映画レビュー 故・石川賢先生の原作どおりなハチャメチャ感も満載 映画『極道兵器』



山口雄大&坂口拓の”映画版まんが道”な関係の2人が一緒にメガホンを取った怪作! 故・石川賢先生の原作どおりなハチャメチャ感も満載に加え、アクションパートを担当している下村勇二のブッ飛びまくった奇天烈無比な殺陣も凄い。当然、人体部位欠損しまくったり、人体破壊しまくったり、流血具合も問答無用。
岩鬼将造を演じる主役の坂口拓は『DEAD BALL』同様、格闘アクション映画好きには観てて安心(信用)できるリアル・ヒッティングの多い痛快ヴァイオレンス・アクションをしてくれるのでブレない演技であったが、宿敵の倉脇重介を演じた鶴見辰吾のヘンタイっぷりが唯一物足りないところ。倉脇は学生時代から大好きだった片思いの山鬼なよ子(黒川芽以)を2度に渡って誘拐監禁するも、セーラー服姿にして拘束するしているだけで終わってしまっている。オッパイの1つや2つ鷲掴みするシーンでも欲しかったなぁ。裏設定では衣装を着せ替える際に既に身体を弄び済みなのかもしれないけどね。
劇中後半、岡村鉄男(村上淳)との死闘の直前、将造がカチコミしに行く建物内で4分30秒ぐらいだろうか……トンデモないシーンが観れる! 格闘アクション映画マニアじゃないと気付かないかもしれないが、何十人の敵をワンショット&ワンカメラで将造がなぎ倒していくのである。殺陣シーンやカメラポジション等考えると恐らく何度もリハーサルを重ねたり、シミュレーションしたのだろうと推測してしまう。映画冒頭から打撃が当たるリアル・ヒッティングの瞬間をスローモーションにしたり、坂口拓の血が無意識にトニー・ジャーを意識していたのだろうが、この長回しのシーンで地味ながらも炸裂するので個人的に一番のキラーショットだった。
マンガ連載当時に聞いた話では、人間を兵器にするアイデアは『ロボコップ』から影響を受けて描いていたらしいのだが、今回実写になってもカメラアングル等はポール・ヴァーホーヴェンなイズムをそれらしく継承しているところにグッと来るはず。ただ、全体的にハンディでのカメラ撮影が圧倒的に多く、揺れやブレが多くて被写体がフレームアウトしちゃうんじゃないの? って思える危険箇所多々だった……のは早撮りしなきゃいけなかった理由からなのだろうかは謎。
レビュアー:ジャンクハンター吉田
『極道兵器』
(C)2010 KEN ISHIKAWA/Dynamic Planning-YAKUZA WEAPON Film Partners
7月23日(土)銀座シネパトスほか全国順次公開








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