主役はシャオユウ!『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』毛利陽一監督インタビュー


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現在公開中の映画『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』。世界ナンバーワンの人気を誇る、対戦格闘ゲーム「鉄拳」。ハリウッドでの実写映画化を経た「鉄拳」が最終的にたどり着いたのは、3DのフルCG映画という、ある意味必然ともいえる着地点だった。「純日本製」のフルCGアニメーションとなった『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』について、毛利陽一監督に話を聞いた。

—初の映画監督、「鉄拳」の映像化というプレッシャー
僕自身、「鉄拳5」と「鉄拳6 BLOODLINE REBELLION」でオープニングムービーを担当していました。「鉄拳」における「ムービーパートの作成」というかたちで、鉄拳プロジェクトとは深い関わりを持っていたことが、起用していただいた理由として大きいんだと思います。長編としてはこれまでに「ぼのぼの クモモの木のこと」や「アタゴールは猫の森」でCGディレクターをやらせていただいていましたので、長編を担当すること自体は初めてではないですし、ある程度覚悟はできていました。しかしファンの期待と監督業へのプレッシャーというのはありましたね。でも、初めての映画監督作品が鉄拳でよかったと思っています。映画を作ろうとすると、どうしてもマジメな方向になってしまいかたくなってしまう。でも「鉄拳」は凄い技術を使ってお馬鹿なことをやってたり、ああいう気取らない感じがいいところだと思うんです。ゲームでもオープニングはかっこいい感じなのに、エンディングはギャグですからね。さじ加減は難しいですが、そういったものが鉄拳独特の世界を作っているのだと思います。なので肩の力が入りすぎないような作品にできたのは、そのおかげが大きいですね。

—脚本・佐藤大への信頼
今回脚本として佐藤大さんに入っていただいたことは、非常に大きかったですね。初稿から常にやり取りさせていただいていましたし、アクションがあって、笑いがあって、という筋の通った脚本があったので、軸がブレなければしっかりとした作品になるな、という安心感がありました。

—主役はまさかのシャオユウとアリサ


「鉄拳」には40以上のキャラクターがいますので、誰を通してお話を展開するかは自由でしたし、悩みどころでもりました。とはいえ、普通ならやはり風間仁になると思うんですが、彼を軸に話を展開していくと成長するキャラクターを出すのが難しいんです。仁自体が完成したキャラクターだと思いますし、その彼が急に思い直していい人になるわけにもいかないですから(笑)。映画にはやはり感情移入ができる人物が必要ですし、その人物をきっかけに物語の中に入り込める、泣いたり笑ったりできる人物を主人公にしたいと思っていました。なのでシャオユウが主役というのはすごくいいと思いましたし、茶目っけがあって背伸びしない、等身大のキャラクターで、僕自身も好きなキャラクターです。アリサが惹かれる人物にしたかったですね。アリサに関しては、美少女ロボットという素材としてすでに面白いですよね。映画をご覧いただければわかるとおり、「ターミネーター」や「エイリアン2」が大好きなんですよ。さすがに顔に関しては、かわいさがなくならない程度にしておきましたが、体に関しては今回とことんまで壊しました。ロボットなら直せますからね(笑)。

—キャラクターの表情
今回、キャラクターの表情には特に気を使っています。キャラクターをCGで作ると、どうしてもリアルにつくり込もうとするあまり、きれいなだけのものになってしまいがちなんです。特に今作は女の子のバディームービーなので、この二人がかわいくないとそこで終了です。感情移入できる対象として、その人物が何を考えて行動しているのかを観客にも共有してほしい。なので今回のCGはリアルな作りこみではなく、豊かな表情を出すことを意識して作っています。その分フェイシャル・キャプチャーは大変でした。例えばシャオユウは、当然女性の役者さんからの表情をキャプチャーしていますが、同じ女性でも骨格も違えば顔のパーツの位置もそれぞれ違います。キャプチャーするとそれは思っている以上に反映されてしまうんです。それをひとつひとつキャラクターに合わせて調整していくという作業はかなり大変でした。

—見どころはやはり鉄拳ならではのアクション
各キャラの戦闘シーンに関しては、それぞれにテーマがあります。アンナ対ニーナはスピードと関節技、シャオユウとアリサは人間対ロボット、少しコミカル要素も入れて・・・とそれぞれのイメージは大事にしようと決めていました。そしてクライマックスの京都城でのアクションは特に苦労しましたね。「鉄拳6」のシステムでもある床破壊もやっていますし、周りにあるものは全部使うアクションになっていますので、難易度はAAAでした。それぞれのキャラクターの固有技に関しては、シャオユウの架推掌や虎尾脚、三島だと風神拳のような、そのキャラクターを象徴するような技は出したいと思っていました。きっと知っている技が出てくると思うので、そこは楽しみにしてほしいですね。
今回が初監督となった毛利監督だが、その表情に気負いはなく、超有名格闘ゲームの映画化に自信をもって臨んだことがうかがえた。『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』は新宿バルト9ほかにて3D公開中。
『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』 新宿バルト9ほか全国3D公開中
STORY
中国拳法の達人である女子高生リン・シャオユウの元に、ある依頼が舞い込む。それは京都のインターナショナル・スクールへ潜入し、そこに通う“神谷真”という少年を調べるというものだった。しかし、どこか謎めいた部分を感じさせる真は、シャオユウの追跡をことごとくかわしていく。さらに学園で出会った謎の少女アリサにも翻弄され、シャオユウの捜査は行き詰まっていく。そして、そこには“三島財閥”という巨大な組織による、血なまぐさい陰謀が隠されていた……。
企画・製作・原作・共同宣伝:株式会社バンダイナムコゲームス
制作:株式会社デジタル・フロンティア
キャスト:坂本真綾、松岡由貴、宮野真守、篠原まさのり、千葉一伸、田中敦子、渡辺明乃
監督:毛利陽一
脚本:佐藤大
音楽:崎元仁
配給:アスミック・エース
(C)2011 NAMCO BANDAI Games Inc.
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