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映画『富江 アンリミテッド』公開記念 井口昇監督インタビュー

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『富江』はJホラー全盛期を作り上げた天才伊藤潤二の傑作ホラー。映画作品はシリーズ8作目を迎え、これまでに菅野美穂、宮崎あおいなどそうそうたるメンバーが輩出してきた知る人ぞ知るホラーシリーズ。そして、ついに最新作『富江 アンリミテッド』の公開が5月14日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショーされる。本作の公開を記念し、これからのエンタメ映画を牽引していくであろう監督の一人、井口昇監督に作品の魅力や裏側について聞いてきました。

—まずはご結婚おめでとうございます!
井口監督「ありがとうございます!」
—結婚はガセではないですよね?
井口監督「本当です!本当に入籍いたしました!区役所に行って、つい数日前に届け出してきました(笑)」
—奥さんとはどこで知りあったんですか?
井口監督「僕のブログのオフ会です(笑) こういうことを言うと、みんなから「いやらしいな~」と言われますけど(笑)」
—そんなことはないです。改めておめでとうございます!さて、いよいよ5/14から公開される映画『富江 アンリミテッド』ですが、この作品は井口監督の企画によるものですか?
井口監督「数年前に『富江』の話が来ていたんですが、その時は諸事情で話が頓挫してしまいまして。それで、去年、またお話をいただきまして。僕自身が伊藤潤二さんの漫画が好きで、潤二さんの作品を映像化したいと思っていましたので、今回こそ絶対にやりたいと思って企画がスタートしました。」
—今回、脚本を継田淳さんと井口監督のお二人で担当されていますが、どのように脚本を構成していったんでしょうか?
井口監督「脚本を一回書いていただいた時に、ちょっと物足りない気がしたんです。そこで、富江が肉親という設定にしたらどうだろうか?と思ったんです。今まで、富江シリーズは8本作られていて、どうしても今までのパターンに陥りやすいと思ったんです。単純に同級生だと嫉妬の話になってしまうので、肉親のお姉さんが死んで甦るという話であれば、今までと違うアプローチができるなと思って継田さんに提案しました。今回は、ホラーとも、思春期の女の子のダークファンタジーとも見えるようにしたいなということでストーリーを作っていきました。」

—今までのシリーズと特にどのような点を差別化しようと思ったんですか?
井口監督「ビジュアルですね。このシリーズは10年以上前からスタートしているので、ビジュアル、CGが追いついていなくてカット割とかで誤魔化していたりするので、それを原作にあるグロテスク描写をダイレクトに見せたいというのが今回のテーマでした。あと、『恋する幼虫』(井口監督2003年作品)みたいなものを再びやりたいというのがありました。」
—ここ2・3年で、かなりの数の作品を撮られていますが、アイディアが尽きたりしませんか?同じようなものを求められることも多いと思いますが。
井口監督「どうしても、若干似てきますけど(笑) でも、まだ隙間があるなと思っています。まだ、普通の人間ドラマはやっていないというのもありますし。今村昌平さんみたいな作品も撮りたいです(笑) 」
—人間ドラマといえば、難病ものとか観てみたいです。
井口監督「難病ものはやっていないですね(笑) でも、やっぱり毛孔から何か変な膿が出てくるものになりそうですけど(笑) 人間ドラマをやりたいんですけど、なかなかタイミングが合わなくて。今回の『富江 アンリミテッド』もそうですが、ちょっとずつ内容のテーマと、演出上のテーマを毎回変えたりして変化をつけています。」
—井口監督の作品の特徴として残酷なシーンがありますが、井口監督が撮ると何か深刻な感じがしないのは何故でしょうか?
井口監督「ユーモアと茶目っ気でしょうか(笑) 何なんでしょうかね(笑) 僕が撮ってきた作品の描写のことを他人に言われると、ヒドイことをしているな~と思います(笑) 何かまかり通ってしまうんですよね(笑) ヤバイと言えば、(『富江 アンリミテッド』のチラシを見て)このチラシが一番ヤバいと思うんですけど。よくOKだったなと思います。『食人族』以来じゃないですか、物が人を貫通しているビジュアルを使っているのは(笑) バルト9で『プリキュア』のチラシの隣に置いてあって、それもビックリしましたけど(笑)」
—富江といえば、周りの男性が富江にメロメロになって暴走していくのがひとつの見所ですよね。ツンデレのデレが全くないにも関わらず、魅力的という。
井口監督「たしかにツンのみですね(笑) ハードコアでいってみた感じです。」

