とコストと・・・それ次第ですかね?

■質疑応答

・今作「NightCry」は「クロックタワー2」から20年ぶりの「シザー」「ホラーゲーム」との対面いうことになりまたが、あれから時間が経って作品と向き合った時考えや思いの変化はありましたか?

河野 「やろう」と決めた時、ファンからのTwitterで初めて20週年だと気づきまして、今回節目となってよかったなと思いました。「クロックタワー1・2」のあとにも「ゴーストヘッド」のときにも、会社からお前やるんだろと言われたんですが、断った経緯がありました。「クロックタワー3」の時にもカプコンの三上さんからからお誘いがあったんですが、それもお断りしました。「クロックタワー1・2」のときにやりたいことは全てやりきってしまって、それが年月が経って自分の中にチャージされてきて、また自分の中のホラー論というものをゲームで表現したい、それをぶつけたいと思って今作に挑みました。

・実況プレイをニコ生でもやりましたが、依然、実況プレイをするにあたってPCでは敷居が高いです。PS4への展開は実際どの程度お考えでしょうか?

河野 PS4で出したいという思いは非常に強いです。僕の願い意気込みは、PS4、VR、そして清水監督による映像化を考えてます。そこからはやっぱりお金の話になるんですよね・・・PC版の売れ行き次第でもあるんですが、自分が作りたいという意欲さえあればチャンスはどこかで掴むだろうと考えています。なので意気込みを持ち続けて実現したいと考えています。

・「NightCry」というのはどういった経緯でつけたネームですか?

河野 最後までプレイしていただくと分かるのですが、これは全部の設定を内包したタイトルなんです。今作はインディーズならではなんですが、「分かりにくくてもいいや」というスタンスでやってて、ぜんぶ謎解き・伏線が貼ってあり、最後まで分かりやすく書いてないんです。そこはユーザーの皆さんに色々考察していただきたいなと。こっちは流動食にして、誰でも食べられますよというスタンスにはしたくありません。

・今回マルチエンディングですが、隠し要素と言うのはあるんでしょうか?またコンシューマーの時には変更とかありますか?

河野 隠し要素までは作れませんね。Vitaはもう無理なんじゃないかと。PS4版の時には大きく変えたいですね。大きなイベントはバッサリ切っていたんで。

・池田さんが入ってきた時にはカットされていましたか?

池田 僕が見せていただいた時にはすでに横線が引いてある箇所が多くて、「あっ消えてる・・・」と結構重いぞと消えてる所を見て思いましたね。

・「NightCry」の次回作、新しい作品の構想はありますか?

河野 考えてあります。今回伊藤さんに申し訳ないと思ったのが、デザインしていただいた中で別バージョンの「シザーウォーカー」があったんですが、それが活躍する場面が出来なくて、ほんのワンシーンでしか出せず、伊藤さんのほうから「出ないほうが本望だ」と重圧が来まして(笑)本作のラストにはこっから先は?という作りにしてあるんで想像をめぐらして欲しいです。

この後「NightCry」の映像化に向けての期待・構想を本作品の舞台である豪華客船になぞって「タイタニック」を例に交えて清水監督が実写化の際には是非自分がメガホンをとって見たいと話した。さらに、本イベントのためにサム・ライミ監督からのコメントが介され完成披露イベントは終了した。

サム・ライミ氏より本作へのコメント
(『死霊のはらわた』、『スパイダーマン』監督)

“清水崇の『NightCry』は、明かりを点けたまま眠りたくなるようなタイプの体験である。
殺人鬼のストーリーは、ファンタジー的なビジュアルで彩られる。
今日のビデオゲームでこのような素晴らしい作品があるとは。
このホラーの船旅に出航し、どっぷりとその旅を楽しむのが待ちきれない。”  

“Takashi Shimizu’s NightCry is the type of experience that makes you sleep
with the lights on: a killer premise supplemented by fantastic visuals.
Knowing the great work being done in video games today,
I can’t wait to be fully immersed in this seafaring horror.“

『NightCry』
ジャンル:クリックポイントホラーゲーム
対応言語:日本語・英語
PC版配信日:2016年3月29日

・¥2,480【PC版ゲーム】「NightCry」PC版
・¥3,980【PC版ゲーム+サウンドトラック(デジタル)セット】
・¥4,980【PC版ゲーム+サウンドトラック(デジタル)+アートブックセット】
・¥5,980【PC版ゲーム+サウンドトラック+アートブック+絵コンテ】

公式サイト: http://www.night-cry.com/
Twitter: https://twitter.com/NightCry_JP
Facebook: https://www.facebook.com/ProjectScissors/
Steamページ: http://store.steampowered.com/app/427720/
PLAYISMページ: http://playism.jp/game/420/nightcry

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