新海誠監督最新作 映画『星を追う子ども』初日舞台挨拶 レポート


5月7日(土)、『デビュー作『ほしのこえ』から前作『秒速5センチメートル』まで、“心の距離”を繊細に描く作風で人気の新海誠監督の最新作映画『星を追う子ども』が初日を迎えた。上映前に監督、キャストの皆さんによる舞台挨拶試が行われた。新海誠が今回挑むのは、本格ジュブナイル・アニメーション。美しい風景描写に定評のある新海作品。本作も世界の輝きを封じ込めたかのような美しい映像で、少女・アスナの冒険譚が語られる。

公開初日のゲストとして、新海誠監督、主人公アスナ役の金元寿子さん、モリサキ役の井上和彦さん、そして少年シュン/シン役の入野自由さんが登壇した。新海監督は初日を迎えた喜びを「2年前から制作を開始し、ようやく今日公開ということで、長かった仕事が終わったんだなという気持になることができました。皆さんのお陰です。ありがとうございます。」と穏やかな表情でお礼を述べた。キャストの皆さんからは、アフレコ収録時のエピソードや、作品にこめられたメッセージについて語られた。その途中、金元さんについて新海監督から「イカ娘」が始まる前にアスナ役に決まっていた金元さんが、アフレコを始める時にはすっかり「イカ娘」になっていて、「声優さんって役柄によって同じ人でも変るものなんだな」と感心したことや、舞台挨拶の為に前日に劇場を下見していたこと等、金元さんの真面目な人柄をうかがわせるエピソードが語られ場内は和やかなムードに包まれていた。

最後の挨拶で新海監督は、今回の震災を通じ、アニメーションにしかできない役割があると信じたいと述べ、本作に込めた想いを次のように語った。「最近特に思うのは、アニメーションはひとつの娯楽であって、衣食住に勝るものではないと思います。そんな時にエンターテイメントでしかないアニメーションを作り続けることの理由を考えざるをえませんでした。例えば深い悩みがあるとか、心に傷を負ってしまった時とか、アニメーションとか娯楽というのは、そういう時に少し傷の治りが早くなったり、少し生きるのが楽になったり、バンドエイドみたいなものだと思っています。必須なものではないけれど、この作品も皆さんの心のどこかに短い期間でも、居場所を見つけることができれば幸せだと思います。」映画『星を追う子ども』は、シネマサンシャイン池袋・新宿バルト9ほかにて全国公開中。

『星を追う子ども』
5月7日、シネマサンシャイン池袋・新宿バルト9ほかにて全国ロードショー

原作・脚本・監督:新海誠
作画監督・キャラクターデザイン:西村貴世
美術監督:丹治匠、音楽:天門
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
配給:メディアファクトリー、コミックス・ウェーブ・フィルム
公式サイト:http://www.hoshi-o-kodomo.jp/
(C)Makoto Shinkai/CMMMY

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