—奥さんはツンな感じなんですか?
井口監督「いえ全く(笑) 恥ずかしがり屋で、小動物みたいに、すぐヒュっと隠れる感じで(笑) その姿を見た者はいないというくらい(笑)  富江とは真逆ですね。」
—まったく媚びないのに魅力的。というのは、演出的に難しくなかったですか?
井口監督「そういうタイプが好きな人もいるかな~という感じです(笑) 原作の富江を読むと彼女に愛嬌はないんです。とにかくツンのみで。とにかく(人を)褒めないキャラクターなんです。」
—作品の冒頭、落ちたカメラが、明らかにピアノ線で”吊った”ように地面を跳ねるカットがありましたが、何を意図してあのカットを入れたんでしょうか?
井口監督「あまり最近やらないことをやりたいと思っていれました。この作品では、大林宣彦監督の『HOUSE ハウス』(1977年作品)へのオーマージュもあって、敢えて作りもの、合成にしか見えないものを入れてみたりとかしてみました。それが逆に不気味に見えればいいなというのもありましたね。」
—映画のラストは凄かったです!詳しくは言えないと思いますが、どのようにアイディアを思いついたんでしょうか?
井口監督「最初の脚本では、今までの(富江の)パーターンと同じようなものだったんですが、何か寂しいなと思って。今回は、”死”というものをちゃんと描かないといけない気がして。死をどこかで求めている女の子がいて、その後押しをしているのが富江である。というような感じにしたいなというのがありました。
それを説明的になりすぎないようにしたいと思って、あのようなラストにしました。あと、お化け屋敷感覚に映画が見えるといいなと思っていて、なんだか分からないけども、薄気味悪いものがドンドン迫ってくるという”大盛り感”、今、私の中では”映像ラーメン二郎派”って思っています(笑) 西村さんとよく言っているんですけど、ただでさえ大盛りなのに、さらに野菜と油も増すみたいな(笑) そういう感覚でいたいなと思っています。」
—他にも生理的にショッキングなシーンが沢山ありますが、使えなかったネタとかはありますか?
井口監督「まだまだいっぱいあります!原作でも映像化できていないものもあるので。富江シリーズは、監督やキャストが違っても、いくらでも作れる余地があるので、またチャンスがれば作りたいですね。」
—キャスティングについてですが、大和田健介さんはどのような理由で決めたんでしょうか?
井口監督「常に怯えた感じがよくて決めました(笑) 彼はオーディションの日に遅刻してきたんです。汗だらけになって遅れてきて(笑) 謝っているその姿を見て、彼がいいな~と思って決めました。やはり、動揺する人がいいですね。女の子は強く、男の子は弱くというのが僕のモットーなので(笑)」
—川上麻衣子さんは井口監督の希望でキャスティングされたんですか?
井口監督「いろんな候補の中に川上さんがいらっしゃって。今、敢えてお母さん役をやってもらうとしたら、川上さんはありだなと思って決めました。」
—川上さんは現場ではいかがでしたか?
井口監督「川上さんはホラー映画への出演は初めてだったんですけど、すごく協力的でした。口から血を噴き出すシーンがあるんですけど、口から血を吐くのを水で練習していました(笑) そういう所が可愛いなと思いました(笑) 」
—『富江 アンリミテッド』を観ていて感じたんですが、井口監督の作品を観ると、作品の根底に何かに対しての憤りみたいなものを感じるんですが、いかがでしょうか。
井口監督「どうでしょう。やはり、「このままではヤバイんじゃないか」という問いかけはしたいと思っています。意識している訳ではないんですけど、生きるとか死ぬということに関して描きたくなるんですよね。単純に娯楽映画として楽しんでもらいたいという気持ちの一方で、何かをぶつけたいという気持があるのかもしれないですね。」
—『富江 アンリミテッド』の原作はコミックですが、「富江」以外に映画化したいコミックはありますか?
井口監督「いろいろあります(笑) ジョージ秋山先生の「ゴミムシくん」とか(笑) ウ●コを食べて生きている男たちの話ですけど(笑) あと、「トイレット博士」、「ザ・ムーン」。あと、「がきデカ」もやってみたいですね。」

—最後に『富江 アンリミテッド』をご覧になるお客様にメッセージをお願いします。
アメリカンホラーを観る感覚で、いっぱい飲み物とか食べ物を買ってこの映画を観てほしいです。単純にお化け屋敷ホラーという感じで、女子高校生にキャーキャー観てもらいたいというのが僕の想いです(笑)
—ありがとうございました。


映画『富江 アンリミテッド』
5月14日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督:井口昇(『ロボゲイシャ』『片腕マシンガール』) /脚本:継田淳 井口昇
原作:伊藤潤二(朝日新聞出版 刊)/製作:東映ビデオ
出演:荒井萌 仲村みう 多田愛佳(AKB48/渡り廊下走り隊)
大和田健介 大堀こういち 川上麻衣子
配給:ティ・ジョイ、CJ Entertainment JAPAN/宣伝:プレシディオ、ヨアケ  
公式サイト:http://www.tomie-unlimited.com
(C)Junji Ito (C)2011東映ビデオ



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