映画レビュー ダニー・ボイル監督最新作『127時間』



登山家アーロン・ラルストンの実体験を綴った原作をダニー・ボイル監督が映像化。2011年度アカデミー賞にて、残念ながら各賞の受賞はなかったものの、6部門にノミネートされた。
ロッククライミングをしていた若き登山家アーロン(ジェームズ・フランコ)が落石と同時に谷底に落ちてしまい、右腕が岩に挟まれたまま身動きが取れなくなる。人がいる気配もなく、大声で叫んでも無駄という絶体絶命の大ピンチに陥ったアーロンは、この状態で五日間を過ごし、最終的にはある決断を下す…というお話。
ストーリーは簡素化されており、「待ち受けているのは死あるのみ」という絶望的な状況からアーロンが如何にして抜け出そうとするのか?!が大きな見所であり、観る者に興味を抱かせるのだ!!
劇中にてアーロンがTVショーの司会者&ゲストを真似て自作自演をする模様をビデオカメラに収めるシーンがある。これは絶望や過酷といったマイナスイメージを前面に押し出すことなく、観る者に安心感を与えると同時にアーロンが危機的状況の中でも常に前向きであることがわかるシーンとして忘れ難い。そして、このシーンを用意したことは正解だったと断言したい。
とてつもない悲劇に打ち勝った一人の若き男のミラクル・ストーリー…実話であることに驚愕させられたが、実話だけに本作が観る者に与える勇気と希望、感動はホンモノだ!!
レビュアー:佐々木 貴之
『127時間』
 6月18日(土)より、TOHOシネマズシャンテ、シネクイント他全国ロードショー
監督:ダニー・ボイル出演:ジェームズ・フランコ(スパイダーマン)
 (C)2010 TWENTIETH CENTURY FOX
公式サイト:http://127movie.jp/

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